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時代劇を見ると‘こんなこと’が学べる

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記事:後藤 修(ライティング・ゼミ 集中コース)
 
 
「タ・タタタ・タ・タタタ・タ・タタタ・タタタ・タタタ・ター・タタッター」
 
テレビの方から迫ってくるような低い音が聞こえてくる。
これはなんの音? このずんずんと大きくなってくる音は? 一体……?
 
この曲は‘時代劇の定番’水戸黄門のオープニングだ。
国民的に知られているこの時代劇。江戸時代を舞台に、悪人を助さん、角さんを引き連れた黄門さが懲らしめる勧善懲悪のストーリーだ。
見どころは何と言ってもドラマが終わる数分前。
「この印籠が目に入らぬか‼」の場面で視聴率が軒並みアップし、見た人の心をスカッとさせるこのドラマ。
時代劇を知らない方でも、このフレーズを聞いたことがある人は多いのではないだろうか?
 
さて、突然こんな話をしてしまうこの僕は大の時代劇ファンである。
時代劇の最も代表的番組である大河ドラマ、また、NHKで放送される
1クール放映される時代劇を欠かさず観てしまう。
 
また、(時代劇の番組はあるか?)と食い入るように新聞のテレビ番組欄を見てしまうこの僕。
完全に時代劇の魅力にはまってしまっている中年の男だ。
 
さて、僕が時代劇にどっぷりつかったのは中学生の時だった。
その時、今でも大河史上平均視聴率最高記録を保持している大河ドラマ‘独眼竜政宗’が
放映されていた。その‘黄金な時代劇’が僕を虜にした。
 
独眼竜政宗を演じる役者、渡辺謙が相手を圧倒するように演じる姿や、
映画‘座頭市’で出演していた、勝新太郎の相手を吞み込むような野生動物を彷彿させる演技に
食い入るように見続けていた。
 
1話、1話を見終わると、「早く来週が来ないかな」と心を躍らせていた。
 
そして、今見たばかりなのに録画したビデオを繰り返し繰り返しテープが擦り切れる
くらいに見ていた日も多かった。
 
時代劇の見どころと言えば、まず殺陣(たて)が挙げられよう。
いわゆる武士と武士が剣を突き合わせて、戦いを繰り広げる。
 
お互いの顔を「これでもか!」と近づけて、相手をにらみながら
相手を倒していく。そのシーンには男として命を懸けて戦う覚悟が感じられて、
男のカッコよさにも魅了されてしまうのだ。
 
ここで、こんな風に思った人はいないだろうか?
こんなシーンを繰り広げる俳優なんて怖い人ばかりじゃない? テレビを消したくならない?
 
いやいや、それは大きな大きな間違いである。
 
以前、僕は京都にある東映太秦映画村に行った。ここは時代劇のセットがたくさん
あり、敷地には江戸時代の街並みが並んでいる。
 
現地に着くとある風景に身を見張った。
 
それは江戸時代にあった宿場町のような建物が整然と並んでいた場所だった。
 
そこに大きな酒屋のような店の前で侍3人がいた。
(何をしているのか?)とさらに見ると、侍に扮する俳優3人がちびっ子たち20人ぐらいに
剣の使い方をおしえていたのだ。要するに、殺陣の入門講座を開いていたのである。
 
彼らの眼差しはとても優しく、子供たちが「えい、えい」と剣を振っている様子を
‘お兄さん’のように見守っていたのである。
 
だから、出演している俳優は怖く見える人はいるけど、人間として魅力的な
人がほとんどなのだ。そこのところはご心配なく。
 
 
そして、僕が年齢を重ねるにつれて、最近、時代劇を見るとあることを感じ始めた。
 
それは時代劇とは小学校の道徳の授業のようなものではないかということだ。
 
時代劇は様々なストーリーがある。例えば、悪人からしか金目の物を盗まない
‘正義’の盗人が江戸を駆け回るとか、江戸で知らないものはいない医者が‘名探偵コナン’みたいに謎解きをするという‘庶民が中心となってでてくる’時代劇がある。そんな展開の時に、必ずといっていいほど、ほっこりするシーンが流れる。
 
それは、町人や武士、江戸の大工など、江戸で住んで働いている人達が
クライマックスが終わった後ごろに、みんなで集まって、何かを
食べたり、笑ったりしているようなシーンがあるのだ。
 
それは子供たちが大人の町人や武士たちに頭をなでられたり、みなしごのような子供にも
大人たちが何かを食べさせたりするようなシーンのものもある。
 
それを見ると、日本の心のような、‘身分とか年齢とか無関係にお互いに思いやりながら
みんな仲良く暮らしていこうね‘という姿が見られて、とても美しいなと感じるのだ。
 
それは僕が小さかった頃に、家の外を歩いていると、「あー、元気?」と
家族でもない近所の人に可愛がられたりした頃も思い出させてくれる。
 
 
このように考えると、どんな時代でも人の営みの中で人は温かさを覚えて、優しくなり
成長していく大人になっていくのではないかと思う。
 
そして、この風景は東日本大震災が起こった時に、長蛇の列が起きても割り込みなどすること
なく、配給物をもらう日本人の律儀で真摯な姿に重なるところがあるような気がしている。
 
こんな想像ができるのも時代劇の魅力の一つではないだろうかと感じているのだ。
 
今の時代は、スマホやパソコンが盛りのIT時代ではある。
が、どんなに文化が進んでも、どんなに機械化が進み生活が便利になっても
様々な人と分け隔てなく直に触れ合うからこそ、人は思いやる気持ちを作り続けて
っことができるのもではないのか? そういうものではないか? と思う。
 
 
ところで、この年末年始にかけて、‘時代劇ウイーク’と言っていいほど
放映数がアップする。
 
‘時代劇なんて古くさい’とか‘時代劇なんて年寄がみるものでしょ’
多くの人は言うかもしれない。
 
けれども、一度ご覧になっていただくことをお勧めしたい。
 
もし見たならば、‘日本の温かさと思いやりの原点’はここにあるんだと思えるのでは
ないだろうか?
 
もしそう思えたなら、あなたはどんな人でも優しく接することができる
人を愛す心をまたひとつ大きく出来るのではないだろうか?
 
 
 
 
***
 
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2021-12-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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