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実家で埋蔵金を発掘した話


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:日下秀之(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
先日実家に帰った結果、10万円の利益を得た。
それも毎年10万円だ。しかも利益を得るための労力はほぼ0。
 
しかも妻の実家でもほぼ同じことが起こった。
 
しめて 毎年20万円。
我々のような一般庶民にとっては非常に大きな金額だ。
 
しかも、これは我々の家だけの話ではない。
高確率で、あなたの実家にも埋蔵金は眠っている。
 
さて、ここ数年節約に関する情報がずいぶん増えたなあ、と思う。
老後2000万円問題が騒がれ始めたからだろうか、Youtubeでもお金の授業をする人が増え、情報を入手するのがずいぶん容易になった。
 
携帯料金は談合かのように大手3社が足並みを揃えたプランを提示するのが通例だったが、新進気鋭の格安スマホ会社が参入し、戦国時代が勃発。
 
その結果、ついに大手すらも格安プランを発表し、標準価格が破壊されてしまった。
世はまさに大値下げ時代。ONEPIECEの主題歌が聞こえる。
 
ふるさと納税もすっかり有名になった。
ざっくり言うと、住民税を好きな自治体に一括で事前に納めれば、お礼として各自治体の名産品がたっぷりもらえる制度だ。
細かいことを言うと正確には節約ではなく住民税の前払いだが、明らかに手数料分以上の返礼品が届くので実質節約だ。
初めてやるときは少し面倒だが、一度調べてやってしまえば翌年以降迷うことはまずない。
 
デメリットは、タイミングを意識しないと一度に怒涛の量の返礼品(だいたい冷凍)が届くくらい。
牛肉1.5kgと鰹のたたき1kgのコンボ攻撃を喰らうと冷凍庫は一瞬で溢れかえり死ぬ。
年末に駆け込み納税し、お年玉代わりの高級食材の消化に追われる家庭が後を絶たない。
 
電気代も電力自由化により、様々な業種の企業の参入が許可された。
その結果ネットで申し込むだけで、電気代がいとも簡単に安くなってしまう。
 
制度的な問題なども議論はされてはいるが、それは偉い人が考えてくれるので我々は甘い汁だけ吸うことにしている。ちゅうちゅう。
 
これを読んでいる人でも、これらの恩恵に預かっている人は多いはずだ。
 
自分たちも携帯料金を半額以下にできたし、毎年ふるさと納税で届いた高級食材で順調に肥えている。電気代も安くなった。
 
が、そんな世間の波に乗り切れず、チャンスを逃し続けている人たちがいた。
 
 
それが、うちの実家だった。
そして妻の実家も。
 
 
格安スマホが「携帯界の黒船襲来」と騒がれていたその時、ゴリゴリに鎖国していた。
ふるさと納税は自分の出身地(ふるさと)に恩返しで納税するものだと思っていた。
電力自由化はおそらく存在も知らなかった。
 
……というわけで、年末の帰省で携帯料金プランをシミュレーションし、契約し、かけ込みふるさと納税した。乾き物も頼んだので冷凍庫事情も安心だ。電力会社は変え忘れたので今からやる。
 
2世代で約20万円はかなりの達成感だったが、同時に「僕達じゃないと無理だな」と思った。
 
改めて見ると、携帯料金にせよ、ふるさと納税にせよ、電気料金にせよ、同じようなWebサイトが乱立し、何が違うのかさっぱりわからない。
 
詳しくない人であれば最初の数クリックで挫折する可能性が高い。
 
実際父からは「携帯料金が安くなるらしいから自分も変えたい」と相談をもらってはいたのだが、父の目線になるとこれを自分でやり通すのは困難だな、と感じた。
 
会社によってはわざとやってんのか? というくらい複雑怪奇な文言を記載し、重要なことを親世代には見えないほど小さな文字で記載し、最適なプランへの道を通せんぼしてくるのだ。
 
ある程度のITリテラシーがある人であれば、誰でもこれら3つの節約は簡単にできるが、逆にいえば一定のリテラシーがないと全く太刀打ちできない。
 
現実問題、60歳を越えてこうした情報を活用できる人は多くないと思う。
 
情報弱者という言葉が一時期ネットで流行った。
若い世代が、自分より上の世代やITリテラシーが高くない人を揶揄する言葉だ。
嫌な響きだ。
自分とそうじゃない側に世界を分断し、自分と違うものを切り捨て、見下す言葉だ。
 
ただ、自分自身最近考え方が変わってきた。
情報弱者という人は、おそらく今現実に存在している。
 
だからこそ、自分が弱者でないと言うならば、あなたは「強者」として貢献する必要があるのだと思う。
 
資本主義のこの世界では企業の使命は売り上げの最大化。
いい悪いではなく、何も知らない人間には高値なプランを売りつけてくるのが世の常だ。
 
当然高値な分サポートが手厚いなど、それ相応の付加価値はついてくる。
しかし、その付加価値をユーザ自身が十分に活用出来ていることは多くない。
 
そんな世知辛いこの世界。
情報弱者の肉親に対して、なんの損得勘定もなく、ニーズを正しく把握し、適切な提案をでき、なおかつITリテラシーを持った、そんな人が必要なのだ。
 
それは誰か。
もうお分かりだろう。あなただ。
君はヒーローになれるのだ。
 
実家の収益を年間数万円改善させても、自分の懐事情は変わらない、と思う人もいるかもしれない。
けれど、育ててくれた両親にその金額と、時間をプレゼントできるとしたらどうだろう。
 
上の世代に共通する感覚として「節約は時間をかけて、ちょっとずつやるもの」がある。
従来の節約だけでこの金額を稼ごうと思ったら冗談ではなく100時間くらいは平気でかかる。
 
今回の節約ネタの圧倒的な利点は「時間がかからない」ことだ。
時間とお金を加味すれば、実質年に一度の旅行くらいはプレゼントできている計算になるのではないか。
 
さあ、あなたも実感の埋蔵金を発掘して、両親にプレゼントを贈ろう!
 
 
 
 
***
 
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2022-01-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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