メディアグランプリ

書くって恥ずかしい

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:大東亜 綾乃(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
文章とは何か、書くとは何か。
ライティングゼミを受ける度に、毎週の課題提出の度に、考えさせられる。
 
昔から、お手本を見て、それを模写することで新しいことを覚える方法が私には合っていた。とりあえず身体を動かすよりも、自分の中に目標にしたい姿を描いてからスタートする方が効率よく理想の状態にたどり着けるのだ。
頭の中のイメージと同様にできなければ、どこがダメだったのかを内省して、問題点を特定し、改善策を考えて、またチャレンジする。
そうやって私は今までの勉強やスポーツ、人間関係を作ってきたように思う。
 
今回のライティングゼミも、例外なく同じ方法で取り組もうと思っていた。
だが、毎週の課題提出をする度に同じ思いが頭をよぎるようになった。
「文章を書くって恥ずかしい」
上手いなと思う人の文章を真似て書こうとすればするほど、自分の中身を赤の他人に全てを公開しているような気分になる。
読者からはどんなレッテルを貼られ、評価されるのだろう。
考えただけでも緊張で心拍数が上がった。
 
普段はクールだねとか、さばさばしているねとか、他人と群れないよねとか、自分の芯がしっかりしてそうだよね、と言われることが多い。
これらのコメントは確かに的を射ていて、きっと私の真の姿の「一部」を言い表しているのだと思う。必要以上に他人の実情に首を突っ込むべきではないと思うし、自分が興味を持てないものは、無理してもその時点では興味が持てないと思っている(後々何かのきっかけで視点が変わることは勿論あるが)。
という訳で、他人からの言葉を必要以上に気にするタイプでもなければ、ショックを受けて何日も塞ぎ込むタイプでもない。
それでも、それなのに、文章を書くときは何故か緊張してしまう。
 
誰かの道標なしに、普段の自分が考えていることを自分の言葉で書いて、他人がどんなコメントをするかが全く見えないからだ。
共感してくれる人がどれくらいいるのだろう、
自分の考え方は大多数の人には受け入れられないのではないか、
文章の内容で私が意図しない内に誰かを傷つけてしまったらどうしよう、
正解がなく、お手本がない中で、自分の中から何かを生み出すというプロセスに私はいつも困惑しているのだと思う。
 
不安は毎回頭の中を駆け巡り、課題提出の投稿ボタンを押すときが一番緊張する。
もちろんフィードバックを頂くときも、面白かったです! と言ってもらえるかにドキドキするのだが、たとえ面白かったと言っていただけても、その後の天浪院のHPへ投稿されることを思うと、嬉しさと不安が入り混じった複雑な気持ちになる。
どうせ私の記事など数人にしか読まないだろうと思いつつも、読んだ人が何を感じ、その後の時間をどう過ごすのかを考えると心配になる。
 
ライティングゼミの他の受講生の投稿や、メディアグランプリのトップ5記事などを読んでみると、書き手の感情が確りと込められている文章の方が面白いと感じるし、グランプリに選ばれていることが多いとこにも気づく。やはり人の心に響く文章は、書き手が正直に自分の気持ちを綴っているものに限られるのだろう。
と、頭では理解しつつも、自分の心をさらけ出し、文章に表現するのは私にとっては未だにハードルが高い。
きっとどこかでカッコイイ自分を演じたくて、見栄っ張りな自分をコントロールしきれなくて、何より書く修業が足りないのだろう。
 
上手く書けない理由を考える度にライターさんの凄さを実感する。
更にはクリエイターさんという、何かを作り出す方々への尊敬の念を抱く。
0から1を生み出す為には、自分の中の何かをそこにインプットする必要があると思う。
誰もが持っているはずの自分の内側に隠された何かを。
 
先日拝読した川代さんのノートで『つい「うまいこと言おうとしちゃう」問題』について触れられていた。
普通の人なら、うまいこと言おうとして当然だと思う。
誰だって他人によく見られたいし、カッコイイねと言われたい。
褒めてくれるのなら、褒められたいし、
嫌われるか好かれるかなら、好かれたい。
この自然な感情を押し殺して、自分がその時感じている不安や寂しさ、恥ずかしさや後悔、驕りや欲望を文字や形にできる人は本当に心が強いと思う。
 
何も飾らず、ただ自分のありのままを表現して、そこに読者へのささやかなメッセージを添える。
そんなさり気ない贈り物を赤の他人にできるようになったとき、本当のライターさんになれるような気がする。
 
素敵な文章を読んだとき、それがどんな内容でも、心が少し落ち着いたり、清々しい気持ちになったりする。
それはきっとライターさんからの贈り物を受け取っているのだと今更ながらに気づいた。
 
確かに「書き方」には様々なテクニックがある。
それを学ぶために、数えきれないライター志望の学生や社会人の方々が独学で勉強したり、学校に通ったり、ライティングゼミのような講義を受ける。
でもテクニカルな知識を身に付けるのと同等に必要となるものの中に、相手への思いやりと、自分のプライドを捨てて全てを文字で表現する勇気が必要なのだと感じる。
 
自分がそんなライターになれるかは全く自信がないが、少なくともそんな勇敢なライターさんが熱い想いを込めて書いた文章をこれからも読み続けたいと思う。
 
 
 
 
参考資料
本音よりも「読者にウケそうな言葉」を探してしまう創作活動「負のループ」《川代ノート》 | 天狼院書店 (tenro-in.com)
2021年9月6日閲覧
***
 
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2021-09-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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