メディアグランプリ

31歳独身男性だってEテレの『シャキーン!』から学んだんだぜ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:村人F(ライティング・ライブ名古屋会場)
 
 
2022年3月。
31歳独身男性である私に久々の卒業が訪れた。
最後の卒業が大学院だったため、実に7年ぶりとなる。
それはEテレの朝番組、『シャキーン!』の最終回という形で訪れた。
 
そう、Eテレの番組だ。
これを数年間、毎朝欠かさず見ていたが終わってしまったのである。
だから3月の最終回で、私も卒業することになった。
 
「なんで大人が子ども向け番組を見ているんだ」なんて思ったかもしれない。
単純に、これが最適だったからだ。
世の中には朝のニュースで悲しい情報を得たくはないけれど、テレビは付けていたいというワガママな要求を持つ人がいる。
そんな方々が最終的に行き着くのがEテレなのだ。
だから大人が見てもおかしくはないのである。
 
また『シャキーン!』が面白い番組だったことも理由だ。
ラーメンズの片桐仁とエレキコミックのやついいちろうが出演している朝のお目覚め番組だが、ぶっ込んでくるネタが刺激的だったのである。
見るきっかけになったコーナーでは、林家ペー・パー子夫妻がピンク一色の部屋の中、奇声を発しながら狂喜乱舞していた。
あまりの映像の暴力具合に「これは見なければならない」と確信したことをよく覚えている。
これ以外にも、道路のひび割れを自分で破壊したように見せる写真を出す『ストリート・デストロイヤー』など、独創的な企画に溢れていた。
 
しかし14年続いたこの番組も、ついに終わってしまった。
まさか昨年『とくダネ!』を見ていた人に訪れたショックが、1年遅れで降りかかるとは思っていなかった。
4月からどのように生活プランを組み替えればよいか、未だに頭を抱えている。
 
だがこの区切りは、振り返りの機会でもある。
ここで改めて考えてみると、『シャキーン!』は本当によい教育番組だったなあと思う。
なぜなら独身男性の私ですら、いろんなことを教えて貰ったからである。
 
特に印象に残っているコーナーは『シャキーン! ミュージック』だ。
約2分のMVを流しているのだが、私の曲の購入履歴を見てみるとここから学んだアーティストが多いことに気がつく。
サニーデイ・サービスの曽我部恵一、ザ・なつやすみバンド、怒髪天。
いずれも、この番組で初めて知った方々だ。
新しい音楽に触れる機会が少なくなった今、これらの出会いはとても貴重だった。
そして大人ですらここまで影響を受けたのだから、感受性の高い小学生はより多くの刺激を受けたことだろう。
その意味で貴重な時間を提供してくれた番組だったのである。
 
そして、もう一つ学んだことがある。
「卒業の機会は、大人になっても訪れる」ということだ。
 
多くの大人にとって、卒業は過去の言葉だろう。
仕事を始めてからは定年までずっと続けることになるため、しばらく意識しなくなるからだ。
 
しかし、これは同時に区切りがなくなることを意味する。
代わり映えのしない毎日。
そんな日々が何年も続いていく。
このマンネリ感に陥ってしまう人も多いだろう。
 
だが『シャキーン!』の終了は、そうではないことを思い出させてくれた。
卒業は大人になっても、様々な場面で訪れるのである。
見ていた番組が終了したとき。
使っていたテレビが壊れたとき。
職場を辞めるとき。
このような生活の流れが変化する別れこそ、卒業なのだ。
そしてこれらは、大人になっても経験することなのだ。
 
こう捉えると、変化に対して明るいイメージを付加できる。
終わりであると同時に、新たなステージの始まりと言えるからだ。
つまり中学を卒業して高校に進学するように、ポジティブな区切りにできる。
 
それに、この機会は成長を確認する場にもなる。
『シャキーン!』には片桐さんとやついさんの他に、MCの「ここちゃん」と「はるか」がいた。
4代目に就任した当時は小学生だったけれど、2人とも今は中学生だ。
そして振り返ってみると本当に立派になった。
特にはるかは、歌がすごく上手くなった。
最初の頃は小学生らしい微笑ましい歌声だったのに、今ではKinKi Kidsの堂本剛が提供した曲をクールに仕上げるまでになっている。
これらを聴き比べたとき「めちゃくちゃ努力したんだなあ」と涙してしまった。
 
そして、同時に気付くのである。
私も成長していたのだと。
仕事も昔と比べて格段に動けるようになった。
趣味も増えてプライベートが充実するようになった。
このように振り返ることで自身の再発見ができ、新しい場面を頑張ろうと思えるのである。
 
これは、学生時代だけの特権ではない。
卒業は区切りをつけると覚悟すれば、何度でも生むことができる。
そして、その度に未知の世界に踏み込む活力になるのだ。
 
『シャキーン! ミュージック』の最後の楽曲名は『卒業』だった。
MVには4代目MCだけでなく歴代の全員が出演していたけれど、みんな立派になっていた。
14年間の重みを感じ、涙が出てきた。
 
しかし卒業と同時に、また始まるのである。
私も『シャキーン!』からいろんなことを学んだ。
これらを胸に、新しい生活も元気いっぱいに過ごしていきたい。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2022-03-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事