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メディアグランプリ

喫煙者から非喫煙者に愛を込めて


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:岩井聡史(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
「タバコ吸ってる人ってほんとにバカだよね。」
僕が一服しているときに、友人が突然言ってきた。
その友人は理由と根拠を3つまとめて、僕に懇切丁寧に説明してきた。
一つ、体に悪いものを、お金を浪費してまで摂取していること。
二つ、受動喫煙として周りの人間の健康を害すこと。
三つ、臭い。
こんなに直接的に言われたからイラッとしなかったと言ったらウソになるが、このご時世、喫煙者の肩身の狭さは仕方のないことだ。
 
でもあえて、マイノリティかつ迫害されている身分(ただの喫煙者)として二言だけ、こそっと反論したいと思う。
 
一つ目、タバコという体に悪いもののためにお金を浪費していることがバカだ、という主張に対してだ。
それはもはや、人の趣味や嗜好を否定していることと同じだ。
僕の喫煙を大々的に否定してきた友人は、その日クレープを買って食べていた。
僕はクレープは嫌いではないが、お金を払ってまで買おうとは思わない。
無料でクレープを配っているボランティア団体が家の近くにあれば行ってもいい
かな、というレベルだ。
しかし、僕はクレープを美味しそうに食べている友人を批判したりはしなかった。
クレープに含まれる糖分の数値がいかに高いか、クレープの栄養素がいかに人間の必要な栄養素に貢献していないかを懇切丁寧に説明することもなかった。
なぜなら友人がクレープを好きで、僕は大して好きではない、それだけのことだからだ。
僕には友人を批判する理由も権利もない。
だから僕は声を大にしては言わないが、人の嗜好をもっともらしい理由をつけて批判しないでね、とこそっと言いたい。
 
もう一つの反論は、タバコにも一利くらいはある、ということだ。
よくタバコは「百害あって一利なし」の代表としていわれる。
しかし、タバコにも一利くらいはある。
僕は仕事や自分の勉強が煮詰まったときにタバコ休憩にいく(もちろんタバコ休憩にいくときは上司の許可を得ている)。
最近、世間で風当たりが非常に厳しいタバコ休憩に、だ。
僕はタバコを吸うとき、基本的にスマホも何もいじらずにぼーっとしている。
しかし、よくよく気が付けばこうやってぼーっとしている時間は、今の世の中あまりない。
どこにいても、スマホを観れるからだ。
人によってはトイレに持ち込む人や風呂に持ち込む人もいるという。
そういう人は、日常生活のなかでぼーっとする時間がほぼゼロではないかなと思う。
しかし、頭を使わないぼーっとする時間も大切なのだ。
なぜなら、スマホで観ているどんなニュースや動画も情報として脳で処理され、脳は情報の処理に非常にエネルギーを使うからだ。
将棋界で最も有名な羽生善治氏も、脳を休めるために何も考えない時間を意識的に作っていると、彼の著作『大局観』でいっていた。
脳を休める時間は、対局のときに爆発的な集中力として効果が発揮されるそうだ。
つまり、タバコ休憩で得られる何も考えない時間は、後に集中力として発揮されるのだ。
タバコなしでもできるのでは、と言われるかもしれない。
これが以外に難しく、本当に何もしない時間を作ることはなかなか苦痛だ。
特にスマホに慣れている人は、この手持無沙汰に耐えられなくなる。
脳を休める時間を作れる、タバコには百害あるかもしれないが、実は一利はあったのだ。
 
もちろん、受動喫煙の問題や臭いを気にしている人がいたらどうするんだ、という意見もある。
これに関しては、喫煙者として反論の余地がない。ごめんなさい。
だから素直に喫煙は喫煙所で、臭いが気になる人が一緒にいるのであれば、その人がいる間はタバコの臭いがしないように吸わないようにする。
喫煙者のマナーだ。
 
ただ、喫煙者から非喫煙者に愛を込めて一つだけ言いたいのは、タバコを好きということを批判しないで欲しい、ということだ。
健康に気を遣っているから、臭いが嫌いだから、という主張はまだわかるし、受け入れます。
 
しかし、好きなものを批判するということは、そのものを好きになっている人をも批判することにつながる。
なぜなら、批判された側は、そのものを好きであるという自分の感性を批判された気分になるからだ。
だから、人の好きなものを批判することは極力避けたほうがよい。
タバコは多くの人が嫌いで一部の人が好きなものだ。かつ少なからず周りに悪影響もある。
一般的に悪いものとされているから批判してもよいだろうという考えは、極端な話、相手側のことを何も考えないことにもつながりかねない。
これも“悪い”タバコが教えてくれたことだ。
なんとタバコには二利あった。
 
しょせん喫煙者の言い訳だと思った方も、この2つだけどうか覚えておいて欲しい。
人の好きなものはあまり批判しない方がいいということと、ぼーっとして脳を休める時間も大切だ、ということだ。
喫煙者より愛を込めて
 
 
 
 
***
 
 
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2019-09-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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