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マニャーナの法則で呪縛から解き放たれた


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記事:ktana_(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「マニャーナの法則を学んでみると良いよ」
 
なんだ? マニャーナ? 人の名前か?
 
月イチの上司との面談の最中にふと言われた私は思わず頭の中で反芻した。
 
その昔、私はシステムエンジニアとして24時間365日稼働しつつけなければいけない、いわゆる「止まってはいけないITシステム」の運用に携わっていた。全国の流通に関わるシステムでこれが止まってしまうと、例えばコンビニやスーパーへの商品の配送ができなくなったり、銀行への支払いが滞ってしまったりしてしまったりと、多くの人の日常に迷惑がかかってしまう代物だった。
 
「止まってはいけないITシステム」は、とても迷惑なことに深夜や早朝に何か問題が発生することがある。そして問題が発生したら、寝ていようがご飯を食べていようがすぐに確認して何かしらの対応をしなければいけない。今まさにその深夜の寝ていたときに問題が発生した。
 
こういう生活をずっと続けていると今すぐ対応が求められたり、今日中になんとかしないといけない仕事が発生したりすることがよくある。そのおかげで、すぐに臨戦態勢をとり仕事にとりかかるという癖ができた。
 
その後転職してガラリ仕事内容が変わったが、何か問題がおきたり質問や相談事があったりしたときに、すぐに応えると「何かあったらすぐになんとかしてくれる頼りになる人」という認知がされるようになった。人から頼られるのは自尊心が満たされるような充実感を感じるし、何より自分自身がとても仕事ができる人のような感覚になる。
 
ただしマイナス面もあった。なんでもかんでもすぐにとりかかってしまい仕事がパンクするようになってしまったことだ。仕事に手を付けるのが遅くなったり、締切に間に合わなかったり、ひどいときにはうっかり忘れてしまったりすることが少しずつ起きるようになっていった。結果的に人に迷惑をかけ、残業時間も少しずつ増えてきてしまい、残業ブラックリストにまで乗るところまできてしまった。焦りや自分の至らなさが積り悪循環になってしまう。前職では良かった習慣が逆に呪いのようになってしまった。
 
そんなときに上司から言われたのが冒頭の「マニャーナの法則」である。「マニャーナ」とは人の名前っぽいが人の名前ではない。スペイン語で「明日」という意味だ。「マニャーナの法則」とは「新しい仕事は明日やる」を基本として、「クローズ・リスト」を使い、「二等分法」で仕事を一歩ずつ確実に進める仕事術だ。結果として「マニャーナの法則」は、私自身にとってもとてもしっくりきた仕事術で、日々タスクに追われていた私にとって救いになった。
 
まずこの「新しい仕事は明日やる」を意識付けるのにはとても苦労した。今までの仕事の取り組み方をガラリと変える必要があったからだ。なぜ苦労したかというと、これには「衝動の脳」と「理性の脳」が関係している。きちんと考えてから判断する「理性の脳」よりもすぐに仕事にとりかかってしまう「衝動の脳」の方が優位であるため、「衝動の脳」をコントロールするために「新しい仕事は明日やる」というルールを自らに作るのである。
とはいえ頭の中では理解したつもりでいてもこのルールを実践するにはどうすれば良いか。
 
私の場合は、その仕事にとりかかる前にちょっと待って一旦何を考えるべきかリスト、通称「ちょい待ちリスト」を目の前に置くようにした。紙に書き出しパソコンのモニタに付箋を貼り文字通り目の前に置いている。目に見えるようにしておくことで「衝動の脳」に待ったをかけて、「理性の脳」でまず考えてから実行するようにしている。
 
そしてこの「ちょい待ちリスト」こそが「クローズ・リスト」になっているのである。この「クローズ・リスト」の対比が「オープン・リスト」である。例えばTODOリストのように何かあれば追加するリストがオープンリストであるが、「ちょい待ちリスト」はあくまで仕事を始める前のチェックリストなので、基本的このリストは増えない。
 
そして最後に重要なのが「二等分法」である。これはその仕事をこれ以上細かくできないタスクなで分割を繰り返していき、それをチェックリストにしてから仕事にとりかかるという手法である。私の場合は、その仕事の半分をやるためにまず何をするのかを考えてそれを繰り返す。これくらいの粒度なら着手できそうだなと思った第1段階が見つかったら、それをタイトルにチェックリストを作っていく。このチェックリストをこなしていくことで、地道な一歩ながらも確実に仕事を進めていくのである。今ではこのやり方がとてもしっくりくるようになった。
 
「マニャーナの法則」のおかげで、全ての仕事をいますぐなんとかしないといけないと思い込んでいた呪いから逃れられた。もちろん今すぐにやらなければいけない仕事もないわけではない。それでも今では取り掛かる前に必ず「ちょい待ちリスト」を見るようになったことで、一旦頭を冷静にしてから取り組めるようになり、無事残業ブラックリストからも外された。「マニャーナの法則」を教えてくれた上司には感謝しかない。日々仕事に追われている人は、是非一度「マニャーナの法則」を実践してみると仕事が整理できて良いかもしれない。
 
 
 
 
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2021-08-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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