「期間限定」に踊らされるのも悪くないと思った話
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:北村早紀(ライティングゼミ・日曜コース)
「あ、もう近くの映画館で上映していないのか。見逃してしまったな……」
私は、何度機会を逃しているんだろう。
上映期間が1週間だけしかないとか、観れる映画館が極端に少ないとか、そういうことはなかった。
「気になる。でも、映画館までわざわざ行くほど、私これを観たいのかな」
「これだけ話題になっているし、観ておいたほうがいい!」
「涙でマスクがぐしょぐしょになるって、そこまでの話なの?」
とか、映画1つで自分会議が始まってしまう。
別に、1,900円が惜しいとかそういうわけでもない。
平日は仕事漬けだが、土日までもそうではなく、時間に融通は効く。
でも、行く日時を決めることができず、機会を逃してしまった。
制作途上の過程もラジオで公開されているし、原作の絵本やそれを題材にした展示会も催されている。
この映画、というかコンテンツの名前を聞いたことがある人は、それなりに多いんじゃないだろうか。
『えんとつ町のプぺル』
制作者である西野さんのラジオも時々聞いているので、2020年12月25日に上映開始されることも、その前の制作過程についても情報としては認知していた。
この作品がどうやって制作されているのか、例えばどんな人たちが関わっているのか、西野さん自身がどれだけ熱中されているかも、一人のリスナーとしては知っていた。
だからこそ、映画が上映されたら観てみたいな、と思っていたのだ。
上映は2020年12月25日から開始した。
「始まったのか~、コロナ禍とはいえ盛り上がっているな」
と、ラジオやSNSから情報を得て感じていた。
気になる。
いつ、どこで観よう?
六本木でも、品川でも、日比谷でも観れる。
いつ観に行こうか?
映画の公式ホームページも確認した。
日々のラジオで、映画についての宣伝も聞いている。
それなのに、私は映画を見逃してしまった。
自分会議を開催して、「次回検討」とよくない典型的な会議パターン。
「ま、仕方ないか」
観れなかったことを忘れるようにしていたし、そうするしかなかった。
「『えんとつ町のプペル』、ハロウィン限定復活上映します~!」
「10月22日から10月31日までです。きっかり10月31日で終わります!」
もはや観れなかったことさえも忘れていた2021年9月、ラジオで復活上映について知った。
少し、気持ちが揺れた。
週に3本ぐらい、西野さんのラジオを聞いているので、聞くたびに復活上映についての告知がある。
「平日はさすがに夜も厳しいな」
「土日が2回あって、10月31日は一日予定もある。あ、10月23日の土曜日って、ダンスレッスンが山手線の工事の関係で休校の日か。そうか、ダンスレッスンがこの日はないのか」
そう、ぼんやり思っていた。
一方、この日は毎週あるダンスレッスンがないから、少し遠出して、温泉につかってリフレッシュしてみようかとも思っていた。
10月20日の水曜日、家でお昼ご飯を食べつつ西野さんのラジオを聞いていた。
「ついにこの週末から、いよいよ復活再上映始まりますよ~!」
また告知だ。いや、告知があることは承知の上で聞いている。
ここを逃したら、あとは地上波で流れたり、amazon primeで観れるようになったりするまで待つ、もしくはDVDを購入するしかないが、多分そのときはもう関心が薄れているだろう。
もう自分会議での結論は出ていた。
「10月23日の土曜日に、観に行く!」
10月23日の土曜日、東宝シネマズ日比谷の9:50からの上映回を選んだ。
日比谷駅から、という東京ミッドタウンの入口から思ったより映画館が遠く、私が映画館の椅子に着席したのは10:05だった。
映画の内容について、ここでは語らない。
ラジオでもネットでも幾度となく情報に触れてきた。
なんとなく、ゴミ人間の話であることは知っていた。
泣けるらしいってことも、知っていた。
じゃあ、実際観なくても、そういった情報だけで十分じゃない?
全然違うのだ。
想像以上に早く涙が出てくるし、先が気になってドキドキする。
しかも、学び深いのだ。
まさに最近人生について悩んでいるので、「自分が信じるていることをやる」というストーリーには、心が揺さぶられた。
「知っている」ことと、「体験している」ことは全然違う。
全くの別物だ。
ネットでも盛んに情報を取得できるようになっているため、「ああ、それ聞いたことある」というものは増えただろう。
なんとなく知って、それ以上を求めなくなっていることも増えている気がする。
きっと私みたいな人間もいるだろうから、コンテンツを提供する人たちは、マスメディアやSNS等チャネルを駆使し、関心をひかせるような魅せ方を展開している。
西野さんのラジオでの告知も、その一つだ。
「ハロウィン限定復活上映」だって、リピーター向けの側面もあるが、以前機会を逃した私みたいな人へ、「あなたのための期間限定復活上映」と伝えているような側面もある。
私はこの期間限定上映にピンときて、行動した。
行動した結果、涙も流すことができて気持ちも晴れやかになったし、今の自分の悩みにも活かせる学びがあった。
今観ることができてよかったし、今だからこそ感じることができたこともある。
「期間限定」は、分かりやすいマーケティング施策だ。
でも、乗っかってみるのも悪くない。
思う存分、踊らされてみるのもよい。
もし心が揺れたなら身を任せてみよう。
自分の中の何かがその体験を必要としていて、実際に体験してみると、思いがけない収穫があるからだ。
***
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