メディアグランプリ

人生で大切なことを愛犬から学んだ話


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記事:yajima(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
「明日からまた仕事か……」
 
喧嘩もするが、なんだかんだ大好きな夫と、好きなところに出かけて、
美味しいものを食べ、思い切り満喫した休日の夕方。
楽しかった日はまだ終わっていないはず。
それなのに、頭の中はすでに翌日からの仕事のことでいっぱい。
先週言われた嫌味まで思い出し、どんどん憂鬱な気持ちになっていく。
 
仕事が始まってしまえば、毎日を何とかやり過ごし、時には楽しい時間もある。
それなのに、始まるまでが、どうしようもなく気持ちが重い。
 
 
そんな話を、同意が欲しくて、犬友達でもある会社の先輩に話したところ、思わぬ言葉が返ってきた。
「もっとさ、犬を見習ったらいいんじゃない」
えっ、い、犬……。先輩は突然、何を言っているんだろう。
 
先輩が飼っているのはパグで、いつも他の犬にいたずらされてもなんの反応もしないが、ことおやつとなると、人、いや犬が変わったように、吠えてジャンプして欲しいとアピールする。そんな姿がまた可愛い。
私が飼っているのは柴犬で、やっぱりおやつに目がなく、特にチーズとなると、頭を撫でられようと(プライドが高いので普段は首しか撫でさせてくれない)大嫌いなブラシを使おうと、一切気づかず、チーズだけを見つめている。
雪の日の散歩は大好きだが、基本的に散歩はあまり好きじゃない。散歩の途中で、歩きたくなくなれば、しゃがみこんでそこから一歩も動かなくなる。それなのに、「帰るよ」と言われれば、彼はすぐに立ち上がり、すごいスピードで自宅へと帰っていく。
 
私たちの愛犬は、本当に感情豊かで、時に中に人が入っているのではと疑いたくなるほど、人間の言葉を理解し、自分の意にそぐわないといじけて見たり、全身で喜んだり、自分の気持ちに正直に生きている。そこが愛らしい。
だから、先輩と会えば、その日にあった愛犬の出来事や、写真を見せ合い、ずっと話をしていられるくらいに大好きなのだ。
 
だけど、私の悩みとそんな愛犬に、どんな関係が……。
 
先輩の真意を確かめるべく、何も言わずに次の言葉を待ってみると、その理由は、こういうことだった。
「だってさ、休みの時に明日からの仕事の嫌なこと考えたり、前にあった嫌なことを思い出したりしてるって、今を生きずに、過去や未来を生きてるってことだよね。」
うーん、確かに。過去のことを悩み、嫌だった気持ちを思い出し、また味わう。
未来にまだやってもいないはずの、仕事のことを考え、勝手に心配になる。
心は「今」ではなく「未来」や「過去」に飛んでしまっている。
人は「今」しか生きていない、生きられないと思っていたが、身体は今でも、心が過去や未来に飛んでいってしまっていることに私はやっと気がついた。
 
先輩はさらに言葉を続けた。
「犬を見てるとさ、今しかないよね。今おやつが食べたい、今遊んでほしい。
怒られて、しゅんとしたり、学習したりすることはあっても、過去や未来を思い出してクヨクヨしたり、心配したり、そんなことしないよね。常に、今を全力で生きている。
人間だって、今を生きれば、もっと楽しく、気楽に生きられるんじゃないかな」
 
先輩のいうことはもっともだ。今の自分の気持ちを大切に、過去でも未来でもなく今を生きる犬。おやつが欲しいときは、全力でおねだりし、全力で見つめ、もらった時は大喜び。
未来を心配して、憂鬱になったり、おやつを食べなくなったりしているようには見えない。
会話ができない彼らの本当の気持ちはわからないけど、人間から見ると、今だけを全力で生きているように見える。
嬉しい、欲しいなど、今の気持ちを全力で表し、嫌なものには、嫌と態度で示し、(これは言葉を話せる、大人の人間には推奨はしない)ただただ従うだけでもない。
 
今、この時の選択が未来を作るし、今の積み重ねが未来を作る。そう考えたら、絶対に今この瞬間をどれだけ幸せに生きられるか、どれだけ楽しく生きられるかを考えて、自分の好きと嫌いを明確にして、自分が幸せに生きられる時間を積み重ねていけば、未来も幸せで楽しい時間なのではないかと思う。
 
私は、過去に悩むのをやめ、未来を心配するのをやめ、今を幸せに積み重ねていくことの大切さを、愛犬から学んだ。私が、過去や未来を考えてしまうのは、すべて、自分を幸せにしたいと願っているからだ。悩みそのものに捕まってしまった時は、愛犬におやつでもあげながら、今を幸せに生きることを思い出そうと思う。
 
 
 
 
***
 
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2022-01-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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