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肩書のない名刺


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:umi(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
Facebookの友達が、ご自身が以前持っていた【肩書のない名刺】の事を投稿していたのを読んで、私も以前、肩書のない名刺を持っていた事を思い出した。
 
今は個人で仕事をしているので、屋号やホームページアドレスを入れた名刺を持っているが、以前は、プライベートでコーチングセミナーなどに参加するときは勤務していた会社の名刺ではなく、名前とメールアドレスと携帯番号だけ記載した名刺を知り合った方にお渡ししていた。
会社の名刺をプライベートな場で配っていいんだろうか? という真面目さと共に、まだコーチングが広まり始めた時代で、セミナーに参加する人たちは、女性の方でもハイスペックな方が多く、士業の個人事務所に肩書も持たずに勤務していた私は、どこかに引け目を感じていたのだと思う。
 
ビジネス現場以外で誰かと知り合ったときに、その人の肩書を知ることって、必要あるのだろうか?
なんの仕事をしている?
どこの会社に、どんな肩書で勤めている?
 
それから
どこに住んでいる?
家族は?
歳は何歳?
 
それを聞いたときに、もしかして頭の中で、
○○の仕事をしているっていう事は、きっと真面目でお堅いんだろう、とか、
〇〇に勤務しているってことはきっと○○大学卒業のエリート? とか
○○に住んでいるっていう事は、下町だから江戸っ子気質またはセレブ? とか、
この歳で独身ってことは……とか
いろんな情報があると、バックグラウンドを背負った目の前の、その人像を、勝手に想像して創り上げることはないだろうか?
若いころの私は、ものすごくそういう妄想が上手だったかもしれない。
そして、その妄想の後に来るものは、
自分との比較。
例えば、どこかで知り合った人が同い年だったとしたら、最初に共通項があることでの安心感、それと同時に自分との年齢的見たの比較、キャリア、服装や持ち物から懐具合とかを比較して、なんとなく優劣つけたりして、劣っている自分自身に対してダメ出しをするようなワタシだった。
あと、自分を良く見せたいという欲もあったので、私はこんな人ですと取り繕った自分もいた。
人の事は勝手に想像するくせに、その反面、自分の事をこういう人と誰かに決めつけられるのが嫌だった。当時、コーチングセミナーなどで知った、性格をタイプわけするようなテストを何度か受けることがあった。だいたいそのようなタイプ分けのテストのようなものをすると、私の性格は几帳面で、機械製品は絶対にマニュアルを読むタイプ、そして何でもコントロールしたい、というものになることが常だった。
当時、勉強も兼ねて受けていたコーチングセッションでは、あなたはそのタイプだから、という言われ方をすることが良くあった。
実は、私にはその決めつけた言い方は違和感だった。
本当の私は、マニュアルなんて読んだことはなかったし、感覚優位の所や状況に流されることも沢山あった。それは血液型がB型というと、だいたい返ってくる反応にも同じように抵抗していた訳で……。
 
誰かと自分を比較して落ち込む自分も嫌だったし、誰かに私自身にタイトルを付けるように「あなたはこういう人ね」なんて言われるのも好きではなかった。つまり、人間をある一面でひとくくりにする事に対して、昔から違和感を持っていた。
 
あの頃から、歳を重ね、色々な経験をして、「自分であること」が出来るようになったと思う。誰かと比較しない、誰かの創り上げた自分自身になることをしない。「自分自身であること」
そもそも、自分自身の事も他人の事も、こんな人って決めつける事ってナンセンスだと今は思っている。
こんな一面もあるけれど、違う部分もある。そして自分自身もまだ気づいていないところも沢山ある。それが人間なのではないだろうか。
 
人から、どんな風に見られても、少しずつ気にならなくなった頃からだと思うが、いろいろな場に出かけていくようになった私は、いろいろな人と知り合う機会が増えていった。
SNSで繋がるようになってから、名刺の交換をする事はほとんど無くなった。
それまでの人生では全く関わることのなかったお仕事の方だと、もう普段の生活を想像する事すらできなかったりする。Facebookにはいろいろな職業の人が、友達として繋がってくれている。
気功師、医師、教師、セラピスト、作家、役者、写真家、占い師、タレント、ヒーラー、アスリート、俳優……
世の中っていろいろな事をしている人がいるんだなあと思う。それと同時にFacebookで繋がっている皆さんの投稿を見ると、誰もがその人が信じている、その人だけが見ている世界を生きているんだなあ、なんて感じている。刺激は受けても、もう自分と比較してどうこう、という域ではない。
 
だから、その人の内面を知る前に、色眼鏡をかけて見てしまう事を辞めたら、人と知り合う事ってもっと楽しくなるのではないだろうか。
 
先日、知人が、何かの集まりで初めて会った方に「あなたは、どうお考えになりましたか?」って言われて、びっくりしたって話をしてくれた。
確かに、普段会話の中で聞かれることって、名前や住んでいるところや仕事、すこし関係が出来てきてからでも
「どうお考えになりましたか?」や「どうだった?」くらい。
そう、気持ちを聞かれることってあまり慣れていないと改めて感じた。
「あなたは何を見て、何を感じ取った?」
それを知ることが、人と付き合う一番面白いところかもしれない。
だから、きっとその人のこと全て理解しようなんて無理だけれど、目の前の人と知りあいたければ、まずはその人の外側情報から知りうる色眼鏡をはずして、「どうお考えになりました?」って聞いてみたいなあって思った。
 
そして、枠にはめないで人を見ることは、自分自身にもしていこうと思う。だって、いくつになっても、知らない自分自身を見てみたいから。
 
 
 
 
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2019-10-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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