羽田空港でワクワクしたこと
*この記事は、「実践ライティング特別講座」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
記事:ココヒロ(ライティング・ゼミ8月コース)
先日、鳥取の米子空港まで行くために久しぶりに羽田空港へ行くことがあった。最後に飛行機に乗ったのは、コロナ禍になる前だったので、実に2年振りのことだ。
いきなり、荷物を預けるカウンターでわけがわからなくなった。全日空の係員がまったくいなかったのだ。荷物も今はセルフで預けなければならないらしい。コロナ禍になる前の風景とはまったく違っていた。係員がカウンターに立っていて、手渡しで荷物を預けるというイメージが残っていた私には、「うん?」と思ったのだ。
私が見た光景は、まるでSF映画の中にでもいるかのような感じだった。小さなドームのようなものがいつくも横に並んでいる。チケットをかざすと、自動でそのカーブに曲がったドームの白いドアが上に開き始めた。そのドームの中にそのまま手荷物を入れて、奥の壁に荷物を置くとセンサーが働いて、ピカッピカッと光ったかと思うと、ドームのドアが下がり、そのまま完了だ。
私は、それを見て、「まるでスターウォーズみたいだ」と思わず言ってしまった。映画のスターウォーズが大好きな私にとってはとてもたまらなくて、ワクワクして興奮してしまった。
コロナ禍による、新しい日常のためということも影響があったのだろうが、ここまで変わるとは思ってもいなかった。さらに、手荷物検査場を通り、ターミナル内に入った時だ。無人の車椅子が目の前を通って行った。
「車椅子が自動で動いている!」ざわざわという人混みの中を、スイスイとその車椅子は動いていた。そういえば、確かアメリカのロサンゼルスで、お店の食事をデリバリーする小さなロボットの車があったことを思い出した。遠い向こうの国のことだと思っていたのに、そんなことはなかった。
もちろん、テレビなどで、自動ロボットのことはよく耳にしているし、実際に自分の家にもお掃除ロボットのirobotがある。だから別段そんなに驚くことでもないはずなのに、それでも目の前で無人の車椅子が人と一緒に動いているところを目撃すると、すごいなと思ってしまうのだった。
世の中は、確実に変わっている。これからももっとすごいスピードで変わっていくのは間違いない。
次のフランスのオリンピックでは、空飛ぶタクシーの実用が計画されているという。空飛ぶタクシーって、車が空を飛ぶってこと? それもあとたった三年後に? それがうまくいくと、だんだんと普通自家用車も空を飛ぶことになって、さらにもっと先になると、もっと遠くに簡単に行けるようになって、きっとその時は自動運転になって、好きな時に好きな場所(国)へ行けるようになって、それから先に進むと、光の速さで移動できるようになって……と考えはじめたらどんどんイメージが勝手に大きくなっていく。
きっと、宇宙旅行も普通の時代になるだろうし、ちょっと月までとか、ちょっと火星までとかいうのはもうすぐで、本当にそうなる日も遠くないのかもしれない。そうなったら、そこで他の星から観光に来た宇宙人と友達になって、などということもあるのかもしれないなと思った。
ふと気がついたら、搭乗の時間になった。機内に入ると荷物を載せる棚のところに青いライトが点灯されていて、前方の座席から後部座席のところまで細い光が一直線につながっているように見えた。その光景もなんだか宇宙空間にいるみたいだった。そこまでのコンセプトを考えて全日空がデザインしているのかどうかは実際にはわからなかったが、それもワクワクしてきてとても楽しかった。
鳥取で2日ほど過ごした後、帰る日になった。鳥取の空港でも羽田と同じようなシステムなのかなと、ちょっと期待していたが、鳥取では以前とまったく同じように、カウンターに係員がいて荷物を預かるという方法だった。
カウンターの係員は新人の女の子だったのか、後ろにもう一人アシスタントがついていて、指導を受けながら一生懸命に私と目を合わせて丁寧に説明をしてくれた。いつもながらの雰囲気で、やっぱり良かった。
これからどんどん自動ロボット化が進む世の中になると思うが、でも、それだけでは、やっぱりどこか味気ない気がする。自動ロボット化は、最初は興奮するぐらいワクワクする面も確かにあるだろうが、やっぱり人と人との触れ合いや会話は今後も必要だと思う。
帰りの飛行機の中で、自動ロボットで効率よくすることが行われても、あえてどこかで人との触れ合いが残るような未来にもなって欲しいなと、そう思った。
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