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富士山に登ると決めたら、神社の百段階段を往復するトレーニングが出来た話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:清野千聖(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「静岡県民なのに、富士山に登ったことがないの?」
県外在住の知人から訊かれたことがある。
登山が好きな県内在住の知人は、何度か富士山頂上まで登ったことがあると言う。
 
車で富士山が見える絶景スポットには何度か行ったことがあるが、富士山に登ることには、若い頃からずっと抵抗があった。
「体力がないから私には絶対無理だ」
小さい頃からの思い込みがずっとあったからである。
 
先日、50代の登山歴がない私に、60代の同じく登山歴がない女性が「初心者向けの富士山に登るツアー」に誘ってくれた。
催行時期は、2022年8月下旬。頂上まで登るのではなく、富士山8合目を目指すらしい。
「私も初心者だから、一緒に頑張りましょう。登山経験者も同行するから大丈夫ですよ」
「はい。参加します」
二つ返事で誘いに応じてしまった。
 
ツアーに行くことを決めたら、ずっと抱えていた登山への嫌悪感のようなものがスーっと消えていった。
「富士山に登るまでの数か月のうちに登る体力を付けなければならない」
では、どうやって体力を付けるのか?
時々、ウォーキングをしたり、スポーツジムに通ったりしてはいるが、すぐに疲れてしまい、長続きしない。
 
一緒に参加する予定の女性に相談したところ、週に1~2回、百段階段を25往復している40代の男性の知り合いがいるらしい。
自宅から自転車で15分程の所に有名な神社があり、境内に入ると「百段階段」と言われる長い階段がある。
早速、その男性にコンタクトを取ってもらい、百段階段を3人ですることになった。
 
「意外と傾斜があって怖い!」
「階段を下りる時に転んで、転倒でもしたら即死だ!」
神社に到着し、階段を見た途端、不安と心配で頭がいっぱいになり、ネガティブなことしか思いつかなかった。
 
でも、富士山に登るために体力を付けると決めたのだ。
目標を決めると、行動が先に進みやすい。
諦めずに、何往復できるのか……。挑戦することにした。
 
1往復目。ゆっくり階段を上る。
大丈夫だ。
ゆっくり階段を下る。
足元に気を付けながらゆっくり進む。なんとか無事、下ることができた。
 
2往復目。もう足が重い。
夏でもないのに多量の汗が出る。
辛い……。
途中、挫けそうになったが、なんとか階段を上り終えた。
水分を取り、休息し、また、階段を下る。
 
3往復、4往復……。
 
60代の一緒に登山に参加する女性は、4往復でギブアップしてしまった。
 
25往復をする男性は、私たちが4往復を終えた時に、すでに12往復を終えていた。
「最初から無理しなくてもいいよ。もう何年か、トレーニングしているけど、最初は3往復しか出来なかったんだから……」
そう言われたが、私は、5往復目に挑戦した。
 
だんだん体が慣れてきた。
何とか、もう少しできるかもしれない。
二人に励まされながら、10往復できた。
段数にしたら、100段×10+10=2,000段になる。
ちょうど、私とほぼ同じ時間に、男性は25往復を終えた。
今までの人生の中で就いた仕事では得られなかった達成感のようなものが、私の心と体に残った。
 
初めて終えた後はかなり疲れ、少しの時間、体が動かなくなってしまったが、休憩後は回復し、自転車でゆっくり帰宅できた。
帰宅後、シャワーを浴びて出た後の清々しさも、今までの人生の中で感じたことがない感覚だった。
 
その後も何回か行ったが、10往復以上はできないままである。
一緒に参加する60代の女性は、日々、1往復ずつ増えていき、私と同じ、10往復ができるようになった。
25往復ができる男性は、健康のために相変わらず続けている。
1人では出来なかったことが、一緒にやる仲間がいたからこそ、実現できたのだ。
 
今まで一度も階段の上り下りのトレーニングや登山をしてこなかった自分を悔やんだ。
今まで、どれくらいの時間を無駄に過ごしてきたのだろう……?
年齢とともに代謝が悪くなるからと、病院からは運動をするように勧められていたのに、あれこれ理由をつけて、ほとんど運動していなかったのだ。
 
「出来ないからやらない」から「出来る限りやってみる」
百段階段をしたおかげで、ポジティブな考え方に変わってきている。
さらには、回数を重ねるたびに、少しだけダイエットできて、太ももが引き締まってきたようだ。
厳かな神社からパワーをもらい、ご利益も得られそうである。
 
もう不安や心配はなく、次にいつ神社へ行き「百段階段」が出来るのかと、毎日、ワクワクしながら過ごすことが出来ている。
富士山を登るまでの数か月の間に、あと何回、百段階段に行けるか……。
25往復も出来なくて良いから、これからも出来る限り続けてみよう!
そして、富士山登山ツアーに参加した後も、神社の百段階段の往復はずっと続けていこう!
 
「継続は力なり」
少しずつ体力が付き、自分自身が変わり始めている。
 
 
 
 
***
 
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2022-04-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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