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私の奥様は、取扱い注意?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ともぞう(ライティング・ライブ福岡会場)
 
 
「奥様は、取扱い注意」
ドラマで映画化もされたタイトルで知っている方も多いと思う。
綾瀬はるかが演じる主人公が、ごく普通の幸せに憧れ、ごく普通の結婚をする。
しかし、すぐに飽きてしまう。なぜなら……実は奥様は、元特殊工作員だった、
というストーリー。
 
このドラマを観ながら、ふと、思った。
「あっ、うちの奥様も取扱い注意じゃね」と。
 
そうなのだ。実は、私の奥様は‥‥‥元特殊工作員でもなければ、訳アリの過去を持っているということはもちろんなく、ごく普通の女性であり、私の最愛の人だ。
 
ごく普通と言っても、仕事に家事、子育て、さらには地域のお世話役など、いくつもの役を難なくこなしている。私から見れば普通ではなく、スーパーウーマンだ。
 
では、なぜ取扱い注意なのか?
実は、気にいらないことがあると、すぐお怒りになるのだ。家の中には、怒りの地雷が至るところにある危険地帯なのだ。
 
たとえば、わが家では「今日の夜ごはんは、なに?」のフレーズが地雷である。
言った瞬間に、「うるさい! 腹立つわー」と爆破が起きる。よく、うちの子供が踏んで、吹っ飛ばされている。
 
なぜ、このフレーズが地雷なのか? 正直、最初は意味が分からなかった。
「なんで、怒らなあかんと?」と私は聞いた。だが、この質問も地雷だ。
 
「もし答えて、好きじゃない料理だったら、『えー』とか言ってイヤな顔をするやろう。あれがめっちゃムカつくんよー」と大爆発。
私も一瞬で吹っ飛ばされた。
 
「いや、まだ何の料理かも教えてもらってないし、イヤな顔もしていないのに、なんで怒られなあかんの?」とは、口が裂けても言ってはいけない。
 
プレゼントに関しても、奥様は、取扱い注意だ。
 
それは、母の日のことだった。
ちょうど、数日前から電子レンジのスタートボタンの反応が悪くなっていた。
子供と相談し、母の日に新しい電子レンジをプレゼントすることに決めた。
 
そして当日、子供と電子レンジの箱を抱えて、奥様の元へ。
「じゃんじゃじゃーん、母の日のプレゼント。いつもありがとう♪」
子供と声を合わせて言って渡した。
 
「はぁ、何これ? 誰が欲しい言うた。まだ使えるし、捨てるん面倒なんやけどー」
そしてトドメとばかりに、「今のままで十分や。要らんし!」と冷たく言い放った。
2人は絶望した顔を互いに見合いながら、爆破で意識が遠のくぐらいふっ飛ばされた。
 
これ以外にも、今まで奥様にプレゼントをして、地雷を踏んでしまったことは数知れない。意識を取り戻した私は、「奥様にはもう二度とプレゼントはするもんか!」 と、心の中で誓った。
 
それから、しばらく経ったある日のこと。知人が地元の百貨店で、雑貨を期間限定販売しているので、見に来てほしいと連絡があった。早速、行ってみると、イタリア・ミラノを拠点に活躍している日本人デザイナーが作ったという商品が並んでいた。
 
食器類が中心で、デザインセンスがない私でも「わぁ、いいな~」と思ってしまうほど、魅力的な商品がたくさんあった。その中に、色とりどりのお弁当箱を見つけた。今まで見たことのないデザインばかりだった。
 
鮮やかな紫色が特徴のお弁当箱が目に入った。
と、その瞬間、奥様にプレゼントしたい、と思ってしまった。しかしすぐさま、これが地雷だったら……とも思った。しばらくそのお弁当箱を手に取りながら考えた。
 
奥様は、毎日会社にお弁当を持って行っている。普段、使っているお弁当箱がお気に入りという感じではない。今、手にしているこれは、奥様に合うような気がする。しかも、奥様は紫色が大好きなのだ。
 
私は決意した。
知人に「これ下さい!」と、まるで「付き合ってください!」というぐらいの気持ちでドキドキしながら、手にしていた弁当箱を渡した。
 
知人は「奥様は絶対喜びますよ」と、言ってくれた。でも、私はその言葉を100%信じることができなかった。これまでプレゼントが地雷になり、喜ぶどころか、怒りを買ってしまうことが何度あったことか。
 
「これを喜んでくれなかったら、今度こそ死ぬまで絶対に、奥様にプレゼントなんかするもんか。でも今度こそ喜んでくれるのでは……」
そんな不安と期待を持ちながら、家路に向かった。
 
帰宅すると奥様がくつろいでいた。
「はいこれ。プレゼント!」
「なにこれ? なんか今日あったっけ」
「いや別に、なんもないけど。いい感じのものがあったんで、どうかと思って買ってきた」
 
奥様は怪訝そうに包装紙を剥がし、箱を開け中身をのぞいた。
「なにこれ~~~、 めっちゃいいやん。あなたにしてはセンスあるやん♪ どうした?」
奥様の顔が満面の笑顔になった。箱からお弁当箱を出すと、スマホで写真を撮りだした。
 
おめでとう! 私の心の中で、天使がラッパを吹きながら、そう祝福してくれた。奥様にプレゼントを渡して、こんなに喜ぶ夫はいないだろう、というぐらい嬉しかった。
 
翌日から、奥様のお弁当箱は新しくなった。そして1年が過ぎた今でも使ってくれている。
 
その後も、何度か奥様にはプレゼントを渡している。天使がラッパを吹くことがあれば、地雷だったりもする。
 
はたして、奥様は、取扱い注意、なのかだろうか?
 
もしかしたら、地雷を踏むのは、私の自己満足で奥様に接している時なのかもしれない。
こんなに長く一緒にいるのに、奥様のことを全然、理解していないからかもしれない。
もっと理解していれば、地雷を踏む数は減り、天使のラッパが増えるのではないか?
 
決して、奥様は取扱い注意、なんかじゃなく、奥様から言わせると、旦那様は何もわかっちゃいない、なんだろう。
 
「面白くなってきたじゃない。やってやるうじゃないの!」
急に、天海祐希がドラマの緊急取調室で言ってた決め台詞が、なぜか私の中から出てきた。
もっと奥様を理解したい、しようと思った。
 
結婚生活が20年を過ぎて、ようやく気づいたことがある。
それは、「奥様を笑顔にするのが旦那様の役目であり、奥様の笑顔が、旦那様にとって一番の幸せ」ということだ。
 
子供が結婚する時に、そう言ってやろう。カッコいい、父親じゃないか。
ただその時に、天使のラッパが祝福してくれるのか、それとも地雷が爆破するのか。
さあ、どっちだ。
それは、今後の私次第である。
 
 
 
 
***
 
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2021-12-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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