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BTSとジャニーズに学ぶ正しい目標設定の方法

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記事:浦部光俊(ライティング・ゼミNEO)
 
 
ねえ、お父さん、須賀がコロナにかかったんだって。だいじょうぶかな?娘たちが真剣な表情で話しかけてきました。
 
えっ、須賀ってだれ? そんな知り合い、周りにいたかな?
 
娘たちが話し続けます。RMもJINも、コロナでしょ。みんな、だいじょうぶかな。
 
あ~ 須賀じゃなくて、SUGA(シュガ)ね。やっとわかりました。娘たちが話しているのは、K-POPのスーパースター、BTS。そのメンバー3人がコロナにかかったと心配しているのです。
 
うーん、よくわからないけど、ちゃんとしたお医者さんに診てもらっていると思うよ。ぼくの言葉を聞いた娘たち、心底、ホッとした様子です。
 
それにしても、こんなに心配するなんて、BTSのこと、本当に大好きなんだ、改めて、そう思わされます。コロナの話だけじゃありません。メンバーの誕生日に勝手に開いたバースデーパーティもそう、クリスマスプレゼントでもらったメンバーのぬいぐるみもそう、娘たちの心は、BTSで一色なのです。
 
とは言え、こんな風に思ってしまう自分もいます。どうせ、このブームも一瞬で過ぎ去るのかな、と。
 
というのは、去年の今頃、彼女たちの心は、キンプリこと、ジャニーズのKing and Princeのことばかりだったんです。そして、さらに前の年は嵐。
 
それが今や、推しはBTSオンリー。娘たちの部屋に飾られたグッズを見るたび、あ~、これも1年で見向きもされなくなるんだろうなと、もったいないやら、悲しいやら。ついこんな言葉が出てしまいました。
 
BTSって、キンプリや嵐と何が違うの?
 
その時のことでした。全然違うよね、リビングから別の声が聞こえてきました。娘とぼくのやり取りを聞いていた妻の参戦です。
 
BTSはやっぱりすごいよ、妻が興奮気味に話し始めます。メンバー全員がかっこいいし、歌もダンスも超一流。音楽や映像だって、クオリティが別格。あれは世界基準だよ、だから、BTSへの乗換は普通のこと、口にこそ出しませんが、妻からはそんな雰囲気が感じられます。
 
なるほどね、BTSは世界基準。ジャニーズは何基準、と、口にこそ出しませんでしたが、ついついそう考えてしまいました。確かに、BTS、あらゆる面でクオリティが高いのは事実でしょう。ただ、だからといってジャニーズが低いのかとなると、そうは思えません。でも、BTSとジャニーズ、確かに違う、それは直感的にはわかるような気もします。妻の言うことも一理あるのです。
 
それに話は、BTSとジャニーズに限りません。TWICE、ブラックピンクといったK-POP勢と、AKB、なんとか坂といった日本のアイドルたち。彼らの違いって何? 単にターゲット層が違うと言ってしまえば、それまでですが、どうにも言葉にしないと気が済みません。
 
そもそも、娘たちは、成長するに従って、ジャニーズ→BTSと興味が移っていきました。BTSの方が、その良さを理解するのに「成熟」が必要な感じ、年齢が関係しているのでしょうか。ふと思い出したのは、娘たちがまだ幼稚園だった頃のこと。シンデレラ実写版の映画を見に行った時のことです。
 
「こわい」
 
映画が始まってすぐに、娘たちがそう言ったのです。普段、絵本の世界で楽しんでいた世界。それがリアルになった時、急に、怖くて受け入れならなくなってしまったようなのです。かわいい、きれい、お姫様のようになりたい、そう言っていたプリンセス。それが、実写版、しかも自分たちとはまったく似ていない西洋人になったとき、全く違う世界のもの、手が届かないものように感じてしまったのではないでしょうか。「こわい」という言葉は、娘たちが感じた実写版プリンセスとの「距離」を表していたように思うのです。
 
考えてみれば、AKB48のコンセプトは「会いに行けるアイドル」でした。活動場所は地下の劇場、観客の目の前で歌い踊る彼女たち。大切なのは、手を伸ばせば触れられるほどの距離。それまでは、遠くて、手が届かなかったアイドルを、グッと身近な存在にしたことは間違いないでしょう。そんな身近な彼女たちの努力する姿に、「私だって、がんばらなきゃ」と勇気をもらった人も多いのではないでしょうか。
 
それは、きっとジャニーズだって同じこと。失礼を承知のうえで言いますが、彼らの中には、世に言う「ハンサム」でない人だっています。体格も恵まれていません。歌だって、ダンスだって、決してトップレベルではない人がいるのです。でも、そんな「身近な」彼らが、必死に努力を重ねてる姿に、ぼくたちは惹きつけられるのです。彼らが成長する姿に「ぼくだって」と勇気をもらうのです。
 
もちろん、BTSやTWICEといったK-POPスターたちだって、努力の量は半端じゃないでしょう。ただ、彼らは、身近に感じるには、あまりにも完璧すぎる。憧れの対象だけど、あまりにも遠い存在。それは、ぼくの娘たちが幼いころに感じた「こわい」に近い存在なのではないでしょうか。昔、怖い、つまり畏れる(おそれる)という感情が「畏れ多い、敬う」という感情につながっていたというのにも、納得感が出てきます。
 
なるほど、なんだか、腹に落ちたような気がしました。
 
人が目標に向かう時、大きな目標が必要なのは言うまでもありません。いつの日か、あんな風になりたい、そう思う気持ちが、ぼくたちを上へ上へと引き上げてくれるからです。歌声が響くためには、高い天井が必要なように、ぼくたちが大きく羽ばたくには、高い目標が必要のです。
 
ただ、高い目標だけでは、うまくいかないのも、また事実です。成功を実感するまでに時間がかかり過ぎてしまうのです。人間、それほど、強い生き物ではありません。毎日の充実感がない中で、継続するというのは、よほど強い意志がある人でも難しいでしょう。
 
その時に大切なのが、大きな目標に到達するまでの、小さな目標。ステップを踏んで、成功体験を積み重ねることで、大きな目標が達成しやすくなるのです。自分は確実に進んでいるという自信と、これからも続けていこう、という勇気をもらえるのです。
 
それは、マラソンのようなもの。42.195Kmという距離は、初めからわかっています。だから、ひたすらペースを守って走り続ければ、時間が立てば、ゴールできるはず、なのですが、やはり、そこには、今、何キロという表示がないと、ぼくたちは、走り続けられないわけです。言い換えれば、自分が今までどれだけ頑張ってきたか、目標まで残りがどれだけなのか、確認できるからこそ、走り続けられるのです。大きな目標に向かっていけるのです。
 
つまり、ジャニーズは「途中の距離表示」 ぼくたちに日々の達成感と、これからも努力し続ける勇気を与えてくれます。そして、BTSはマラソンの「ゴール」 畏れ、敬う、憧れの存在、ぼく達を高みに引き上げてくれる、そういうことではないのでしょうか。
 
それを思うと、娘たちのBTSへ乗換も喜ぶべきこと。手が届かないと、恐れていた存在が、今は身近に感じられているのかもしれません。目標設定圏内に入ってきたということかもしれません。
 
まあ、要は、成長に応じて、うまく目標設定してくれているようで、娘の成長を感じられて、安心したという話なんですけど。ぼくも思いきって、BTS級の目標を設定してみようかな。
 
 
 
 
***
 
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2022-04-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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