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真逆のことばは、気づきの絶妙なメッセージ。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:白銀肇(ライティング・ゼミ7月通信限定コース)
 
 
「これ作るにあたって、作り方とかイメージした? この道具を使っていたらもう少し精度よくできたんとちゃう?」
目の前で家内のしていることについ口を挟む私。
 
「えー、ちゃんとイメージしたし、考えてるでー」
私のことばに家内がそう答える。
 
先日、家内と一緒に本棚を作っているさなかでの会話だ。
DIY好きの彼女が一生懸命本棚を作っている。
それを私が手伝っている。
 
私の部屋の本棚が、娘の漫画本やら単行本に侵食されてきており、自分の本や書類が収納できなくなってきて困っていることを彼女に相談したところ、DIY好きの彼女が漫画の単行本サイズに合わせた本棚を作ると言ってくれた。
早速彼女は、本棚の設計図というかラフスケッチを簡単に書き上げた。
 
いままでにも家の中のちょっとした改造や修繕、それは私ではなく全て彼女が担当。
 
風呂場のシャワーの付け替え。
ウォシュレット付き便座へのすげ替え。
寝室全体の壁紙の張り替えから、ソフトフローリング材の張り替え。
ちょっとした棚、簡易押入れなどの収納場所づくり。
簡易下駄箱の設置。
テレビやオーディオを移動したときの配線はいつも彼女。
 
そして、極めつけはクーラーの取り付けだ。
 
これは2年前にクーラーを新調しようとしたときのことだ。
このとき、何を思ったか「クーラーを自分で取り付けてみたい」と突然彼女が言いだした。
なんぼなんでもそんな専門的なものは無理だろう、と言い聞かせたが「どうしてもやってみたい」と思いを曲げない。
SNSでいろいろ調べた結果、彼女はクーラー取り付け専用工具のレンタルなどのサービスの情報を見つけ、そこから工具を借り、「クーラーの取り付けかた」動画をあれこれ見ながら取り付けてしまった。
 
DIYの実績はそれなりに豊富な彼女。
でも、その作業を実際にそばで見ていると「ほんまに大丈夫か?」とときどき口を挟みたくなる瞬間に出くわすことがある。
 
この本棚のときもまさにそうだった。
 
長さが180センチ、高さが50センチ、幅は単行本サイズに合わせて14センチほど。
2段式にしてちょっと長めなスタイルだが、幅が小さいこともあり大そうなものでもない。
部屋の壁面に据付ようとしているから背面の板材もはしょっていた。
天板、底板、中板、左右側板、上下段にいれる補強板など合わせて7枚ほどの板材を木ネジで組み上げるといういたってシンプルな作り。
 
しかし、手伝いつつ様子を見ていると……、こちらからみていると「あれ?」と思うことがある。
 
最初に天板、底板、左右側板を取り付けていったときだ。
ドリルで木ネジ穴とダボ穴を開けて、インパクトドライバーで長めの木ネジを打ち込んでいく。
側板と天板がずれないように、彼女がそれぞれの材質を一生懸命押さえつつ悪戦苦闘している。
その作業が都合4箇所。
そして、ひととおり終えたあと、私がふと工具箱とかをみると、それぞれの材質を直角にしっかりと固定する工具がちゃんとある。
 
あれ?
これ使ったら、そんなに力まず手軽にしかも正確に作業できたのと違う??
そこ、ちゃんと考えているか??
 
そんな思いが湧き起こり、冒頭の会話となる。
 
家内は、思い立ったらすぐ行動したいタイプ。
それこそ、2年前のクーラー取り付けがいい例だし、この本棚もラフ設計図を書き上げたその日に板材を購入しにいき、作業に取り掛かる。
情報を仕入れから実際にアクションするまでの時間もまたたく間。
こちらが気づいて何かツッコミを入れる前にもう行動している、ということはよくある話。
 
一方で、私は行動を起こす前に考え込むタイプ。
やろうとすべき行動に対して、ちょっと違う角度で確認したり、調べて納得がいかないと気がすまない。
だから、彼女の行動を見ていると、「ほんまにちゃんと考えている?」と言いたくなる。
なんでそう考えないですぐ行動するかな、もうちょっと詰めた考えしてみたら? とつい思ってしまうのだ。
 
しかし、これは逆もまた然りだったりするわけだ。
 
彼女から見ると、私の行動はとても遅く見えるようだ。
だから、彼女の私への指摘は「いつまで考え込んでいるの??」だ。
私としては、きちんと考えて……と思っているのだが、彼女からするとそれが緩やかに見え「とにかく動きが遅い」と映るようだ。
 
こんな調子で、私たち夫婦はどうにも真逆のところが多い。
価値観も違ったりするところもある。
結婚し、共に生活していく時間が経つにつれてそうしたことがわかってきた感じだろうか。
結婚して26年、このようなすれ違いで言い合いになりケンカに発展することなど数知れない。
「離婚する!」といったことばが何度飛び交ったことだろうか。
小さいときそんな会話を聞いてあたふたしていた娘たちも、成人した今となっては「またやってるわ」という程度に適当に流している。
 
いまのところこうして二人で本棚を作ったりもしているので、そのようなことを本当に実行するところまではおかげさまでいたっていない。
なぜなら、結局は「お互いさま」ということだし、それに何より冷静になって考えると、彼女のことばをきっかけに気づかされることも多いからだ。
 
同じタイプの人間であれば、同調、共感のことばも得られやすく居心地はよいだろう。
しかし、その居心地がよく心地よさは、違う考えや視点といったものが育みにくい環境ということもいえるかもしれない。
 
性格が真逆な彼女のことばは、自分にはないもの、だ。
それは時として、「聞きたくないことば」だったりもする。
聞きたくないことばということは、実は自分にとっては都合の悪いこと、だから「聞きたくない」。
要は「自分にとって避けたい現実」を突きつけられているということだ。
自分の短所や嫌なところが浮き彫りにもなり、それを突きつけられるということでもある。
 
そうなると彼女から発せられることばは、実は、いま自分にちゃんと向き合って考えなくてはならないよ、という指摘ともいえる。
 
そう思うと、真逆のことばは気づきの絶妙なメッセージでありキーワード、成長へのアドバイスともなり得るわけだ。
 
本棚を作っているときの自分たちのやりとりを思い起こしながら、そんなことを思ってしまった。
そして、このような相手がいるということが、実はとてもありがたいことなのかも、と。
 
お互い真逆な性質なだけに共感することがあると、また感慨深く感じることも確かにある。
真逆というギャップが、その気づきや感動を大きくさせてくれる。
そんなことを考えると、ちょっと照れくさいけど「一緒にいてくれてありがとう」ということになるかな。
 
彼女のほうは果たしてどこまで思ってくれているかわからないけど……、こちらの思いとしては感謝のことばで締めくくっておこう。
 
 
 
 
***
 
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2020-10-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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