メディアグランプリ

あたらしい本棚に並べられた本が、わたしを、ライティング・ゼミへと導いてくれた


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:種村聡子(ライティング・ライブ名古屋会場)
 
 
わが家にはたくさんの本がある。本好きの夫は、本を買うことをためらわない。読みたい本を読みたいときに買う。夫ほどの読書量はないが、わたし自身も本が好きだ。大きな本屋に行くと、つい、読みたかった本をみつけてしまい、家へ連れて帰ってしまう。そんな私たち夫婦は、子どもにも読書の楽しさを知ってほしい、という思いから、赤ちゃんの時から絵本の定期購読を続けている。毎月2冊の絵本が届くようになって、9年が経とうとしている。すると、わが家のそれほど大きくない本棚には絵本が詰め込められ、読みたい本を探しにくくなるほど、本が増えてしまった。絵本ですら入りきらないので、大人の本は本棚に並べられることはなく、各自のクローゼットにしまい込まれるようになった。
 
もっと本を読みやすい環境にしたい、と思い立ち、去年の秋に部屋の模様替えをした。大きな本棚を購入したら、荷物やおもちゃや本であふれかえった部屋はすっきりと気持ちのよい空間になった。そして、いままではなかった、わたしの本を並べるスペースまで、確保することができた。
 
わたしの本棚になにを並べよう? わくわくした気持ちで、クローゼットから取り出した、とっておきの本を選んでいたら、あることに気がついた。この本たち、わたしが好きなものばかりをテーマにしているわ。
 
そんなことは当たり前だよ、だって興味のあることを扱っている本を選んでいるのは、自分自身なのだから、と思われるかもしれない。確かにそうなのだけど、しまい込まれたままの状態では気づけなかった。本棚に並んではじめて、わたしが好きだと思っていることが見えてきたのだ。
 
そのとき頭の中で興味のあること、調べたいこと、好きなこと、をもとに本屋で本を探す。あるいは、偶然見かけて、そうそう、わたし、この本が気になっていたのよね、と思い出す。購入した本は、頭の中に浮かんだいろいろな思い、そのものだなと思う。そして、本棚にその本を並べることで、その思いを視覚化できるのかもしれない。まるで、バラバラだったパズルのピースが合わさって、見たい景色が見えるように。
 
手に取った本、選んだ本、購入した本、借りた本など、自分が興味を持った本は、頭の中を見られているみたいで、すこし恥ずかしい。図書館の貸し出し履歴は、原則非公開となっていると聞いたことがある。そういえば、刑事ドラマなどで、犯人逮捕の糸口が図書館の貸し出し履歴だった、と言うのも見たことがある。あくまでもドラマの話だけれど、ひとが選ぶ本には、やはり頭の中で考えたことを具現化している、何かがあると思う。
 
「そういう本を読んでいそうだよね」とか、「そんな本読むの?」とか言われるのも、正直気恥ずかしい。他人がわたしに感じる印象は、かならずしもわたしが思う自分像と一緒ではないのだなと思い知らされる。本は、それほどまでにひとの内面をうつし、読むひとの印象を変えてしまうものなのだ。
 
並べられた本から、ようやく気づいたわたしが好きなことは「書くこと」だった。わたしの本棚にある文章術の本が、なんと多いこと。こんなに書きたいと思っているなんて、自分でも気づかなかった。いや、書きたいなと思っていたけれど、これほどまっすぐな気持ちで書きたいと思っていることに驚いたのだ。
 
誰が読んでくれるの? なにを書きたいの? 書いたらどうなるの? たくさんのハテナが後から後から浮かんでくるけれど、それは、いまは考えないことにした。せっかく気づいた自分の気持ちを、大切なものとして育てたい。ただ「書きたい」だけでいいじゃないか。
 
わたしはいま、限られたコミュニティーのなかで、すこしだけ発信することがある。そのときの経験では、書くことで頭の中が整理され、なんだかすっきりとして、思考と行動が軽くなった。そして、その思いを読んでくれたひとが、また、すこしだけ、気持ちが軽くなったと言ってくれた。自分の思いが誰かの心に届いて、それがなにかを変えることができるような、そんな文章を書きたい、思いを綴りたい。たとえそれが、ほんの些細な気持ちの変化であったとしても。
 
あたらしい本棚を前にして、わたしが悦に入っているとき、夫が今年の誕生日プレゼントはなにがいいかと聞いてきた。わたしは、「天狼院書店という本屋があって、そこのライティング・ゼミに興味があるから、その受講をプレゼントしてほしい」と伝えた。夫は一瞬、面食らったような顔をして、なにかを言いかけたけれど、「わかった」とだけ言って、受講できるように送り出してくれた。
 
いま、なにかをしたいけれど、したいことが見つからない、もしくは、自分の好きなことがわからない、と悩んでいる人がいたら、わたしは伝えたい。自分の本棚をみてごらん、あるいは図書館や本屋へ行って興味のある本を手に取ってごらん、そこで見つけた本たちは、あなたを導いてくれるなにかを持っているかもしれないよ。わたしが、夢への小さな一歩を踏み出す、きっかけを見つけられたような、なにかが待っているかもしれないよ、と。
 
 
 
 
***
 
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2022-03-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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