ときめきの片付けメソッド、その効果は?
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:フジ サワ(ライティング・ゼミ 日曜コース)
積み上げられた洋服の中から「ときめくもの」を探す。
ここ数年ですっかり定着した、片付けメソッドを参考に、洋服の選別作業をする。衣類の入れ替え時期や、年末大掃除の定番行事だ。
「ときめくものを選んでいく」
こんまりメソッドと呼ばれるこの片づけ方法は、日本のみならず、今や世界で話題になっている。
「片づけ」を気持ちから先にアプローチする、今までにない斬新な方法だと思う。
「まだ使える」「この先使う時がくるはず」「思い出の品だから捨てられない」人がものを捨てないのには理由がある。これは、とてもよくわかる。だって「もったいない」の国で暮らしているのだから。
片付ける事を、そんな「理由」ではなく「直感的」に選んで行こうよ、と言うのが彼女のメソッドだ。
このメソッドを知った当初は、ものに対してときめき?と面食らった。
例えば、いつも着ているシャツやスカート。その、一枚一枚に対して「ときめく」か、なんて考えた事がなかったからだ。
ちなみに「ときめく」を辞書で引くと、「喜びや期待などで胸がどきどきする。心が躍る」とある。
そこまでの強い気持ちはないなあと思う。
考えていても仕方がない。選別をしてみることにする。
私は、いらないと思ったものは捨てられるタイプだ。すぐに終るだろう、そう思っていた。
すると「来年は着るかも」「これ、高かったんだよなあ」と往生際の悪い自分がいた。
直感ではなく、まさしく、もったいない理由を探して捨てない。自分が、ケチな人間に思えてくる。
ただ、この往生際の悪さは、ある番組を見て劇的に変化して行った。
「人生がときめく片づけの魔法」という番組がある。
全米の各家庭に出向き、こんまりメソッドをご本人が伝授する。ただそれだけの番組なのだが、本当に人生が変わって行く場面がたくさんあって、観終わった後に清々しい気分になる。
登場するのは、子どものいる家族、未亡人、ゲイカップル、老夫婦、人生の背景やステージが違う様々な人たちだ。
依頼者のお宅に行き、片付けを始める前に、彼女は正座をして家に挨拶をする。「感謝」を表すために。
家に挨拶をしているところを、初めて見たときは驚いた。
ただ、番組が進んで行くとわかってくる。この「感謝」こそが、こんまりメソッドの最も大切な基礎なのだと。
ちなみに、日本語でいう「ときめき」は、「スパーク・ジョイ(spark joy)」と英訳されている。
大量の洋服の前で途方に暮れながら「スパーク・ジョイ!」と選別している人たちを見ていると、応援せずにはいられない。
家やガレージの広いアメリカでは、大量のものが溜まりすぎて大変なことになっている。観ているこちらが、
「このガレージのガラクタを、全部片付けられるのか」と不安になってくる。
その山の中から、結婚式の写真や、子ども達が昔使っていたおもちゃを見つけ出したりする。
そこから人生を振り返り、手元に残すもの、捨てるものに分けていく。今、手元にあるものは全て過去の産物で、それらはモノであってモノではない。もちろんガラクタでもない。
人生そのものなのだ。
だから、それらのものに投影した、自分自身に、家族に、感謝する。
そして、感謝したあとは、そのものにお礼を言って、さようならをする。「捨てる」というより、「さようなら」する、と言うのがしっくりくる。
それはきっと、取捨選択しながら身辺整理をし、過去の自分にお別れをしているように見えるからだ。
生きていると、向こうからやってくる「まさかの転機」というものがあるが、片付けや断捨離は「自分で作り出す転機」なのかも知れない。
今まで頑張った自分自身を、ねぎらい感謝する。そして、また仕切り直すことで、自分主体でいつでもリスタート可能だ。
嫌なことやしんどかったことは捨ててしまえばいい。楽しかったことや嬉しかったこと、そのものには「ときめき」を感じるはず。だから、それは感謝しながらまた大切に使っていこうよ。
そういうことかな、と思ったら年に数回の片付けが捗るようになった。
グダグダ考えずに、自分の心に聞いてみる。
これは、片付けに限らず、すべての事に通じるのかも知れない。
ただ、いい事ばかりでもない。
まだあると思っていたあのシャツがない、というような事もある。前回、さようならしてしまったのだ。
直感がいつも当たるとは限らない。
そんな時は、去年の私さようなら。今年の私が、頑張って働いてときめくシャツを買うよ、と思うのだ。
近頃は、秋も深まり肌寒くなってきた。衣替えの季節だ。
この、定期的に「自分の持ち物を把握する」事をしていると、本当に気に入ったものしか買わなくなった。自分の人生に必要なものがわかってきたのだ。
ときめき効果である。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
お問い合わせ
■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム
■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
■天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)
■天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
■天狼院書店「京都天狼院」
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00
■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168
■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」
〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325
■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984