男と女の違いは脳にある
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記事:もちだみお(ライティング・ゼミ超通信コース)
「だから、そこ曲がってって言ったやん!」
「そやから、曲がろうとしたやん! 言うのが遅いんや!」
「はぁ? あんたがちゃんと見てへんからやん!」
私がまだ若い頃、夫とのドライブで何度となく交わされた会話である。
私が助手席で地図と実際の道路を見比べながら(当時はまだナビシステムなんてものはなかったのだ)ナビをしていた時のことである。
私からすると、全く問題なく曲がれる距離の曲がり角を、夫は見落とすのだ。そして、行き過ぎる。で、私が文句を言う。いつものパターンである。
「会社の上司の言うことが、ほんまにトンチンカンでいっつも言うことがコロコロ変わって、もうどうしたらいいかほんまに困るわ」
「でも、その上司が言いたかったことはこう言うことなんやないの? お前ももう少し考えろや」
「別にあんたに解決策を提示してもらおう! なんて考えてへんわ! 何も言わんとただ聞いとってくれたらええねん!」
これもまた、よくある会話の食い違いである。ただ、聞いて欲しいだけなのに、なぜか解決策を意見したがる。「いやだって、相談されたから、どうしたらいいか考えたんやんか」
相談してへん! ただただぐちぐち言いたいだけなんや!!
男性と会話をしたことがある女性の方は、きっとみんな同じような体験をされていることであろう。私は、常々不思議に思っていた。どうしてこんなに通じないのだろう。もしかして夫は宇宙人か?
ある時、黒川伊保子さんの脳科学の本を読んだ。
そこには、男性と女性の脳の違い、それゆえの、物の見え方の違いや考え方の違いが書かれていた。そこに、私は長年の疑問の回答を見出したのだ。
人間の脳には左脳と右脳がある。左脳は、言語・計算などの論理的・概念的な思考を司る。対して右脳は、音楽・アイデアなどの芸術的・直感的な分野に関連する。この左と右の脳を繋ぐのが「脳梁」とよばれる溝である。女性はこの脳梁が太く、男性は細い。
脳梁が太い分、女性は左脳と右脳をよく行き来して物事を考える。それに対して男性は、左脳内、右脳内で考えることが得意である。なので女性は、
「今日は本当に寒い日だったよね。おかげでお店でぜんざいがよく売れたわ。そういえば隣の佐藤さんちの猫ちゃんが子猫ちゃんを産んだんだって。あ、寒いからセーター出そうか?」などと、脈絡なくいろんなところに話が飛ぶ。そして、男性はそれについていけない。それに引き換え、男性は一つの物事にじっくりと取り組むことが得意である。一つのことに集中して物を作ったり、疑問点をつぶしていくのが得意なのだ。
女性の脳は絶えず左脳と右脳を行き来して物事を考えているため、ずっと何らかの思考が頭の中にある。何も考えていない、という時間は、極端に少ない。私なんかは、何かを考えている上に、BGMまで流れていることがある。つくづく、女脳なんだなぁ、と思う。対して男性の脳は、何も考えていない、という時がある。これも、右脳だけで考える、左脳だけで考える、という、男脳の特徴である。
物の見え方も違うようで、男性の脳は、景色を俯瞰して見る。したがって、男の子に絵を描かせると、視点を上に持ってきた、つまり見下ろすような絵を描く。女性の脳は、実際の視点のまま景色を見るので、女の子に絵を描かせると、地平線を一本描き、そこに花や木や家が並んで描かれる。何とも不思議だ。
それでも、私は男脳になったことがないので、その違いを俄には信じられない。そこで、夫に質問してみた。
「ねぇ、何にも考えてない時間とかって、あるの?」すると夫は
「あるよ。テレビとか流れてても全然見てなくて、何にも考えてない時、よくある」
へぇ、本当にそうなんだ。そう言えば小さい頃の息子も、よくぼーっとしていて、これで大丈夫なのだろうかと、私は少し心配したものだった。
その息子でも実験してみた。
息子が運転免許を取得し、私を車に乗せて送迎してくれるようになった頃のことである。
この本に「男性の視点は女性より遠い」と書いてあったことを思い出し、本当かどうか試してみよう、と思ったのだ。
ある曲がり角の少し前で「あ、次を左に曲がって」と言ったら、息子は「わかった」と言って、なんとその角を通り越し、その次の角で曲がったのである。彼にとっての「次の角」は、すぐそこの角ではなく、もう一つ向こうの角だったのだ。
男性脳の不思議は、本当だったのだ。若い頃にこのことを知っていたら、夫ともあまり不毛な喧嘩をしなくて済んでいたかもしれない。残念である。
とはいえ、男性の脳はこうですよ、女性とは考え方の見え方も違うのですよ、だから「そういうもんだ」と思って、怒らないでね、と言われても、ハラが立つときはハラが立つ。特に、愚痴に対していちいち解決策を提示するのは、イラッとするのでやめてください。
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