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コロナワクチン反応があまりにも意外だった件


*この記事は、「ライティング・ゼミ」を受講したスタッフが書いたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:綿谷しふみ(ライティングゼミ超通信コース)
 
 
「デル、デナイ、デル、デナイ」これはトイレで唱えた呪文ではなく、コロナワクチンの副反応がデルのかデナイのかを一生懸命に考えていた時の話だ。
 
この日、モデルナのワクチン接種2回目を終え、副反応が気になり過ぎて仕事どころではなかった。
 
デルのかデナイのか、ただただそのことに集中していた。
 
1度目は、それ程気にしてはいなかった。実際、筋肉痛レベルの腕の痛さだったし副反応でました! と騒ぎ立てるほどのものでもない。
 
2度目だって気になってなかったのに……。
 
気になり始めたのは、2度目の接種をした人のほとんどが熱をだし、撃沈していたからだ。
 
熱に頭痛に関節痛。解熱剤を飲んでもまた熱が上がると言うではないか。健康体の私に
とってその話は恐怖でしかなく一体全体どうなってしまうのだろうと、頭を抱えた。
 
 
それと同時に、デルのかデナイのか知りたくなり少しワクワクしている自分がいることにも気付いた。
 
不謹慎だと思われるかもしれないけれど、人生初の入院と手術をした時も、ワクワクとドキドキがあった。
 
楽しそうに入院準備している姿に面食らった夫が「旅行と勘違いしてるんじゃないか」と言い放ったくらいである。
 
不安と恐怖。その中に少しのワクワクとドキドキを織り交ぜながら、来るべき副反応に備え仕事帰りスーパーに出陣。
 
 
辛くなった時のためにと買い漁ったものは、お茶2リットル×2本にアクエリアス、そしてパイナップルとグレープフルーツ3つ。
 
 
この買い物は大失敗だった。重すぎて休憩を挟みながらでないと歩けないのだ。
 
 
いやしかし、来るべき副反応にはこれくらいのことは必要なのかもしれない。だって後悔はしたくない。
 
熱にうなされながら、あの時買っておけばと苦しむのは絶対に嫌だ。
 
ワクチン接種から1時間後くらいから痛み出した左腕をかばいつつ重い買い物袋をひっさげ自宅に着いた。
 
 
帰宅してからは、副反応のことで頭がいっぱいだった。妄想が妄想を呼びいつ来るのかと待ち構えていた。
 
 
そうこうしているうちに、体がほてる様に熱くなってきたではないか。これはきっと熱が出ているに違いないと10回ほど、体温計ではかってみたりした。
 
 
なんと! 37度。これはきっと副反応に違いないとググってみたたところ、微熱とは37.5度以上のことらしい。ついでに言うと、熱の出初めは悪寒がするみたいでカッカと熱くなるわけではないらしい。
 
 
一体全体どうしたことか。ワクチン接種した日は猛暑の中の猛暑日でとにかく暑かった。ただ単に体が熱を持ち暑いのか実は新種の副反応なのか思いを巡らせた。
 
 
独断と偏見で言わせてもらうと、これはきっと副反応なのだ。根拠何てないけれど、副反応ということにしておく。
 
 
夜は刻一刻と更けていく。そうこうしているうちに、噂で聞いた副反応の最短発生時間に近づいてきたではないか。
 
 
あらまあ。どうしたことだろう。体がドンドン変化してきたではないか。何だか眠たいし体がだるい。
 
「あれあれあれ? これって副反応ですよね」と心の中で自分に問いかけてみた。一体全体どんなことが私の身に起きたかは後述することにする。
 
 
 
ここまで副反応についての体と心の変化について書き殴ってきたけれど、実はその昔、ワクチン打たないでいいよね派だった時代がある。
 
 
と言っても過激な思想を持っていたとかそんなことではない。
 
最初はワクチン打とうぜ派だったのだから。それが打たないでいいよね派に変わりその後また打とうぜ派に寝返って今に至るわけである。
 
それには壮絶な物語というほどの事ではないけれど、それなりの理由があった。
 
出産するとワクチンスケジュールをありがたくいただく。
 
 
何歳から何歳までの間にこのワクチンを打ちましょうと書かれているものだ。ワクチン打とうぜ派の私は打てる時期がくると、いの一番で子供にワクチン接種させていた。
 
何の問題も起きず順調にワクチンスケジュールをこなしていたのだけれど、麻疹ワクチンが大問題だった。打とうぜ派から打たない派へパラダイムシフトさせたのは麻疹ワクチンが原因だ。
 
