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ボクシングとライティングの関係性について


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:竹本美沙子(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
「なんか、太ったんちゃう?」
3年ぶりに大阪に戻ってきた職場の先輩が、私に向かって言い放った。
「それ絶対、女の子に言っちゃあかんヤツ!!」
 
その日、どうやって1日を過ごしたのか覚えていない。
私は家に着くとすぐに、体重計に飛び乗った。
「ヒッ!! 7キロも増えてる!!」
 
いつからだ?
なんで途中で気が付かなかったのか?
 
私は頭の中をぐるぐるとフル回転させ、日ごろの自分の行動を検証した。
 
毎日、手に取る引き出しのおやつコーナー?
それとも、売店で買う2個100円のプリン?
 
心あたりがありすぎて、思わずギャフンとつぶやく。
 
運動が嫌いで食べることが好きな私は、職場が最寄り駅から徒歩20分から8分へ移動になり、ほとんど歩くことを止めていた。
今の私に、やせる要素はどこにもない。
 
「このままではいけない!」
 
私は、その日のうちにパソコンで『ジム』と検索し、自宅の最寄り駅に一番近い『ジム』に内容もとりあえず申し込んだ。
面倒くさがりの自分が、自主練を続けることができないのは、中学時代のソフトボール部ですでに立証済みだ。
 
翌日の土曜日、私はボクシングジムに来ていた。
ジムはジムでもボクシングジム。
しかも、最近よく聞くボクササイズではなく、男性が比較的多めの、アマチュアのプロも通う本格的なボクシング。
「隣に提携している医院があるので、ご安心ください」と説明を受けた。
 
「そっちの『ジム』だったか……」
 
ボクシングジムと言っても、すぐにグローブを装着し打ち合いをするわけではない。
まずは、基本のトレーニング。
ウォームアップストレッチ
縄跳び 2R
踏み台昇降 2R
筋トレ(腕立て伏せ 30回、腹筋 30回、背筋 30回、スクワット30回各3セット)
ランニング 15分
 
メニューを渡されて、目の前が暗くなった。
「だめだ! 絶対にムリッ」
そもそも、運動をしていないのに、こんなメニューをこなせるわけがない。
 
「シャーッ」奥のリングから、雄たけびが聞こえてくる。
なんで、こんな所に来てしまったんだろう。
 
まずは、払ってしまった11回分のチケットを消費しなくてはいけない。
黙々と踏み台昇降をしている人の隣に、そっと並んでストレッチを始めた。
 
夕方の7時半に入っては、10時前にジムを後にする。
リングの上でのミット打ちは、ほんの10分ほど。スパーリングはなし。
私はほとんどの時間を、筋トレに費やしていた。
好きでしているわけではない。
終わらないのだ。
 
翌日から2日ほど筋肉痛が続く。
特に、階段を降りるのが苦痛で1段ずつ、休憩しながら降りる。
やっと治まってきたと思ったら、ジム。
その繰り返し。
 
ところが、2週間を過ぎるころには、できなかった腹筋も少しずつできるようになり、1回飛ぶことに引っかかっていた縄跳びが3分飛べるようになっていた。
筋肉痛は、相変わらずあったけれど、最初のような激しい痛みはなくなっていた。
コロナで営業時間が短くなるギリギリまでの半年、週2回通い続けた。
 
結局、体重は半年で3キロしか落ちなかった。
 
けれど、今でもあんなに嫌いだったスクワットは続けている。
食べる時には、自分が何を食べているかを意識するようになったし、肩こりと腰痛も改善した。
そして、あの言葉を私は身をもって確信した。
 
筋肉は嘘をつかない。
 
全然できなかったことも、継続することでできるようになる。
私の中に小さな成功体験ができた。
 
自分が「面白そう」「やってみたい」と思って行動する。
すぐに結果が出なかったとしても、私自身が「嫌い」にならない限り、すぐには投げ出さずに続けてみるという長期的な視野ができた。
 
今は、ライティング・ライブ。
 
課題の1,800~2,000文字を毎週提出。
これは、今まで自分では経験してこなかったこと。
 
文章を書くためのルールは、確か小学生の時の作文で言われたことあったかな?
もう全然覚えてない、今はそんなレベル。
いただいたチェックリストは常に横に置いてある。
 
でも、私には分かっている。
まだ、タイムリミットの時間を気にして、文字を数えながらゼイゼイ書いているけれど、いつかは慣れる時がくる。
 
課題なので、フィードバックが貰えるので、自分のできなかった部分がわかる。
次回はその部分を意識して書いてみる。
 
書くことの筋トレ。
 
ここでやった筋トレも、きっと私の筋肉になって、これからの生かしていくことができるはず。
小さな成功体験と、諦めない継続が、どこかで振り返った時にちゃんと線になってくれてくれると信じている。
 
 
 
 
***
 
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2021-10-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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