メディアグランプリ

○○手帳を捨て、ノートに書こう


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記事:坂東 愛(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
その知らせは、突然やってきた。
 
10年間愛用してきた手帳、2021年版は発売されないという。手帳、と言う表現では足りない。小さな相棒というべき存在。何事もなかったら、好きすぎて、今年も迷うことなく選んでいた。
 
でも、ないものはしかたがない。これまでの手帳は11月始まりだったので、別れを惜しむ日まもなく、次の手帳探しを始めた。
 
定番のモレスキンに始まり、タイトルに「目標達成」「かなう」というワードが入っている手帳、はたまたスピリチュアルで願いを叶えましょうと導く手帳……。
 
本屋に平積みになったワークやガイドのある手帳を見て、くらくらした。10年同じ手帳を愛用しているあいだに、世の中にはありとあらゆる種類の手帳が発売されていた。私にとってはどれも過剰すぎて、本当に必要な手帳なのかどうか、疑問だった。手帳は、スケジュール管理に必要不可欠なものだ、と思い込んでいた。けれども、これだけたくさんの手帳を目の前にし、私は手帳でできるはずの他の何かを、どこかに忘れてきたように感じてしまっていた。
 
完全に私は迷子だった。本屋から帰ったあともネットサーフィンが止められず、来る日も来る日も、手帳を探してはためいきをついた。あまりの決められなさに自分にいら立ちも感じ始めていた。12月以降のスケジュールを書こうとしてページが見つからず、あせることも増えてきた。
 
愛用の手帳とは子どもが産まれた年からの付き合いだった。11月、子どもの誕生の喜びに始まり、ただただ授乳とおむつ替えの記録で1年めの手帳は埋まった。2年めの手帳は、子どものちょっとした成長を記録することに幸せを感じていた反面、別居から調停離婚、手続きなどもびっしり書き込まれている。3年め以降は、小さい子どもを相手にしながら、すきま時間で仕事をやりくりするトライ&エラーが目立つようになった。しかも10年めの今年は、分刻みでTodoリストがならび、子どもを産んだときには想像もしなかった忙しさだ。
 
振り返ってみて気づく。1歳半で子どもをひとりで育てる覚悟を決めてたくさん苦労したのに、書かれていることは子どもにまつわるうれしい出来事ばかりだった……。それが、今はどうだろう? 子どものことは以前ほど書いてはおらず、ちゃんと見てあげているかどうか、不安になった。今度買う、新しい手帳も、子どもとの時間ではなくて、仕事の予定とタスクでいっぱいにしてしまうかもしれない? そんな1年にしてしまうなんて、認めたくない。
 
楽しい思い出を手帳にいっぱい書き残したいと思いつつ、本屋に平積みになった手帳コーナーを思い出して、どんな手帳で何から始めたらよいか、わからなかった。ここ数年の目の回るような忙しさで2021年を埋めつくすのはごめんだ。なにか良い手帳術があるならば、知りたいと思った。
 
私のネットサーフィンの検索ワードは「手帳」から「手帳術」に移っていった。「手帳術」で検索することで、実際に書き込んである画像を見ることができた。私は夢中になって、それらの画像と掲載されているページの文章を読んだ。
 
手帳を変えるときの注意点として、多くのページで書かれていたことがあった。「たくさん書きたいのなら、持ち運びやすい小さいサイズを選ばない」
そういった趣旨だ。私は何の疑問も持たずにA6の手帳を使ってきたけれど、かなり小さい字で書き込んでいた。しかし、今は、コロナの影響もあって以前のように外出の機会は多くない。そこで、今年はB6のサイズを試してみることにした。
 
また、手帳術の多くで、紙質と、どんな筆記具で書くかということが話題に取り上げられていた。
 
私にとって書くときの筆記具は、冬の運転をどのタイヤで乗り切るのかと同じくらい重要な問題だ。インクの色はどうしてもブルーブラックじゃないと落ち着かない。ブルーブラックの色がきれいに映える紙質でないと、大きさや書き込みやすさ以前にもやもやした気持ちのまま、1年を過ごすことになってしまう。
 
買う前に試し書きができる手帳なんて、まずない。けれども、たまたま検索で目にした手帳に目が留まった。それは、ノートで有名なキャンパスとコラボしているスタバのスケジュールブックだった。私は即決した。なぜなら、キャンパスは学生時代にかなり使っており、書き味やブルーブラックのインクがどんな風に映えるのか、なんとなく想像できたからだ。
 
スタバの人気商品は完売するのが早い。使い方を決めるのは二の次だ……私はオンラインストアの注文をクリックした。
 
手帳が届いてから、私はページに何を書くかを夢中になって考えている。仕事のスケジュールを書き、タスクを書き、日々ゲームのようにクリアすることしか考えていなかった最近の私からしたら、信じられないことだ。
 
思い切って手帳を先に手に入れた結果、私は自分の時間をスケジュールする自由度が上がったと感じている。手帳の種類や使いみちが多くあふれすぎていて、何のために手帳を使うのか迷子になってしまう人、何冊も購入してしまう手帳ジプシーもたくさんにいるにちがいない。
 
もし、私のように来年の手帳に迷ってしまったなら、とりあえず自分が書きやすい条件を満たしたシンプルな手帳を選んでみてもいいかもしれない。今までガイドやワークのある手帳を使っていた人なら、手帳を変えるだけで書く内容に何らかの変化があるはずだ。もしかしたら、シンプルな手帳は、案外あなたに自由と楽しい時間をもたらす1冊になるかもしれない。
 
 
 
 
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2020-10-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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