麻疹ワクチンは1歳以上接種が推奨されており、公費で打てるのは1歳からとなっていた。
 
にもかかわらず、子どもを連れて帰省することをかかりつけの小児科医に伝えたところ、「その地域は麻疹が流行っているから1歳前だけど麻疹ワクチンを打った方がいい」と言われたのだ。
 
麻疹は命定めと言われるほど怖い病気だという事は知っていたので、迷うことなく言われるがまま接種した。
 
このワクチンの副反応は2週間後に来るという説明を受けた。なんとノンビリした副反応だろうと思ったけれど、今までワクチンで怖い目に合った事はないし大丈夫だろうと高をくくっていた。
 
 
麻疹ワクチンのことなんてすっかり忘れていたきっかり2週間後、子供の体に異変が起きた。
 
機嫌よく夕食を食べ、元気いっぱいだったのに突如、ぐったりし始めたのだ。体に触れると物凄く熱い。
 
 
検温してみると一気に40度を超えた。体温計が壊れているのではないかと別の体温計ではかりなおしたくらいだ。
 
 
何度はかっても結果は同じ瞬足で40度を超えた。「これはヤバイ」と思い救急病院にかけこんだところ、やはりワクチンの副反応ではないかということだった。
 
 
その時、なぜ予防接種可能期間ではないのにワクチン接種したのかと尋ねられたため「関西地方は麻疹が流行っていると言われた」と伝えたところ。
 
 
流行ってないし、そんな話聞いた事もないとけんもほろろに言い返された。
 
 
その後、熱は下がり大事には至らなかったのだが、接種を勧めた医者に不信感が募っていった。
 
 
いい加減な事を言いワクチン接種させたことや、40度を超えて熱をだしたことを伝えたところ「そんなわけない」と怒りモードだったことに嫌気がさし、何を信じていいのかわからなくなったのだ。
 
 
そんな時、子供のワクチン接種についての講演会があることを知る。
ワクチンへの不安と不信感があったので参加することにした。
 
 
そこで聞いた話を要約すると、ワクチン接種は効果があるものの、メリットとデメリットを考えると打たない方がいい。今の日本は医療体制も整っており、もしかかったとしても心配はないというものだった。
 
 
インフルエンザワクチンについては全く効果がないと言い放ち、大規模調査で証明されており、国と製薬会社の癒着であり金儲けなのだと言い切っていた。
 
 
麻疹ワクチンで怖い目にあい、しかも不信感を募らせていたので「なるほど、そうだったのか」と、いとも簡単にその話を信じてしまった。
 
 
それ以降ワクチン接種をストップ。そのせいか子供は冬になるとインフルエンザにかかりまくっていた。
 
 
ワクチン打たない派になってから相当な年月が過ぎたある日、インフルエンザワクチンの有効性は実験結果などからも証明されており、打った方がいいということを信頼している知人から言われた。
 
 
ワクチン不要説をあっけなく信じ込み打たない派に転向したわけだけれども、よくよく考えてみると、打たなくてもいいという説にも疑問符がわき上がる。
 
 
たとえば、医療が整っているから打たなくていいとなり、ワクチンが世界中から消えてしまったらどうなるだろう。
 
 
それこそ病気が蔓延し大変な事になる。要らない派がワクチンをディスれるのも、ほとんどの人がワクチンを接種し病気を抑え込んでいるからなのだ。
 
インフルエンザワクチン効かない説も、たった一つの調査をもとに効果がないと断言していたが、信ぴょう性が疑われる。
 
 
「ありゃまあ。これはまずい」と思い直し、打たない派から打つ派にあっけなく寝返ったわけである。
 
 
ただ言っておきたいことがある。コロナワクチンはワクチン派閥を変えたから、接種を決めたわけではない。メリットとデメリットを天秤にかけ打った方がいいだろうと思ったのだ。
 
