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メディアグランプリ

言葉を運ぶ鳥の背中への誘い


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:大村沙織(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
その日、午前中から続く業務がひと段落したのは、午後1時のことだった。
他の人よりも1時間遅い昼休憩に入るため、食堂に向かった。
食堂に備え付けの電子レンジで持参したお弁当を温め、椅子に腰を落ち着けた。
ふかふかのクッションが立ちっぱなしの作業で疲れたお尻を包み込む。
お弁当を食べつつ、スマホを立ち上げる。
ホーム画面に新しく加わった、青いアイコンに白い鳥のマークのアプリが目にとまる。
その横に表示される赤丸で囲まれた「1」と、画面の左側にある白いハートマーク。
それらが意味するのは、誰かが残してくれた「いいね」の意思表示。
どこかの誰かが自分の文章に目を向けてくれたことが嬉しくなり、無人の食堂で思わず顔がほころんでしまった。
 
Twitterを始めたのはほんの1週間前のことだ。
「せっかく文章を書く練習をしているのだから、日頃からもっと気軽に書く訓練をする機会を作れないか?」
ライティングの勉強を進めていく中でそう思い立ったのは、もっと文章がうまくなりたい欲求が高まった結果だったのだと思う。
ゼミの中で書く課題文以外でも、そこで学んだ知識をベースに自分で文章を書けば、自ずと文章力が磨かれると考えたのだ。
「ゼミの課題がなくなると書くことを止めてしまう人が多い」という講師陣の嘆きを受け止め、発信の場を作っておこうと思ったのもあった。
更にポイントは「気軽に」ということだ。
というのも半年近く前に、やはり「文章を書く訓練をしたい」と考えて始めたnoteでこけた経験がトラウマになっていたから。
ゼミの課題と同程度の量の文章が投稿できることを考えて選択した結果だったが、課題と異なる内容でもう1本文章を書く時間が取れず、更新の頻度はだんだんと落ちていった。
「習慣化したいのに……私には無理なの?」
更新されないアカウント画面を見る度に心に湧き上がる自己嫌悪。
負の感情は書くこと自体にも影響し、一番注力しなければならない課題に対してもなかなか腰が上がらなかった。
夏にはライティング迷子からの脱却を目指すため、書店で「書く」というフレーズの本を見たらとりあえず手に取るようになった。
 
そしていつものように書店を徘徊していた週末に出会ったのが、いしかわゆきさんの「書く習慣」だった。
帯の「日記・SNS・note・ブログ『続かない』と悩む全ての人へ」というメッセージを見た瞬間、「この本は買いだ!!」という直感が働いた。
そして本を実際に読んでみて、その直感が外れていなかったことを確信した。
まず「はじめに」で出てくる問いかけが目を引く。
 
「『書く』のって、好きじゃないとしんどくない?」
 
この問いかけには、首がちぎれそうになるほど共感した。
そうなの!!
嫌いになりそうなの!!
私どうすれば良いの!?
この問いに対して、彼女は自身も取り入れている「『書きたい』気持ちを失わないようにするコツ」を本書で紹介している。
文章をすぐに書けるようにスマホにメモアプリを入れておく、自分の中から生まれてきた感情を言葉にしてみるといった、すぐにまねできる習慣化の手法。
感情が動いた全てのことはインプットであり、他人や自分に対してテーマを設定すればもっと深堀りできると力説するネタ探しのコツ。
相手により深く伝え、自分らしさを出すために文章に入れなければならない大事なこと。
もっと読まれるようになるために必要なのは「自分事化」される仕組みであること。
まずは気兼ねなく書くことから始めて、そこからだんだん人に読まれることに意識を向けていくという段階を踏んでいくのが、とても分かりやすかった。
そして一文一文から、とにかく書くためのハードルを下げようと力一杯言葉を尽くしているのが伝わってくる。
たまに出てくる彼女のオタク趣味全開の例も笑いを誘い、彼女の人柄が伝わってくるようだった。
 
この本の中で文章を習慣化するツールとして挙げられていたのがTwitterだ。
短い字数で投稿のハードルが低いことに加えて、140字にまとめることで要約力が磨かれ、相手に訴えるための言葉選びを意識しやすくなると、いしかわさんは語る。
そして私が最も心を動かされたのは日常ツイートに関する記述だった。
 
「楽しかった」など、一言で済ませられるようなことも、「どうしてそう思ったんだろう?」と掘り下げることが思考を深める練習になります。
(中略)
日々のどんなことにも感情が動くようになる。
そこから学びを見つけられる。
それをネタに昇華させて言葉にしていけるようになる。
これが、「日常ツイート」を習慣にすることで得られる効果です。
 
読んだ瞬間、「これだ!」と叫んでいた。
文章を書くことを習慣化できて、更にはネタ探しの練習にもなる!
これはもうやるしかなくない!?
やるなら気持ちがたぎっている今でしょ!
「書く習慣」を読了してから3日後に、私はTwitterのアカウントを作成して呟き始めていた。
始めてまだ日数が浅いのでフォロワーも全然いないし、自分専用の日記のような存在だ。
それでもたまに「いいね」をしてくれる人がいる。
自分が思ったことに全く知らない人から共感を覚えてもらえるのはとても嬉しいし、ちょっとした自信にもなる。
その内、ゼミの課題のネタもTwitterの呟きから思いつくようになるかもしれない。
私は今日もアプリを開き、鳥に言葉を運んでもらう。
いつかこれらの言葉を、ゼミの課題で届けられる日が来ると信じて。
 
 
 
 
***
 
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2021-10-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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