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規程は社員へのラブレター

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:大東亜 綾乃(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
あなたは自分の会社の規程を読んだことがあるだろうか。
 
規程があることは認識されているだろうし、ぼーっと眺めたことくらいはあるかもしれない。
だが、確りと一つ一つの条項を理解するまでに読んだことがある方は少ないのではないだろうか。
当の私も1年程前までは、会社の規程を読む考えすらなかったし、どんな条項があるのか気にも留めていなかった。
はじめて規程と向き合ったのは、前の会社を退職するとき、必要に迫られてだった。
 
今までに出会った人の中に、入社時には会社の規程を確りと確認し、定期的に内容を読み返したりすると言う方もいた。しかしその目的は、会社が提供する福利厚生を漏れなく享受し、一番良いタイミングで転職する為だった。
この時はあまりの入念さに笑うしかなかったが、本来は日々会社に貢献している「あなた」に「会社からのラブレター」を読んでほしいと切実に願っている。
 
私は転職して、会社の規程の作成や人事制度の構築をお手伝いするようになった。
確かに規程には、法律で定められた明記するべき定型文のような条項がある。これは絶対的必要記載事項と呼ばれ、厚生労働省の資料によると以下のように定義されている。
1.始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には終業時転換に関する事項
2.賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
3.退職に関する事項(解雇の事由を含む)
ラブレターの中では、名乗って挨拶する部分だろうか。
 
一方で、必ずしも明記する必要がない部分(任意記載事項)や、会社ごとに内容が異なる部分(相対的必要記載事項)もある。
私があなたに是非読んで理解してほしいと願っているのは、この部分である。
特に等級や評価方法、報酬額の決め方、職場の働き方に関する条項は、どこまで開示するか、どう設定するかが会社によって異なり、この部分を決める為に膨大な時間が費やされている。
 
等級であれば、そもそも等級制度が自社に必要なのかから始まり、等級制度の導入を決めても、その後には、何段階で設定するか、夫々の等級のレベルはどの程度か、どこまで詳細に等級ごとの定義を書くか、定義の内容は自社の業務内容と整合性がとれているか等々…。
検討すべき項目は芋づる式に増えていく。
そして多くの場合、議論が行ったり来たりする。
それでも各社の経営者や人事担当者は根気強く検討と策定を繰り返す。
これは一重に社員が安心して、活き活きと働ける職場環境を整える為である。
具体的な社員一人一人のことを頭の中に思い浮かべて、彼ら彼女らはどのような制度の下で公平さを感じ、遣り甲斐を持って働いてくれるのか、何を重視して働きたいのか、自社での将来をどう描いているのかに考えを巡らせている。
 
時には、小さな会社であれば社員全員に、中から大規模の会社であれば、リーダーや社内で重要な役割を担っている社員にインタビューすることもある。
インタビューの事前準備では、社員からどのような意見を集めるのかを検討し、事前に質問項目リストを作成する。社員へのインタビュー後は、集まった回答を分析し、その後の制度設計の議論で重要な拠り所として利用する。
このプロセスは特に丁寧に実施したいという気持ちもあり、相当な時間をかけることが多い。
 
先日もとある企業の人事担当者と評価方法について検討していた。
そもそも何を評価するのかから話が始まり、評価結果を何にどの程度反映するのかという内容に繋がった。一般的な評価の指標には、業績目標、役割、行動規範があり、夫々を簡単に述べると以下のようになる。
業績目標:個人に割り振られる数値目標の達成度
役割: 業務内容や求められる知識やスキル、責任範囲、裁量の大きさ
行動規範:役割ごとに求められる行動規範に対する実際の勤務姿勢
そしてこれらを反映する先が報酬(月例給や賞与)、昇給昇格になる。
 
また、評価方法を含む人事制度の策定や見直しの際には、社風、社員から寄せられる要望や意見、経営上の課題などが考慮される。
例えば課題でよく上げられる内容は、
最近若い社員がモチベーションを保てずに辞めていくことが多い、
中堅社員のやる気が引き出せず、スキルアップができていない、
職場が殺伐としていてチームワークが機能していない、
社歴の長い社員の意見ばかりが採用されて、新たな考え方や施策提案がしづらい雰囲気になっている等々…。
 
私の仕事はこれらの課題にどのような制度で対策が打てるかを考え、提案することである。
時に似た制度のご提案をすることはあるが、各社が辿り着く対策は各社各様になる。
外からお手伝いできることは、検討の過程で制度の性質と導入のハードルを確りと説明して、考えられるベストな案をご提示すること。
最終的な判断は、社内事情に精通する経営者や人事担当者へ委ねられる。
 
こうして長きにわたる検討プロセスを経て規程は完成する。
完成した規定を読み返すと「この部分は議論に時間がかかったな~」「この部分は社員さんの意見を反映できているな~」「この部分は経営者の意向が強かったな~」「この部分は会社の社風が出ているな~」等と様々な思い出や感情が頭をよぎる。
そしてまた一つ、社員の方が活躍する為の規程ができたことに嬉しさを感じるのだ。
 
だからどうか規程を単なる難しいお役所資料と認識せず、ご一読いただけないだろうか。
きっとそこには、あなたに対する会社の経営者や人事担当者の熱い思いが綴られているのだから。
 
参考資料
リーフレットシリーズ労基法89条(2021年8月29日閲覧)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-4.pdf
 
 
 
 
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2021-08-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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