お客に占わせる占い師
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:堀井きみか(ライティング・ゼミ日曜コース)
新年まで1ヶ月を切ったというのに、1年間日々の心の支えとなるお気に入りの占い師がまだ見つかっていないって?
さぁ、どう見つけよう?
口コミを頼る?
それとも女性誌に連載をもっている占い師に賭ける?
ネットの広告をクリックしてページを飛んでみる?
はたまた自分で勉強をして、自分のことは自分で占う人もいるかもしれない。
私は小学生の頃から、占いのことは薄く、広く、地味に好きで、かと言ってそういう世界に物凄く詳しいわけではない。
ただ、朝のTV番組で必ずやっている12星座ランキングは見入ってしまうし(なんなら覚えている知人の星座までチェックしてしまう)、就職や大きな買い物の前、人生サイコーに落ち込んだ時など占い師に直接頼ったりしているから、やはり昔からそういった世界には馴染みがあったとは言えるだろう。
そもそも自分の名前も姓名判断にて、両親が考えてつけてくれたものである。
生まれた瞬間からお世話になっていたらしい。
そんな薄く、広く、地味に占い大好き人間は、薄く、広く、地味に占い大好き人間の名に恥じぬよう、薄く、広く、地味に占いを大好きでいたのだが、そんな私に昨年から「深く、ガッツリ、ド派手に」占い好きにさせる禁忌を犯し続けさせるスゴ腕占い師がいる。
それは、「しいたけ.」さんである。
世界で最も権威のあるモード系女性ファッション誌「VOGUE」の日本版で2014年から今までずっと連載を続けている、しいたけ.さん。
12星座占いや、その人の雰囲気をカラーとして分析するカラー心理学を中心に、占いを展開している。
彼の何が凄いのかと言うと、「驚異の的中率」と、きっと誰しもが親しみを持てるような「あたたかな文章」である。
正直、「驚異の的中率」というのは、占いの世界では誰の説明文句に組み込まれる謳い文句である。
しかし、このしいたけ.さん。
他の占い師と何が違うのかと言うと、彼の占いには答えが示されていない。
語弊を招いて信ぴょう性が低くなりそうだから、あまり言いたくないのだが、具体的なことは何一つ書かれていないのだ。
本人も過去のインタビューで回答していたが、答えは出さない主義らしい。
このスタイルは、例えるならタロット占いのように感じられる。
タロットには、カードの一枚一枚に意味があり、また、それらを引いた順番だったり向きだったり、カードに付随した現象にも意味を持たせて、全体的なカウンセリングのようなものをしてゆく。
カードは、その占ってもらいたい人に対して個人的ではなく、その前に占いをしてもらった人にも使われただろうし、この後に予約をしている人にも使われるものだ。
普遍的なのである。
具体性は無いが、その人の悩みや話を聞いていく中で、タロットカードが示したザックリとした意味を踏まえつつ、過去を振り返り未来を見てゆく。
しいたけ占いは、そんなタロット占いに似ているのだ。
うお座の個人個人に対して具体的な解決策はないが、しかし、うお座にとって普遍的に書かれているからこそ、各うお座個人が「自分で」自分を顧みて、来る未来を占えるのだ。
ただ、しいたけ占いがタロットと似て非なるものたる所以は、タロットで占うよりも手順がかなり簡単なのだ。
自分の生まれた星座のページを読むだけ。
心理テストで、自分に一番近いと思われる回答を選んで、その結果を表すカラー説明を読むだけ。
タロットみたいに、心構えや落ち着いた環境、手順は必要ないし、やり方を覚えなくてよい。
普遍的なことを書いているからこそ、自分が今悩んでいることに対して「自分で」考える。
だからこそ、かなりパーソナルな答えを「自分で」導き出せる。
そうすると自分の中で、ストンと腑に落ち、これが「驚異の的中率」になると思うのだ。
次に、「あたたかい文章」についてだが、これはもう各々読んでもらった方が早い。
彼は、必ずポジティブなことしか書かない。
12星座を、ご丁寧にもランキングすることなんて、決してない。
よくある占い本で書かれるような「運気の波グラフ」というものなんて、どの星座の、どんなカラーを持った人にも言わないのだ。
だから、良い結果の占いしか信じない選手権アジア代表の私にとっては、避けるべき「悪そうな事象」が現れないから、ことさら前を向いて信じて行動してゆける、そういった安心感を得られるのだ。
だって、あんな運気の波、ずっと覚えていたとして、一番凹んでいる月に差し当たる時、どういうメンタルで過ごせばよいのか分からないではないか。
その点、しいたけ.さんは凄いのだ。
悪いことを匂わすことを一切書かないのだ。
その代わり、注意や何らかの行動を勧めるという形で私たちを導いてくれる。
だから、しいたけ占いを読んで、恐怖心を抱いたことがない。
彼のもとにお悩み相談が絶えないのは、きっとそうした優しいカウンセラーのような一面が感じられるからだろう。
ザックリ、程よくユルく、肩の力を抜いたような文章に、私たちは安心感を覚えながら自分と向き合うことができるのだ。
そこには、心臓が縮み上がる的中率も、地獄への恐怖心もない。
前向きで、そして、どこまでもあったかい。
例えるなら、緑に囲まれた小さな公園の木漏れ日が差すベンチで、隣に座りながら「うん、うん」と聞いてくれている、そんな親しみを感じられる。
「自分で」自分の中に答えを見出し、納得できるから、腑に落ちる。
そんな、昔ながらの手法そうで、しかし、これまでにはなかった新しい占いのスタイルに、みんなが夢中になってしまうのだ。
良い結果しか信じない原理主義者の私が、今年の4月に、昨年の7月~12月下半期占いの特集を読み込んで、「ちゃんと当たってました」を確認して、惚れ込んでしまった。
もし、まだ疑わしいと感じるのであれば、一度、今年の1月~6月上半期占いを読まれることをお勧めする。
私はしいたけ占い好きの沼の底で、あなたを待つとしよう。
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