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「秘めフォト」が若い女性だけのものではない理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:今村真緒(ライティング・ゼミNEO)
 
 
パシャ、パシャ、パシャ。
連続するシャッター音に一瞬目を瞑ってしまうけれど、カメラのレンズを見つめることは止めない。というか、真っ直ぐに見据えることで、今の私の姿をしっかりと写真に刻んでもらえる気さえしてしまう。
ここは、今年1月に訪れた福岡天狼院のフォトスタジオだった。天狼院書店の店主である三浦さんが専任フォトグラファーとして、この「秘めフォト」というサービスを行っている。
1年前に来たとき、初めは「何で申し込んじゃったんだろう」と消えてしまいたい気持ちになったのに、今回は2回目となるからか、初めから肩の力が抜けて恥じらいなど何処かへ置いてきたようだった。
 
そもそも「秘めフォト」というタイトルから、どんな写真を想像するだろうか?
私の最初の印象は、「グラビアみたいなもの?」だった。秘めフォトのコンセプトは、「自分史上最高にSEXYな1枚を撮る」というものだ。セクシーな格好をした女性が、お色気たっぷりに横たわるグラビア誌が頭に思い浮かんだ。いやいや。一般の人がそれやるのって、ハードル高くない? 若いか、よほど顔やスタイルに自信のある人じゃなきゃ申し込まないんじゃないの?
 
そんなことを思いながらも、なぜか気持ちとは裏腹に紹介ページを読んでしまった。そこに添付されている写真は、確かに「SEXY」だった。けれど、私が思っていたお色気たっぷりの写真とはちょっと違っていた。妙に煽るような「SEXY」ではなく、被写体の女性から漂うオーラが個性的で、自信に満ちた「SEXY」とでも言えばよいだろうか。
「何か、カッコいいな」
そうは思ったものの、やっぱり私とは縁がないものだと思っていた。
そう。ある事件が起こるまでは。
 
2020年の12月、突然私は乳ガンを告知された。状態によっては片胸を切除しなければならないと医師から言われ、私は急に今までにない感情がこみ上げてきた。
在るのが当たり前だと思っていた乳房が、無くなる。女性ならではの感情かも知れないが、私は深い喪失感に襲われてしまった。手術日まであと僅かになっていた私は、無くなるはずの胸を何か形として残しておきたいと焦り、以前見た「秘めフォト」のことを思い出したのだった。
 
思い切って申し込んだものの、当日の私は緊張でガチガチだった。三浦さんやスタッフの皆さんのおかげで、撮影にも少しずつリラックスし始めた頃、私の申し込んだ動機をご存じだった三浦さんに「胸のことがあって、今日せっかく来られたんだから撮りましょうよ」と言われ、ついに腹を括るしかなくなった。初めは、ノースリーブのワンピース越しに胸のフォルムが分かるくらいの写真を撮れればいいと思っていたが、躊躇しながらも胸を出しての撮影に入った。
 
私の緊張をほぐすように、三浦さんは、乳ガンで乳房を切除したけれどパワフルな生き方をされている秘めフォト経験者の方のことを話してくださった。そのお話を聞いているうちに、何だか自分も大丈夫な気がして、感じていた喪失感や不安が薄れていくのを感じた。どんな姿であっても、私は私なのだから自信を持っていい。そんな風に励まされた気がした。他にも撮影中の面白エピソードで笑わされ、いつの間にか私は自然な笑顔で写真に収まるようになっていた。
 
きっと「秘めフォト」は、一種のセラピーなのだろう。自信がなかったり、迷いがあったりすることは誰にでもある。けれど、そんな気持ちを、服を脱ぐのと一緒に剥いでいき、一旦まっさらな自分に戻るのだ。そこで女性としてのありのままの自分を見つけ、リセットして前を向くことができるという作用があるのかもしれない。
 
「秘めフォト」初体験後、三浦さんが「また、術後に撮りにきたら?」と勧めてくださった。手術では幸いにも乳房を温存できるギリギリのラインだったため、覚悟していた全切除をしなくてもよかったばかりか、思ったよりも削らずに済んだ。退院後、私は手術痕が落ち着いたら再度「秘めフォト」に申し込むことを決めていた。
 
そして2回目の撮影は、奇しくもちょうど1年後となった。前回は、フォトスタジオの階段を上る足取りが重かったことを思い出したけれど、今回は勢いよく駆け上がる。明るい日差しの中、前回とは比べ物にならない程リラックスして撮影に臨む。慣れなのか、おばちゃんの図太さなのかは定かでないけれど、何だか撮影が楽しいのだ。そして、「パッと見、手術したって分からないよ」と言ってくださったことで、改めて安心と自信をもらえたようで嬉しくなる。
 
天狼院書店には、秘めフォト参加者から「彼氏ができました」「結婚しました」「妊娠しました」などの報告が相次いでいるという。まもなく50歳になる既婚者の私にとって、「秘めフォト」に参加したからといって、彼氏ができたとか結婚、妊娠などの報告をすることはない。
 
けれど、2回目の写真を見ながら思う。初回とは「何か」が変化している。表情なのか雰囲気なのか、はっきりとした正体は分からない。でも「何か」が進化しているような気がするのだ。若い訳でもスタイルが良い訳でもないおばちゃんでも、まだ変化できる可能性がある。そんな希望と期待を与えてくれるのだ。
 
ふと、「秘めフォト」は、自分の人生のポートフォリオにもなり得るのかもしれないと思った。顔は変えられないけれど、顔つきは生き様に現れるという。今年よりも来年、来年よりも再来年と自分なりに進化できたら素敵だ。もしも歳を取ることが不安とか、一皮剥けたいと思う女性がいたら、ぜひ「秘めフォト」にチャレンジしてもらいたい。きっと知らなかった自分を発見して、その新たな魅力に自信が持てるはずだ。女性限定なので男性諸君は申し訳ないけれど、「秘めフォト」は年齢にかかわらず女性を輝かせる「何か」がある。そして、私も次回参加する時には、また進化した姿に出会えることを楽しみにしたいと思っている。
 
 

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2022-04-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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