他愛もない会話から人生の教訓が得られた瞬間
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
記事：YUKO（ライティング・ゼミ2月コース）
「あーーーーーシアワセやーーーーー」と、
キムチをあてに晩酌を楽しんでいた時、
娘から「なんでそんな辛いもの好きなの？」と聞かれた。
「え？ 美味しいやん」と答えると、
「だから、なんで美味しいと思うの？ 辛いのに」とツッコミが入った。
子どもとは、抽象的な答えが嫌いな生き物である。
うーーーん。難しい問いである。
なんで美味しいと思うのか。
いつから好きになったのか…
すでにいい感じで酔っぱらい、
ふわふわとした脳から、答えは得られなかった。
確かに、他にも美味しいものはたくさんある中で、
舌や胃にも刺激を与える辛いものをなぜ好んでたべてしまうのだろう。
良い機会なので、娘と一緒に考えてみることにした。
娘にとって、キムチと同じような類似の事例がないものか。
娘が好きな嗜好品。
そうだ！
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのハリウッド・ドリーム・ザ・ライド （以下「ハリドリ」という
ジェットコースターはどうだろう。
「娘よ、なぜハリドリのような絶叫マシンが好きなのか？」と、私も聞いてみた。
すると娘から、驚くほどスラスラとハリドリの魅力が述べられた。
空を飛んでいるかのように快適な乗り心地、
音楽を聞きながら楽しめる機能性や爽快感など、
あらゆる観点からハリドリの良さが流暢に述べられた。
そして、最初は怖くてドキドキするけど、
乗車後は楽しくてシアワセな気持ちになる、というのだ。
我が子ながらに見事な回答だと称賛しつつ、
改めて、人間とは不思議な生き物だ。
辛いけど、美味しい
怖いけど、楽しい
実に、天の邪鬼だけど、面白いねと話をしつつ、
人生には多少なりとも刺激が必要なんじゃないかという話になった。
塩の入っていないスープがぼんやりとした味わいになるように、
キムチやジェットコースターは、人生の良いスパイスとなって、
単調な毎日に、味わいをもたらしてくれる力があるのではないか、
そんな話をあれやこれやしていると、すっかり酔いも覚めてきたので、
ネットでキーワード検索をしてみることになった。
「辛い なぜ美味しい」
「絶叫マシン なぜ楽しい」
と、検索。
すると驚きの結果を目にすることになる。
●「辛い なぜ美味しい」検索結果
辛い物を食べると脳内にアドレナリンというホルモンが分泌され、さまざまな機能を活性化させ、気分を高めてくれます。さらに「βーエンドルフィン」というホルモンの分泌によって、ストレスから解放されることが快感につながり、脳が「おいしい」と感じる。
●「絶叫マシン なぜ楽しい」検索結果
ジェットコースターに乗ると、脳を覚醒させ快感を誘発するドーパミンが脳内に放出され、
ドーパミンがドバーっと出る。次に興奮しすぎた脳を抑制してストレスをやわらげる
「βエンドルフィン」が分泌され、脳が覚醒とリラックスを繰り返し、次第にストレスが減り「楽しい」と感じる。
！！！！！！！！！！！！
なんと、どちらも脳内から「β-エンドルフィン」
というホルモンが分泌されることがわかった。
さらに、
βエンドルフィンは、別名「快楽ホルモン」と呼ばれ、
シアワセな気持ちをもたらし、やみつきにさせる働きがあるそうなのだ！
キムチを食べる。
ジェットコースターに乗る。
一見全く違う行為でも、私と娘が「シアワセだ~」と感じた理由は
同じ「快楽ホルモン」の仕業だったのだ。
キムチやジェットコースターは、
人生における素晴らしいスパイスなのだと確信した。
そして、ふと
「昔はママも、ジェットコースター好きだったな〜」とつぶやくと、
欲するスパイスは、年齢により変化していくんだろうね、
と、2人で笑った。
そんな娘がハリドリに乗れるようになったのは、今から3年前。
叔父が、エクスプレス・パスという
長い待ち列を、ギュッと短縮して優先的に乗車できるチケットを
購入してくれた事がきっかけだった。
それまでは、セサミストリートやスヌーピー、キティちゃんが集う
「ユニバーサル・ワンダーランド」という安全地帯で
絶叫には無縁な時間を過ごす事がほとんどだった。
小学校高学年になると、体も大きくなり、
他のアトラクション体験を勧めてみたものの、
安全地帯から抜け出す勇気をもてなかった娘。
そんな時、叔父がきっかけを与えてくれた事で、
一歩勇気を振り絞ることができた娘は、
あの時、チャレンジすることができて、本当に良かった、と当時を振り返る。
乗りたいな～と思っているだけでは得ることができなかった
シアワセのスパイスを手に入れ、人生の楽しみがひとつ増えたのだ。
人生を豊かにする方法は、「勇気と行動力だね」と、
他愛もない会話から、素晴らしい人生の教訓が生まれた。
＊＊＊
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