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私が推しのコンビニを見つけた理由


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記事:吉原みみ(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
『情けは人の為ならず』……近年この言葉の意味を取り違えている人が増えているらしい。
本来この言葉は『情けは人の為にならない』と言う意味ではなく、『人に情けをかければ、巡り巡ってその情けが自分に返ってくる』という意味である。
人と人との交流が少なくなり、増してコロナ禍という状況からさらに接触を制限されている今のこのご時世では、なかなかこの言葉の意味を体験することも難しくなってきているように思う。
 
しかし、この年始に私はコンビニという身近な店を媒体にして、この言葉通りの意味を最速で体験した。
そうして、私に推しのコンビニができたのである。
 
大晦日から元旦にかけて、某コンビニが牛乳のコロナ禍による消費の低迷を受けて、ホットミルクを定価の半額で売り出した。
私はその広告をLINEで見て知っていたし、また、広告を見た主人からも、
「今だけホットミルクが半額なんだって」
という話をされていた。
とはいえ、私は今までコンビニでホットミルクを注文したことはない。
話を振ってきた主人もそうだ。
半額という言葉は、消費者の購買意欲を強く刺激するパワーワードだ。
主人も私も普段購入することのない、意識していない商品であるホットミルクが半額であるからこそこうして話題に上がったのである。
 
この広告を覚えていた私達は雪の降る中を外出した際、ついでにコンビニへと赴きホットミルクを購入した。
その理由は、ホットミルクが定価の半額で売られていていつもよりお得だったから。
そして今回の半額キャンペーンの背後で、ホットミルクを購入することが少なからず消費低迷に苦しむ酪農家の応援をすることになると感じたからだ。
たった一杯のホットミルクに、付加価値がついたのである。
こうして私はホットミルクを購入したことで、半額で買えるというお得感を味わい、社会貢献を行った自分という自己肯定感をその場で得ることができた。
 
さて、この場合『情け』をかけられたのは誰だろうか。
牛乳を生産している酪農家か。
半額で商品を提供したコンビニか。
半額で商品が購入できて、冷たい手をひととき暖めることができた私達か。
 
我が家の冷蔵庫にはカフェラテが大好きな私のために常に牛乳がストックされていて、切らしたことはほぼない。
今回の広告を見て、
『コロナ禍で牛乳の消費が落ち込んでいるという事実』
を知った私は、これから先も大好きな牛乳を生産してもらうために牛乳を購入しようとは思う。
けれど、1人でできる消費活動には限界がある。
せいぜいいつもより1日の飲む量を増やして、購入する量が1パック増えるくらいだろう。
だが、コンビニがこうした活動を行ってくれれば、そこに賛同して簡単に一緒に貢献することが出来る。
 
また、私は今回半額キャンペーンを行なったコンビニに対して、他社に比べて少しばかり好感を持った。
これは次回コンビニを利用する際に、どうせならこっちのコンビニにしよう、という判断材料になる。
これは私が、『小さな金額で手軽に社会貢献をすることができた』という満足感をホットミルク一杯という安価な消費によってコンビニから購入できたからだ。
 
一方、コンビニは2日間だけのキャンペーンではあったが、社会貢献をした企業として賞賛され、また雪とコロナで人の動きが悪く例年より客も少なかったであろう大晦日と元旦に目玉商品である半額のホットミルクを導入したことで上手く客を掴んだのである。
こう言うと皮肉っぽく聞こえてしまうけれど、私達はまんまと『半額』と言う言葉に乗せられて店頭に赴き、ついでにそれ以外の商品も合わせて購入した。
つまるところ、私は予定外に金銭を消費したけれども、
『何かしら人の役に立てた』
と言う満足感から心は温まり、自己肯定感と多幸感を得て何の不満もなく雪の中を帰宅したのだ。
 
つまり、今回のことで巡り巡った恩恵が1番大きく返ってくるのは、半額キャンペーンを行なったコンビニだと言えるだろう。
 
商品に付加価値をつけることで他社と格差をつけることは、消費者に対して訴えかける何よりわかりやすい手段だ。
どうせ買うなら、どうせ利用するなら、少しでも得をしたいのが人間である。
しかもそれが、安価に手軽に購入できて、かつ誰かの為になるのなら、誰だって簡単に手が伸びるだろう。
 
『やらない善よりやる偽善』
とは、私が大好きな某漫画から感銘を受けたセリフであるが、今回のこの半額キャンペーンはこの言葉に沿っていると思う。
きっと皮肉めいたこの文章を書きつつも、同じようなキャンペーンがあれば私はまたその店に進んで足を運んで商品を購入するし、どうせなら推しのコンビニを利用するし、今日も牛乳を飲むのである。
 
 
 
 
***
 
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2022-01-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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