褒め言葉の呪縛
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:古山有則(ライティング・ゼミ10月コース)
「絶対に嘘でしょ!」
周りの人から褒められたときに、私がいつも感じていたことです。
褒められると、心がモヤモヤして気持ち悪くなりました。
その理由は、相手が本心で自分のことを褒めていないと思ったからです。
褒められると、おだてられているような気持ちになっていました。
一方で、友人が褒められているときに、
「ありがとうございます!」
と、笑顔で言っていました。
それを聞いて私は正直なところ心の中で
「単純すぎじゃない?」
と思ってしまいました。
もちろん私も、最初からそう思っていたわけではありません。
素直に、褒め言葉を受け取ることができる人になりたくて努力したこともあります。
褒められたときに、勇気を出して
「ありがとうございます!」
と、笑顔で伝えたこともありました。
すると、そのあとどうなったでしょうか。
職場の上司に、
「これもお願いできる?」と言われたのです。
結局のところ、自分に仕事をお願いしたいから、褒めたわけです。
褒め言葉の後には、必ず自分が何かをしなければいけないお願いがあるのではないかと思い、褒め言葉の後に注意をしてみると、私からのリターンを求めていたことが多かったのです。
「ほら、やっぱり嘘じゃん」
これは、純粋な気持ちで褒められているわけではありません。
相手からすると、自分のやってほしいことをお願いするために、褒めているわけです。
このようなことが積み重なっていくと、私は褒められるのを嫌いになり、警戒するようになりました。
優しい顔をして近づいてきて、結局、私を利用しようとしている……。
コミュニケーションは、恐ろしいものなのだと思いました。
疑心暗鬼になっているとき、仲の良い友人に愚痴を話していると、こんなことを言われました。
「なんで、そんなに人を信じていないの?」
この言葉を聞いたとき、どういう意味かわかりませんでした。
一瞬、時間が止まった感覚さえあったくらいです。
思わず、
「信じているし!」
と言いましたが、心の中がザワザワしました。
電話を切り、今思っていることをノートに書き出してみると、自分自身が上司のことをまったく信用していないことがわかりました。
その気づきだけではなく、友人に対してもこんな疑問を持ちました。
「なぜ私は友人に対して、上司の愚痴を言うことができているんだろうか?」
それは、友人は私がどんなことを言っても受け止めてくれると思っていたからです。
両者の違いは、信じているか信じていないかの、前提が違いました。
友人に対して「私がどんなことを言っても大丈夫」と思っているので、なんでも伝えることができました。
一方で、上司は「きっと私のことを嫌っている」と思っているので、要件のみしか伝えませんでした。
上司が実際に私のことをどのように思っていたかはまったくわかりません。
確かめたこともありません。
なのに、嫌われていると思っているので、上司には興味を持ちませんでしたし、自分のプライベートのことをなるべく言わないようにしていました。
友人との電話をきっかけに、相手に対して自分がどのように思っているか、前提が違うだけで、ここまで考え方や捉え方が変わるということに気づきました。
今までの私は、周りの人のことを「敵」だと思っていました。
敵だと思っていると、上司に注意されたら
「私はだめなんだな」
「価値がないんだな」
と思ってしまっていたんです。
敵という前提ではなく、味方という前提で考えてみると、上司に注意されても
「私のために言ってくれているんだな」
「期待してくれているのかもしれない」
と思うことができるのです。
「上司に注意される」ことは同じなのに、自分がどのような前提で、相手のことを見ているのかによって、自分の受け取り方が変わるのです。
それから私は、前提を「関わる人はみんな味方」だと思ってみました。
すると、SNSに誹謗中傷のメッセージが届いても、
「これは、きっと謙虚になった方がいい合図なんだな」
「この表現は気をつけた方がいいってことなんだな」
と前向きに考えられるようになりました。
誹謗中傷されても、ダメージを受けずに、前向きに考えることができるようになったのです。
前提を変えてから、急に周りの人に褒められたとき、自然と
「おかげさまです!」
と言えました。
「ありがとうございます」と伝えるのには違和感がありますが、「おかげさまです」ということで、関わっている人に感謝を伝えることができます。
前提を変えたところ、日常に感謝することが増えました。
感謝を普段からたくさん受け取っているので、自然と「おかげさま」という言葉が出てきたんだと思います。
褒められることは、本当はものすごく嬉しいことなんだと気づくことができました。
***
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