メディアグランプリ

人見知りの私が販売業で売場No2になれた一つのこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:長谷川知宏(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
「ありがとうございましたー!」
最後のお客様を見送った私は、今日のノルマを達成したことに安堵した。
 
売上目標達成にとても厳しい店長が私に向かって、こう言った。
「今月も店舗としての売上目標が達成できたよ。ありがとう!」
 
一緒に働いている仲間も、一緒になって目標達成を喜び合った。
とても充実した日々だった。
 
でも、こんな私でも全く売れなく途方に暮れていた時期があったのだ……。
 
私は約10年前に携帯電話販売(ガラパゴスケータイ、通称ガラケー)をしていた。人見知りの私は、あまり人と話すことが得意ではなく、本来は人前に出ない裏方の仕事を希望していた。そんな私が当時携帯電話販売台数日本一を誇っていた売り場で携帯販売をすることになった。
 
いざ、携帯販売がスタートすると、最初の1ヵ月は全く売れずにいた。そもそも、お客様に話しかけること自体苦手だったのだ。
 
1日のノルマは決まっていて、ノルマに達成しないと店長の「なぜ売れない?」攻撃が始まり、その日が憂鬱だった。携帯販売という仕事が嫌で嫌で仕方がなかった。
 
そんなある日、全く売れずに悩んでいた私を救った「ある出来事」があった。
 
当時売り場には販売台数ナンバーワンの男性がいた。この方の経歴はユニークで、元ホストでNo1だったという人だ。この人はまるで息を吸うように携帯電話を売っていた。
 
ある日、あまりにも売れずにいた私を見かねた、販売台数ナンバーワンの男性に次のアドバイスをもらった。
「販売をするなら心理学の本を読むと良いよ」
 
「え、何でですか?」
 
「営業や販売業をする上で、人の心理を理解することは大切なんだ。人の心理を理解するには、心理学の勉強をするのがおすすめだよ」
 
「なるほど……」
 
早速、私はその日の帰り道に書店により、心理学の本を買って読んでみた。
 
その本には次のことが書かれていた。
「相手に要求を受け入れてもらうには、大きな要求を伝え、断られたら本来伝えたかった小さな要求を伝えるとよい。相手は断ることに罪悪感を抱き、要求を受け入れてもらいやすくなるからだ」
「相手に要求を受け入れてもらうには、最初に小さな要求を受け入れてもらい、だんだんと大きな要求につなげていくのがよい。こうすることで、要求の方向性が決まり、相手は断りにくくなるからだ」
 
こういった人間心理を理解することで売れるとわかった私は、早速明日からやってみようと決心した。
 
確かに少しだけ売れる様になった。でも、売れても2、3台だけだ。いや、そもそもお客様に要求を伝えるのが難しいのだ。
 
要求を伝えるのが大事だとは頭では分かっている。
でも、いざ要求を伝えようとすると、頭の中が真っ白になってしまい、思うように伝えることができなくなってしまう。
 
さらに、お客様が私の話を聞いていないのではないかと思うと、より緊張してしまい、頭から言葉が出て行ってしまう。
 
もう無理だ。私には販売業というハードルが高いことはそもそも無理だったのだ。
明日上司に販売業が向いていないと伝えよう。
 
そう考えた私は、ナンバーワンの方にもう辞めようと思っている旨を伝えた。
すると、彼は私にこう言った。
 
「そうか……。あなたはもっと売れる人だと思っていたんだけど……。ところであの本の最後のほうに書かれていた○○って試してみた?」
 
「え? いや、まだです……」
 
「じゃあ、試してからでも辞めるのは遅くなくない? やってみようよ!」
 
私が読んでいた心理学の本には、まだ読んでいない箇所があった。読んでいない箇所に書かれていたのが、「髪型を決めるときに『おでこ』を見せるとよい。それは相手に信頼感を与えるからだ」
 
「ええ! 本当かな……」
それを読んだ私はあまりにも唐突な内容に、頭の中は疑問だらけだった。
 
でも、どうせ辞めようと思っていた私だ。最後に試してからやめても遅くはない。
 
早速わたしは近くのコンビニでヘアワックスを買い、トイレでおでこが見えるように髪型を整えた。
 
すると、不思議なことにどんどん売れ始めた。 今まで話しかけることが苦手だったり、お客様の顔色をうかがっていた自分が、自信を持ってお客様に話しかけ、商品をすすめることができるようになった。この姿に自分自身が1番驚いた。しまいには、携帯電話販売台数日本一を誇る売り場でNo2になった。この人見知りの私がだ!
 
いったい誰が「おでこを見せる」ことが売上を上げる要因だと思うだろうか。
 
確かに営業や販売をするにあたり、心理学を学ぶことはとても有益だ。しかし、心理学を学んでも全く売れないこともあるだろう。たとえ売れなくても、諦めるのはいったん待ってほしい。
 
私が「おでこを見せる」ことがきっかけで売れるようになったのと同じように、もしかすると小さなことがきっかけで、急激に変わることがあるかもしれない。
 
それが何なのかは分からない。何がきっかけで変わるのかは人によって違うからだ。でも、小さなことから始めることで人生が変わるなら、まずは小さなことから始めてみよう。靴や服装、髪型といった、出来ることから始めてみよう。
 
小さな変化が、大きく人生を変えていく第一歩になるからだ。
 
 
 
 
***
 
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2022-01-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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