コロナをただの風邪であり、恐れることなんて何もないと言う人もいるけれど、今のところただの風邪ではないことはお分かりだと思う。
 
 
ワクチン普及が進み、治療薬ができればただの風邪になるのかもしれないけれど。
 
コロナになると2週間隔離される。濃厚接触者がいればその人も同じように隔離され迷惑をかける。
 
 
コロナになった事による行動制限やかかった時の不安を考えると体もダメージを受けるがメンタルも相当やられそうな気がしてならない。
 
 
しかも後遺症が残る可能性もあるというではないか。
 
 
いくら楽天的な私でも、「コロナになったらどんな感じ? 」と、ワクワクドキドキなんて全くしないのである。
 
 
それはただただ恐怖なのだ。
 
ワクチンのデメリットは副反応。持病もないので、それ程ひどいことにはならないだろうと考えた。
 
 
若い人たちが打ちたくないデメリットに将来どうなるかわからないというものがある。
 
 
確かにそうかもと思う。将来のことまで考えるなんてなんと頭がいいのだろうと感心する。
 
 
だけどちょっと考えて欲しい。将来どうなるかわからないと言っている人の生活習慣は完璧だろうか。
 
 
ジャンクフードやスナック菓子は積もり積もって体に悪影響を与えるわけだし、お酒も決して体にいいとは言えない。
 
 
暴飲暴食や偏った食生活。睡眠不足や運動をしないことなど、将来的に体に悪影響があることが世の中に溢れかえっている。
 
 
そういうことには目をつぶり、ワクチンだけにフォーカスするのは、私が視野狭窄に落ち入りワクチン打たない派になったのと同じではないかと思うのだ。
 
 
ワクチンだけに限った事ではないが、色んな事を比較検討し結論を出す方がいいのではないだろうか。
 
 
一つの情報だけに偏って判断するのはリスクがあると思うのだ。
 
話を副反応がどうなったかに戻そう。冒頭でどんな副反応が起きたかは後述すると、さんざん勿体を付けておきながら、大変申し訳ないのだけれど、私の身に起きた副反応はとてもしょぼくれていた。
 
ワクチン接種から10時間程経ってから眠気とだるさを感じとうとう来たかと、検温してみたところ熱はでておらず苦笑い。
 
 
あまりにもの眠気に耐えられなくなり寝落ちしてしまった。これで副反応物語は終わりかと思いきや、夜中の1時に体の熱さで目が覚め、すかさず検温。
 
 
なんと37.9度をたたきだしたではないか。「やっぱり」と思いながら、解熱剤を飲もうかどうか逡巡する。
 
 
不思議とだるさはなかったけれど、体のほてりに耐えられず飲むことを決意した。
 
解熱剤を飲んでも下がったと思ったらまた上がりの繰り返しだと聞いていたため、朝方にはまた熱が上がりきっと大変なことになっているのだろうと思っていた。
 
 
なのに、朝目覚めると熱は下がり痛かった左腕の痛みも9割消失。
 
 
だるさも何にもありはしなかった。もしかするとまた日中副反応がぶり返してくるかもしれないと会社を休んだものの、副反応は二度と現れることはなくあっけなく終了。
 
 
何事もなくよかったのだけれど。恐怖にあおられドキドキしていたあの時間はなんだったのか。
 
あっけなく終わった副反応にホッとしつつも物足りなさを感じていた。
 
 
もしかして副反応なんてでなかったのかもしれない。何故かと言うとプラセボでも4割くらい副反応がでるらしいのだ。でるはずがないのにである。
 
私も、プラセボではないにせよ、副反応を待ち構え過ぎ、でないものが現れたのではないだろうか。副反応の幽霊みたいな。
 
 
眠いとか身体が熱いとか喉が渇くとかググってみたけれど、そんな副反応どこにも書かれてなかった。
 
 
副反応だと思っていたけれど冷静に考えるとどうなんだろう。変なの! と思わなくはないけれど、何事もなかったわけだからよしとしておこう。
 
 
副反応が怖くワクチン接種を迷っている方がいたら私の副反応物語とワクチン寝返り物語がお役に立てればとても嬉しい。
 
 
最後に案ずるより産むがやすしであることをお伝えしたい。
 
 
 
 
***
 
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2021-08-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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