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メディアグランプリ

ジブリと阪神と浜崎あゆみ


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記事:吉田智彦(ライティング・ライブ福岡会場)
 
 
「今までジブリ映画って、みたことがないんですよ」
「えー、うそ。すごくいいのに何で観てないの? 絶対観たほうがいいよ」
これまで、何度もこんな会話をしてきた。そう、私はジブリ映画を今まで1本も観たことがない。周りの反応を見る限り、かなり珍しいようだ。
 
この間も数人で食事をしていた時、ひとりが、リュックに缶バッチをつけていた。それを見た、もう一人が「マンマユート団のボスじゃないですか、いいね~」と言い、ふたりで盛り上がっていた。
 
私は全く会話についていけなかった。しばらく話がおちついてから、私は聞いた。
「何の話? 全然わからないんですけど」すると、ふたりは驚きながら教えてくれた。
「マンマユート団、知らないんですか? 紅の豚に出てくるやつですよ」
「いや初めて聞いた。そもそも、ジブリ映画を今まで1本もちゃんと観たことがないんですよ」
 
「本当に? トトロは知っていますよね?」
「さすがに、トトロというキャラクターは、知っています。でもトトロが何者なのかは知らないですね」そう言いながら私は、トトロ、をスマホで検索した。そして、トトロに大・中・小と3匹いることを初めて知り、マジで驚いたのだ。
 
こんなやり取りの後、そのふたりから、めちゃくちゃジブリ愛を熱く語られた。日本の宝なのだから必ず見るべきだ、と勧められた。
 
でも、いくら熱く語られようと、私の心は動かなかった。これからも、私は観ないような気がする。
 
どうして、私はこれまでジブリ映画を観てこなかったのか、そしてこれからも観ないと思っているのだろうか? 自分でも不思議である。別にジブリを毛嫌いしているのではない。
 
そして、気づいた。この感覚は、私が幼いころ、阪神に抱いていた感覚と似ている。
 
私は、関西(神戸)出身である。周りには、熱狂的な阪神タイガースファンが多くいた。「阪神ファンちゃう奴は、人間ちゃうわ!」といってる人も決して少なくなかった。
今でも忘れなれいのは1985年、阪神タイガースが日本一になった時である。21年ぶりのリーグ優勝、日本一は38年ぶりだった、この年の熱狂は尋常じゃなかった。
 
私は当時、中学生。学校の職員室では、先生が日本シリーズをテレビにかじりついて観戦。給食時には、阪神の応援歌「六甲おろし」が校内放送で流れた。しかも、放送室から生徒数名がバカ騒ぎしながら大合唱していた。
 
ちなみに、高校生に進んでからも、なんでやねん、ということが合唱コンクールであった。あろことか、私のクラスで自由曲に、六甲おろし、が選曲されたのだ。コンクール当日は、クラス全員が黄色いハッピを着て、ゴム風船まで飛ばして歌わされた。
 
両親も当然ながら阪神ファン。特に父は熱狂的なトラキチだった。甲子園球場にもよく連れていかれた。父は息子と一緒に阪神を応援するのを楽しみしていたに違いない。
 
しかし、私はなぜか、阪神ファンにはならなかった。その代わりに、あろうことか父が、そして阪神ファンなら全員が大嫌いな、巨人ファンになったのだ。幼稚園の時には、既にそうだったと記憶している。
 
ジブリ映画と阪神に、共通しているのは何か。それは、大多数の人が好きである、という点だ。
 
大多数の人というと、阪神より巨人のファンの方が全国的には多いのかもしれない。しかし、ここで大多数というのは、あくまでも、私の周りを中心とした世間での大多数なのだ。
 
つまり、私が生まれ育った関西という中での、世間の大多数が阪神ファンだった。だから、私は阪神ファンにならなかった。対極の巨人ファンになった。
 
その後、私は社会人になると東京で働くことになった。あたり前だが東京では、巨人ファンが大多数。すると私はどうなったか。
 
巨人に興味がなくなり、逆に阪神のほうが気になった。更にその後、私は転勤で福岡へ。住んで20年以上経つが、未だ、ホークスのファンになっていない。
 
福岡にいるとファンでなくても、ホークスの試合中継を目にする機会は多い。すると、今度はパリーグの他球団を好きになってしまった。お分かりいただけるだろうか?
 
一方、ジブリ映画は、日本人の大多数が好きだと思っている。ということは、私は日本に住んでいる限り、興味を持つことはないということになる。でも、海外に移住すると、もしかしたら観たいと思うようになるのかも知れない。
 
私はみんなが、好き、と感じているものに関心を持てない性格のようだ。周りで流行っているものに興味がないのだ。
 
だから、私は大多数ではないものに興味を持ち、好きになる。しかし、それが大多数になると、その好きの気持ちが失せていく。
 
芸能人を例に出すと、私にとって、浜崎あゆみがそうだった。ドラマや映画で脇役だった時から好きだった。その後、歌手としてデビュー。ミュージックステーションに初登場した時には、自分事のように嬉しくて仕方がなかった。
 
なのに、歌姫として誰もが知るスターになるにつれて、私の好きの気持ちはトーンダウンしていった。
 
結局、私は「俺は周りとは違うのだ。みんながまだ気づいていない、価値がわかる人間なのだ」という、独りよがりの優越感に浸って満足しているのかもしれない。確かに、心地良いのだ。
 
私は周りから、偏屈で面倒な人、だと見られているのかもしれない。そうネガティブに結論づけようとしたが、ポジティブに考えるとどうだろうか。
 
みんなが気づいていない価値がわかる人間なのだと、私が思っているこの性格は、良好な人間関係作りに活かせるのではないだろうか。人のいいところ、つまり美点探しに使うのである。
 
周りはおろか、その人自身も気づいていない良さや価値に、私が気づき、その人に伝えることができたら、すごいんじゃないかと。
 
ひょっとすると、そんな素晴らしい能力を、私は持っているかもしれない。
 
 
 
 
***
 
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2021-11-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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