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就活の書類選考で落ちまくった私が、あるきっかけから受かるようになった話


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:岡田ゆかこ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「また落ちたよ……、私は無事社会人になれるのかな」
 
大学4年生の春。私は就活真っ只中。
周りの同級生は既にほとんど就職先が決まっていた。
 
私は、大学3年生の11月から就活を始めた。就職氷河期だと言われていたこともあり、周りよりも早めに動いていた。早めに動いていれば就職先は見つかると思っていた。
 
志望企業の情報を集めるための資料請求は200社以上、エントリーシート(履歴書)は70社以上書いた。それでも面接にすらたどり着けなかった。もちろん志望業界も受けてみたものの全滅。
 
さらに、仲の良い同級生から私の第一志望の会社に内定したという報告を受け、すごく複雑な気持ちになった。心からの「おめでとう」は言えなかった。
 
小さい頃から、努力をすればなんとかなると思っていた。
確かに、一生懸命やれば努力は報われることが多かった。
 
それが、今回は努力を重ねても壁にぶち当たってばかりで実らない。
中学、高校と頑張って勉強して大学に入った意味は何だったのか。
なぜあの子は就職が決まって私は決まらないのか。その差は何なのか。
そして、これから自分はどうしたらよいのか。どうすれば就職ができるのか。
考え事が頭の中でぐるぐるしてまとまらない。
 
就活を続けながらそんなことを日々考えていたら、
私の精神的不安定を象徴するように体重が激減して30キロ台まで落ちてしまった。
 
「さすがにこれはヤバイ、誰かに相談しよう」
そう決めた。
 
相談相手としてふと思い浮かんだのは同級生のK君だった。
K君はハッキリと物を言う性格で、以前から困ったことがあると相談していた。あまりにも単刀直入に言うので、傷付くことも多かったけれど頼りになる人だ。彼は、出版社志望なので文章が私よりは上手いはず。履歴書に書く自己PRに良いアドバイスがもらえるに違いない。
 
履歴書を見せてみると、彼はズバリこう言った。
 
「読んでいてつまらないよ。これ、ただ事実を並べているだけだよね。岩瀬さん(旧姓)らしさがどこにもないよ」
 
覚悟はしていたけど、心にグサっと刺さった。
 
私が自己PRで書いていたことは、主に3つだった。
1つ目はTOEICで700点以上を目指して勉強したこと。
2つ目は塾の講師、家庭教師、カフェのアルバイトをしたこと。
3つ目は何でも一生懸命にやるという自分の性格のこと。
 
確かに、事実の羅列でつまらなかった。悲しいけれど、彼の言う通りだった。
 
彼は批評をした後、一つアドバイスをくれた。
採用担当者が読んで、私が会社でどんな風に活躍できるのか想像できるようなエピソードを書かなければならない、と。
 
その後、アドバイスを受けたことを参考にもう一度練り直してみた。
 
K君に再度見せると、彼はこう言った。
「これなら面白いよ! きっと履歴書は通ると思う」
 
私は自己PRでどんなエピソードを書いたのか。
 
その内容は簡単に書くとこんな感じだ。
 
私は、家庭教師で高校生を担当することになった。その高校生は2年生で、もう一回テストで赤点を取れば、留年が決まるという状況だった。もし留年させたらというプレッシャーもあったが、進級を目指してできるだけバックアップしたい気持ちの方が大きかった。
 
試験までは時間もなく、私が教えられる時間にも限りがある。そこで私は苦手科目、得意科目を聞いて、彼と相談しながら試験日までのスケジュールを作った。数学がとても苦手と聞いたので、数学を重点的に教えることにした。簡単な問題から解いてコツをつかんでいき、テスト直前にはなんとか合格ラインまで解けるようになった。結果、赤点を免れることができ彼は無事3年生に進級した。
 
そしてこのエピソードの最後に「私は相手の話を聞いて状況を理解し、提案ができる。その提案をもとに相手一緒に歩んで結果を出すことができる」と書いて締めくくった。
 
履歴書をこのように書き直してからは、面接まで行けるようになった。
そして、夏には3社から内定をもらうことができ、私の就活は終わりを迎えることができた。
K君にアドバイスをもらって本当に良かったと思った。
 
振り返ると、K君にアドバイスを受けて自己PRを練り直している時は上手く書けるかとても不安だった。
 
私は、自分がリーダーとなって人をまとめた経験なんてないし、何かすごいことを成し遂げたこともない。私が第三者にアピールできることなんてあるだろうか。自分がやってきた事を棚卸すればするほど、私はたいしたことのない人間だと思えて自信がなくなった。こんなことなら大学の4年間をもっと充実させれば良かったと後悔した。
 
でも、履歴書を書き直してからトントン拍子に内定が決まり、分かったことがある。
 
自己PRを書くのに人より目立つ経験がなくても良いということだ。
 
履歴書に書いた家庭教師の話は人より優れているエピソードとは言えないと思っている。
 
だが、留年ギリギリの生徒と話して「絶対留年させたくない」という気持ちになったこと。
時間をどのように有効活用して勉強をしたら進級できるか、生徒と相談して提案したこと。
生徒のモチベーションを少しずつ上げながら目標に向かって一緒に頑張ったこと。
 
例え「進級させることができた」という結果が一緒でも、目の前で起こった出来事に対して自分がどのように感じ、どのように考え、どんな行動をとるかは人により違う。そこに“その人らしさ”が出る。それを自己PRに書けば、自分がどんな人なのか採用担当者に伝えることができる。
 
この「自己PRの伝え方」はその後の自分にもとても役立った。
職種変更と仕事の幅を広げたくて転職を2回したのだが、書類選考で落ちることもなくすんなり決まった。
 
履歴書の自己PRがなかなか書けない、と悩んでいる人がいたらこう言いたい。
人並み勝れたことをしていなくてもよい。
自分が感じたこと、考えたこと、そしてどのような行動を起こしたのか。
それらを伝えることが大事なのだ。
 
 
 
 
***
 
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