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メディアグランプリ

OriHimeカフェ体験記


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:忠内 樹(​​スピード・ライティング特講)
 
 
たまたま見ていたテレビで紹介されたロボットが遠隔操作されているカフェ。なんと、ロボットを操作しているパイロットは、ALS等の障がいを持った方だという。ロボットがサービスを提供するというだけでも、興味津々なのに、そのロボットの操作を障がいを持った方がしているとは。テレビゲームでジャンプのタイミングが合わずに全然クリアできない私にしてみたら、すごいことが現実世界で起きていると感じた。
 
ふと行ってみたくなった私はふらりと立ち寄ってみた。
 
「いらっしゃいませ」
 
店頭で話しかけられたが、周りには誰もいない。アルコール消毒液の横にロボットがいて、目が光っていた。それを見て、私に話しかけてくれたことに気付き、会釈をした。私はまだ緊張していた。
 
目の前にあった注文カウンターでスタッフの方からカフェの簡単な紹介を受けた。ロボットは「分身ロボット」と言われて、「パイロット」という方々が操作をしていること、予約エリアと予約なしで利用できるエリアがあること。予約をするとロボットを操作している人との会話も楽しめるらしいが、私は急に思いついて来たので、カフェ利用として窓際のカウンター席を利用した。そこからカフェの様子を窺ってみた。
 
その日は取材が入っていた。パラリンピックが始まったこともあり、障がいを持った方が働くということが社会的に注目されているのかもしれないと感じた。取材が入っていたことで、どういうことを取材で取り上げているんだろう、どういうところを伝えていくんだろうと私の好奇心をくすぐった。
 
ロボットは卓上に居たり、給仕をしていたりする。普通に声が飛び交っている。時間になると、店内の大きな画面にパイロットが表示されて、お店の利用方法を教えてくれた。たくさんのロボットが居ること、それぞれのロボットが役割を持っていることを知ることができた。
 
予約席の方を見てみると、店員さんロボットと楽しく会話している親子連れがいた。予約席では食事も楽しめるらしい。店員さんが裏メニューを紹介したり、おすすめメニューを勧めたりしていて、普通にカフェの店員さんの接客をしている。ただ、机の上にあるロボットというだけ。ときどき人が怖く感じてしまう私には、相手がロボットだから話しやすいのかもしれないとも感じて観察をしていた。
 
給仕をしているロボットも遠隔で操作されているようだ。運ぶ練習をしているロボット、卓上のロボットと会話を交わすロボットもいた。いろいろなロボットがいる。見た目は同じロボットなのに、パイロットが違うからかそれぞれの個性が垣間見える。面白い空間だ。
 
近くにいたロボットにカメラを向けたらポーズを取ってくれた。ハイチーズの声に合わせて、両手を上げてくれた。初めて会話をした。こちらはマスクをしていて、表情はあまり見えないと思う。こちらが話していることを聴き取って会話をしてくれていることがふと嬉しくなった。ロボットに表情はないが、声で表情が見えるかのように、パイロットの声掛けが普通すぎてコロナ禍でお喋りをなかなか楽しめない中でウキウキしてしまった。
 
1時間くらい店内の雰囲気を楽しみ、飲み物もなくなったので、帰りがけにショップに寄ってみた。本やカフェのグッズなどいろいろと陳列されている。そして、ところどころに店員さんがいる。なにかお土産をと思ってウロウロしていると、声をかけられた。
 
「こちら、売り切れていたんですが最近再入荷したんです」
 
私はまたキョロキョロしてしまった。ロボットに気付いていなかったのだ。よく見ると目の前に並んでいるカフェのグッズと並んで目の光った店員さんロボットがこちらを見ている。
 
「これ、かわいいですね!」
 
缶バッチを手にとって、店員さんに見せると、
 
「これは5種類あって、かっこいいのは黒いのですね」
 
と追加情報を教えてくれた。普通の店員さんと同じだ。普段の買い物では接客で近づいてくる店員さんを避けてしまいがちな私だが、ここではロボットの店員さんとの会話を楽しんでいた。そんなときに、
 
「たくさん、ありがとうございます。この机と隣の机の間に買い物かごがあるので使ってください」
 
と声をかけられた。
普通の店員さんと同じじゃん! と心の中でつぶやいていた。会話を楽しみながら買い物を楽しむことができた。このカフェのことを伝えたい人たちに缶バッチやステッカー、コーヒーを買ってみた。
 
「ありがとうございました」
 
お店を出るときに店頭にいたロボットに声をかけられた。嬉しくなって、「また来ます!」と返事をする私がいた。ほんの1時間の滞在ではあったけれども、店員さんロボットとの交流を通して、反応することで次の会話につながるという、当たり前のことに気付かされた。話しかけられたら、反応する、対応する、そのことでお互いの存在に気付き、お互いの安心感につながることに気付いた。普段の生活ではあまり意識していないが、コミュニケーションの大切さを垣間見た気がした。人として大切なことに気付かせてくれた、そんな場所だった。
 
ロボットを通して働くを実現しているこのカフェ。ゲームの世界に例えると、どんどん次のステージに進み続けている空間、そんなイメージを持った。次のステージはどんなステージなんだろう。どこからでも誰でも働けることの社会実験をしているこのカフェ。是非体験して欲しい。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2021-09-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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