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私と献血


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記事:池田 優介(スピード・ライティング特講)
 
 
私はここ2年ほど、最低でも1ヶ月に一回は献血に行っている。実は元々は献血なんて面倒くさいなと思っている側の人間だったし、高校生の時に福岡の中心地・天神に買い物にでかけた際に停まっていた献血カーに勇気を振り絞って行ったのにも関わらず、初めての緊張感なのか、実は注射が苦手なのを抑えきれずにドキドキし続けてしまい、脈が収まらず、りんごジュースのパックを貰って帰るという、ちょっと恥ずかしい経験をしてしまって以来、献血とは程遠い存在にいた気がした。
 
そんな私が献血に行き始めたきっかけ。私は今は福岡市内に住んでいるのだが、元々福岡市からは離れた田舎町に住んでおり、「献血って献血カーが各地の行政の施設やショッピングセンターに巡回するイベント」だとずっと思い続けており、ジュースのパックや歯磨き粉がもらえるくらいのわざわざタイミングを合わせて行くものでも…という思いだったが、休日にたまたま博多駅隣のビルに立ち寄った際に献血センターがあることに気づいた。以前働いていた会社の上司が福岡市内へ仕事へ行っていた時にちょっと時間があればその上司が「ちょっと博多駅の献血センターに行ってくるわ! あそこ献血するだけでジュースとかお菓子とか食べ放題やし、新聞雑誌も読み放題で時間つぶしにはちょうど良いもんね!」と言っていたことをふと思い出し、献血センターに立ち寄ったのがきっかけである。決して献血や社会貢献に興味があって立ち寄ったわけではなく、ジュースとお菓子、雑誌が読み放題という理由で行ってしまった訳で、そんな単純な理由で行くことでいいのか……と思いつつも、もうかれこれ2年ほど定期的に献血に通うほどになっている。
 
献血には、200ml献血と400ml献血、そして成分献血といくつかに種類が分かれている。200ml献血と400ml献血は、提供者の血液をそのまま頂戴する献血であり、1回献血をすると最低でも次の献血まで4週間は開けなくてはならない(次の献血をどの種類にするかによって期間はかわる)、一方成分献血は、血液を一度抜いたあとに体の中で回復に時間がかかる赤血球のみを戻す献血で、こちらは2週間開ければ次の献血をすることができる。ただし、200ml献血と400ml献血は15分程度で終わるのに対し、成分献血は60~90分かかるため、各人のスケジュール次第でどの献血をするか決めていくという形だ。ちなみに私は基本的には成分献血をよくやっている。1時間以上かかるが、献血中は自分専用のテレビもついているのでのんびりできるし、寝ていてもよい。血は抜かれているが、何も考えない自由な時間が流れている感じがたまらない。そして1時間の献血が終わったあとのジュースとお菓子(特にハッピーターン)は本当においしい。献血をする時間にもよるが、ランチしなくてもよいのではないかと思ってしまうほど食べてしまうこともしばしば……(これはちょっと反省しなくてはならないか)。
 
自分にとって献血とはなにか、と尋ねられれば、カフェ巡りのようなものだと思っている。さまざまな場所に献血センターがあることを知り、出張時にも時間があれば献血に立ち寄ることもある(もちろん自由な時間の中でだが)。センターによって雰囲気も違うし、ジュースやお菓子の種類も違う。まさにカフェ巡り感覚である。なので、正直に言うと献血して誰かの役に立っている、社会貢献している、ということを献血の現場で感じることはあまりない。しかし、今改めて日本の献血の現状について調べてみると、1日約3,000人、1年間で約120万人の方が輸血を受けている中で、1日約14,000人、1年間で約500万人の方の献血が必要。しかし、献血に協力する人は年々減少。特に10代・20代が10年前と比べ約38%減少しているという(日本赤十字社ホームページより)。さらには、新型コロナウイルス禍ということもあり、テレワークの推進やオンライン授業の促進もあり、献血バスによる学校や職場などでの集団献血ができなくなっていることも拍車をかけているという。そんな状況ではあるが、緊急事態宣言下においても、献血は不要不急の外出にはあたらないということで、現場ではしっかりと感染拡大防止対策がなされた上で日本各地の献血センターでは毎日献血を行っている。そういった現状を目の当たりにすると、ちょっとは私の献血が世のため人のためにほんのちょっと貢献できていると強く感じた。献血を始めたきっかけは安直なもので、あまりおおっぴろげに自慢できるものではないが、私はこれからも引き続き献血には協力したいし、もっともっと献血カフェ巡りに注力しようと思った。
 
 
 
 
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2021-09-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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