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「変化に抵抗する脳のだまし方」

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:川島進一(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
ヒトはつくづく変化に抵抗する生き物だと思います。
 
今、私が所属する組織で、ある新たな取り組みにチャレンジする準備をしています。
そのための意見交換を行っていますが、様々な感想が聞こえてきます。
そして、その多くが「変化」に抵抗する声です。
 
「まあ、仕方のないこと」だと思います。
 
自分自身の過去を振り返ってみても、「変化」に対しては抵抗してきたことの方が多かったように感じます。特に、他者から「変わること」を求められると、抵抗する意識がより強くなるように思います。
 
◯ヒトは変化に抵抗するようにプログラムされている
「ホメオスタシス」という言葉をご存知でしょうか。
「生体恒常性」とも言われますが、変化する外部の環境に対して、体内を一定に保つ仕組みのことです。暑い時には汗をかくことで体温を下げ、寒い時には、体を震えさせることで筋肉を動かし体温を上げようとします。ヒトには、外部の変化にあわせて自分の体を適応させ、安定した状態に保つための、いわば防衛機能が備わっているのです。
そして、この防衛機能は、環境の変化に対してだけではなく、自分がこれまで行ってきたこと、信じてきたことが脅かされると感じる場合にも力を発揮するようです。
その意味では、気温や天候などの変化に限らず、「変化」に抵抗することは、ヒトに備わっている基本的な機能であり、むしろ正常な反応であると言えるかもしれません。
 
◯「変化」は過去を否定することが求められる
当たり前のことですが、これまでと同じことを続ける場合には「不安」を感じることはありません。それは、自分が積み上げてきた「過去」があり、行動と結果が予測できるからです。
その一方で、「変化」には、必ず、それまでとは違う何かが伴います。未知の世界に足を踏み込むことであり、当然、その結果も予測できるものばかりではありません。時には脅威ですらあります。だからこそ、「変化」の先にどれだけ素晴らしい未来が待っていることが示されても、その前に立ちはだかる「不安」や「脅威」という壁を前に、ヒトは無意識に「変化」に抵抗してしまうのだと思います。
 
◯説得はしない
それでも「変化」が求められる場合には、どうしたら良いのでしょうか?
最初に忘れてはならないのは、無理に説得しないことです。
説得をされていると感じると、ヒトの本能は、とにかく自分を守るために抵抗を始めます。論理的であるかどうかは関係なく、変化に抵抗するために、ありとあらゆる理由を探し出します。そして、そうした探し出した理由を次々に言葉にし始めます。
残念なことに、その理由を言葉にする機会が多ければ多いほど、その理由の説得力が増し、「変化」に抵抗しようとする意識が強化されてしまうように感じます。つまり、説得しようとするほど、逆に変化に抵抗する意識を高めてしまうのです。
 
◯しばらく待つ
次に求められるのは、しばらく待つことです。
「時代にあわせ、自分も変えていかなければならない」
組織に所属している多くの人々が、変化の必要性を理解していると思います。ただ、「変化」には「不安」がつきものであり、そうした「不安」に向き合うことは、想像以上にストレスを感じることだと思います。だからこそ、無理に背中を押すようなことは避ける必要があると思います。暑さに強い人、寒さに強い人がいるように、「変わること」に対する抵抗感も人それぞれです。「変化」に向き合う準備のために必要となる時間は人それぞれです。ただ、一方で、いつまでも待ち続けることはできません。ゆるやかな期限は設ける必要があります。不思議ですが、「今すぐに」と言われると抵抗を示す人でも、少し先に期限を設けられると、その変化のインパクトを低く見積もることが多いように感じています。
 
◯脳をだます
そして、最後は脳をだましてしまうことです。
人には「ホメオスタシス」という防衛機能が備わっているというお話をさせていただきました。最後は、それを上手に活用することです。
そのためには、まずは変化を感じさせないほど、少しずつ新しい行動に取り組んでもらうと良いと思います。例えば、春という季節がないまま、冬から夏に季節が変わったとしたら、体調を崩す人が続出するはずです。季節に上手く適応できるのは、やはり緩やかに季節が変化していくからだと思います。そして、一旦、新しい季節に適応できると、その季節に上手く適応し続けることができます。
この季節の変化に対応するのと同じように、少しずつ小さな行動を続けてうちに、自然とそれまでとは異なる行動が定着していきます。そうした状態になれば、今度は、新しい状態を維持するために「ホメオスタシス」が機能し始めます。これが、脳をだますコツだと思います。
 
変化に抵抗する意識は、ヒトの本能であり、その本能を変えることはできません。ただ、「説得はしない」「しばらく待つ」「脳をだます」というステップを踏むことで、変化に抵抗する力は確実に緩めることができると感じています。
 
 
 
 
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2021-07-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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