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HSPな自分のトリセツ


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:市川春香(ライティング・ゼミ特講)
 
 
自分で自分が理解ができない。
 
なぜこんなに細かいことが気になってしまうのか。
大きな音や強い光に敏感なのか。
周りの人の感情を自分のもののように感じてしまうのか。
 
そして、なぜ自分をすぐに責めてしまうのか。
 
昔から、人の顔色を伺うことは得意だった。
でもいつからか、その得意なことのせいでとても苦しくなった。
相手の望むものがわかるから、全力で応えようと頑張っていたらいつのまにか、自分のことはぜんぶ後回しになってしまっていた。
 
自分は何かおかしいんじゃないか、なんで他の人のように上手にできないのか、不思議で、苦しくて、でも誰にも言えなくて。他人とわかり合うなんて一生できないと思い込んで、いつからか他人との間に境界線を引いていた。
一方で私はとどまることのない好奇心を持っていたから、行動的かつ社交的でポジティブ。そんな印象をもたれることが多かった。
だから上手に生きれずに苦しんでいるなんてことは、周りの誰も気付いていなかった。
 
私が引いていた境界線を、何食わぬ顔で飛び越えてきた友人がいた。
ある日その子にこう言われた。
 
「HSS型HSPなんじゃない?」
 
「何それ?」が私の最初の感想だった。
 
最近では「HSP」という言葉をよく耳にするので、聞いたことがある人もいるのではと思う。HSPとはHighly Sensitive Personの略で、「非常に感受性が強く敏感な気質をもった人」と訳される。
(言葉だけが一人歩きしている感じもあってモヤモヤするのだけど、そういう気になっちゃうところがまた気質全開と言われてしまうのね)
 
私はあらゆる文献やウェブサイトから情報を集め、いくつかの診断を受けてみた。
見事にどれも私を「HSP」だとカテゴライズした。
HSPの特徴は「DOES」と表現される。
 
D:深く処理する(Depth)
O:過剰に刺激を受けやすい(Overstimulation)
E:感情の反応が強く、とくに共感力が高い(Empathy & Emotional)
S:繊細な刺激を察知する(Subtlety)
 
とにかく全部当てはまる。
「っていうか、世の中の人ってみんなこうなんじゃないの?」と思い、念のため一番身近な夫を照らし合わせてみたら、何一つとして当てはまらなかった。
 
一方、「HSS型」とは何か。
High Sensation Seekingの略で「刺激探求型」の特性だそうだ。
つまりHSS型HSPの気質を持っている人は、敏感なくせに刺激を求めてしまい、「ブレーキを踏みながらアクセル全開の状態」なんだとか。
紛れもなくそれ、私です(笑)
 
先日、とあるワークショップの課題で、他己分析をしてきなさいというものがあった。
母親や何人かの仲の良い友人に私の長所と短所について聞いてみた。
色々な意見がある中、「好奇心」「行動力」「他人軸」「自己犠牲」の4つが共通してあがった。
まさに上記の気質そのままだ。
 
とはいえ、私がHSS型HSPを証明したところで何にもならないので、どんなことが生きづらさを感じさせるのかをいくつかお話したい。
 
まずはじめに、深く情報を読み取ってしまうこと。
言葉の裏をつい探ってしまったり、物事を納得するまで深く追求するので非常に疲れる。SNSで流れてくる情報も、軽く流せず全部受け止めてしまう。
 
次に、他人との境界線が薄く共感能力が高いこと。
一見良さそうに聞こえるけれど、これがけっこうしんどい。よく言われるのが、目の前で他人が怒られていると自分も萎縮してしまうということ。冗談抜きでそのとおりだ。
また相談なんかされた日には、相手よりも悩んでしまうこともしばしば。相談してきた人は話すだけで十分だったりして、翌日にはケロっとしていてよく肩透かしを食らう。
 
故に、疲れやすい。
四六時中気を張っているのだから、帰宅後ぐったりして動けなくなることもある。
 
そして生きづらさNO.1は……自己否定の強さ。
何か起きると、自分が悪かったのではないかという思考にすぐに入る。周りとの調和を考え、本音を言うことができなくなるうちに「自分なんか」が強くなる。
「自己肯定感」というワードを耳にするだけで、正直胸が締め付けられる。自己否定してしまう自分はダメな人間なんだ!とどんどん負のループに陥るからだ。
 
と、こんな感じ。
周りにこんな人、いませんか?
 
何故こんなに生きづらいのか?がわからなかったうちは本当に辛かった。
もうこんな人生は終わらせたほうが周りのためだなんて馬鹿みたいなことも考えた。
 
でもHSPという気質があることを知り、実は埋もれているだけで同じように悩む人がいることを知って、とても心が軽くなった。
いっときは怖くて怖くて開かないようにしていたSNSで、同じ気質を持つ人と繋がることができて、励まし合うだけですごく癒されている。
 
そんな人たちとの繋がりの中で、悪い面ばかりじゃないということも少しずつ認識できるようになった。
 
深く物事を考えることは、危機管理能力の高さや分析力の高さといった長所になった。
共感能力が高いことで、思いやりをもって人に接することができる。
感受性が豊かなおかげで、誰かの作品だったり、自然だったり、食べ物だったりの素晴らしさを体全体で受け止めることができる(どこに行っても何を見ても一度は泣く)。
 
HSPはたまたま名前がつけられたけれど、長い人生の中できっと誰しもが、どこか生きづらさのようなものを感じることはあるだろう。
でも自分というものを理解し取り扱い方法がわかるだけで、軽くふわりと前に進んでいける。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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