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「なぜ勉強するのか」に対する私なりの答え


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記事:高橋 弘旭(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「あー宿題が終わらない……」
 
高校生の頃、宿題が多く、それを終わらせるため、結果的に毎日机に向かうことになった。平均すると、1日2時間ほど。部活を引退した3年生のころは、平日は3時間ぐらい勉強に費やしていた。
 
「どうして勉強するのだろう? 勉強して何になるのだろう?」
 
ある日、宿題を終わらせようと机に向かっていた時、ふっと疑問に思った。
その時は、答えを出すことができなかった。
 
あれから十数年。ずっと抱いていた疑問に答えを出すことができた。一通りの学生生活と、少しの社会人生活を経験して、私なりに考えた答えだ。
 
それは、「選べる選択肢を増やすことができる」だ。
 
大学受験のとき、高い偏差値であれば、受験する大学を選ぶことができる。そして、有名な大学を卒業すれば、希望の会社へ就職できる可能性が広がったり、業界・職種を選べたりする。
残念ながら日本は、現代においても少なからず学歴を重視する風潮があるのは事実だ。
 
勉強に対する疑問を持った当時は、ただただ宿題に追われ、その意味を考えることなく過ごしていた。結果、あれほど勉強に時間を費やしたのに、希望の大学へは行けなかった。センター試験の結果で、受かりそうな大学を選び、受験した。希望の大学が選択肢から外れてしまったのだ。
 
就職活動では、有名企業は受けなかった。正確には、受けようとは思えなかった。大学のネームバリューから、書類選考の時点で落とされるだろうと諦めていたからだ。
大学受験の時と同様に、選択肢が限られてしまっていた。これは私の思い込みが原因だったかもしれないが……。
 
選択肢を多く持てると、将来の可能性が広がる。なりたい自分や、就きたい職業に就くことができる可能性が高くなる。また、目標がなくても、選択肢を多く持っておけば、後からでもその目標に近づくことができる。選択肢を持っていなかったら、諦めるか、再出発という、時間のロスになってしまう。
 
学校では、公式、法則、問題の解き方は教えてもらえるが、どうして勉強するのかという、根本的なことについては教えてもらえない。今はどうだかわからないが、少なくとも、私が学生だった頃は、教わった記憶がない。
 
今ではインターネットで検索すれば、答えがでてくるが、当時はまだインターネットが出始めたばかり。ググるなど思いもつかなかった。携帯も折り畳み式で、今ではほぼ使われていない、メールのやり取りがメインだった。
 
先日、インターネットで「なぜ勉強するのか」で検索してみた。すると、様々な答えが返ってきた。「多様な視点を持つため」「生きる力を身に着けるため」や、「生きるうえで役立つものを選ぶため」など、どれも魅力的な回答だ。
 
「なぜ勉強するのか」に対する答えは、人それぞれ違う。だから、自分なりに考えて出した答えに納得できれば、それが正解だ。私の場合、それは「選べる選択肢を増やすことができる」だった。
 
「選択肢を増やす」ことは、私が小学生の時に夢中になっていた、格闘ゲームと一緒だ。
 
小学5年生のとき、初めてプレイステーションを買ってもらった。そして、鉄拳3という格闘ゲームにのめり込んでいた。そのゲームは、ある特定条件をクリアすると、隠しキャラを選択できるようになる。
 
私はステージを何度もクリアし、全隠しキャラを表示させた。その過程で、操作レベルは高くなっていった。それは、デパートの体験コーナーで、見知らぬ人10人に勝てるほどだった(当時、ゲーム売り場には発売中のゲームを体験できるコーナーがあり、1対1で勝負し、負けたら交代という暗黙ルールがあった)。
私が勝ち、相手が交代する際に、「強い……」とぼそっと言われたのは今でも覚えている。
 
ゲームに夢中になり、隠しキャラを表示させる過程で、操作レベルが高くなった。
勉強だってそうだ。勉強すると、わからなかったことがわかるようになる。それは、今まで見えていなかった、隠れていた選択肢を見つけられるということだ。
 
その選択肢は、きっといつかどこかで役に立つ。ときにそれが、人生を大きく変えてしまうぐらい強い力を持っている。
 
そんな選択肢を持つためには、勉強が必要だ。高校受験、大学受験、就職活動など、新しいスタート地点に立つとき、選択肢が多ければ、「どの道を進もう」と悩むことができる。これは、悩むことすらできない人にとっては贅沢な悩みだ。そして、選んだ道から別の道へ切り替えるときも、選択肢がたくさんあれば、広い視野で今後の道を決めることができる。
 
今は目の前の課題や、試験勉強で赤点を取らないようにするために勉強しているだけかもしれない。しかし、その勉強が将来を考えるうえで、人生の選択を豊富にし、その後の人生で役に立つことを知ってほしい。
 
 
 
 
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2019-09-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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