キムタクがカッコいい理由 ~ゲーム『LOST JUDGMENT』をプレイして~
*この記事は、「実践ライティング特別講座」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
記事:村人F(実践ライティング特別講座)
キムタクってカッコいいんだなと思った。
そんなことを言うと、往年のファンからブッ飛ばされるかもしれない。
元SMAPであり、出るドラマ全てで高視聴率を叩き出す。
『ロング・バケーション』に『HERO』。
代表作を列挙するのも大変な超絶スーパースターに対して今更すぎる感情だろう。
私も彼の実績は知っている。
平成生まれでも『SMAP×SMAP』などで活躍を見ていたから。
だが正直、皆が絶賛するほどの凄さを感じてはいなかった。
なぜあんなにファンを魅了しているのか。
情報過多の現代においても一際目立つ光を放っているのか。
ずっとモヤモヤしていた。
しかし、久しぶりに発売日当日に購入したゲーム『LOST JUDGMENT』
キムタクが主演を務める大人気シリーズの最新作。
これをプレイしたとき、カッコいいと心から実感できた。
彼の役柄は探偵「八神隆之」だ。
普段は東京の「神室町」という歌舞伎町をモデルにした治安最悪の街に拠点を構えているが、本作では横浜の高校に外部指導員という形で赴任している。
理由はイジメと、それに関連し発生した殺人事件を調査するためだ。
そして真相に近づくにつれ、法に救われなかった者の闇を見る。
この問いにキムタクはどのような裁きを下すのか……。
クリアまでの80時間は、彼のスター性を腹落ちさせるのに十分だった。
なぜなら主人公であるキムタクを自ら操作するのだから。
キャラクターとしての凄まじさをこれ以上なく体感できるわけだ。
まず、何をしてもキマるのである。
『LOST JUDGMENT』はヤクザゲームの金字塔である『龍が如く』の最新作なのだが、シリーズの特徴であるド派手なアクションがめちゃくちゃカッコいいのだ。
カンフーをベースにした独自のスタイルでヤクザ、半グレ、不良学生をバッタバッタとぶっ飛ばす。
ゲスト出演の玉木宏や山本耕史にもお構いなしだ。
ゲームだからこそできる超人的体術を披露しまくっているのに、どれもキムタクが実写でやっているかのような錯覚を受けた。
俳優をモデルにしたゲームでこの感覚を味わったのは初めてだった。
これはギャグシーンでも変わらない。
部活動でラジコンくさいUFOを全速力で追っかけていてもカッコいい。
女子ダンス部の顧問になりデモンストレーションしてキャーキャー言われても、そらお前本職だからカッコいいに決まっている。
なんなら廊下を走って女子高生にタックルしてもカッコいい。
キムタクでそういうことをする背徳感を20時間くらい楽しんでいた気がするけど、それでもスター性を感じることができた。
しかし彼の輝きを最も実感できるのは、やはりシリアスな場面である。
本作の犯人、光石研の演じる「江原明弘」の殺害動機は、イジメにより自殺した息子の復讐だ。
息子を追い込みながら無罪放免となったイジメっ子が教育実習生になる。
そんな不条理があってたまるか。それが理由だった。
正直、警察官でありながら罪を犯すのもわかる内容である。
物語で明かされる息子が受けたイジメも、それくらい胸糞悪い光景だ。
物語は殺人を否認する江原に対し、どのように自白させるかを中心に進められていく。
その中で描かれるイジメの実態、そして裏で動く半グレどもの姿は直視するのも困難な醜さを帯びていた。
結末も制作陣が怒鳴り合いで決めただけあって、賛否の分かれる難しいシーンになっている。
だが、このような問いだからこそ、キムタクが輝く。
彼がイジメっ子に教えたケジメの付け方。
江原の動機を理解しながら、それでも罪を認めさせようと走る姿。
並の俳優だったら安っぽく見えるシーンでも、キムタクの言葉なら刺さる。
お前らの復讐心もよくわかる。
だがその歪んだ正義のせいで犠牲になる者の存在を考えたことがあるのか。
この叫びと共に裁く姿は、木村拓哉でなければならない。
そう思える光があった。
そしてコロナワクチン2回目の副反応に苦しみながら12時間ブッ続けてプレイし、結末を見た私は実感したのだ。
キムタク、カッコいいと。
『LOST JUDGMENT』はYouTubeのプレイ動画でも楽しめる傑作である。
スマホ構えて中途半端な変顔で自撮りする姿なども出ているから、酒でも飲みながら見るのに丁度いいだろう。
しかし本作の真の魅力を実感できるのはやはり、プレイすることなのだ。
自らの手によって動き、戦い、迷い、答えをだす。
ゲーム最大の魅力は、この主体性にある。
それを実感するのにキムタクは最高の主人公だ。
癖の強い高校生を導き、法で救えなかった者にも光を与える。
この姿は、数あるゲームの中でも屈指のクオリティだと自信を持って断言できる。
そして、プレイヤーは実感するだろう。
なぜ木村拓哉が、時代に名を刻む伝説となったのかを。
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