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メディアグランプリ

宇宙に繋がるはずが、霊界に繋がってしまった


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ふぅこ(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
男と女の別れとは、突然やって来るものだ。
29歳で私は、年下のイケメン男子と別れた。
「やばい。今から誰かと付き合い始めても、もう30歳までに結婚て無理じゃない?
いや。でも30までに結婚したい!」私は焦っていた。
 
大学時代の友達はみんなもう結婚していた。すっかりママになっている子もいる。なのになんで私はまだ一人なんだ。どうすりゃいいんだ。
「神さまー!」布団の中で叫んだが、何の返事もない。そりゃそうだ。神さまなんて、いないんだ。ふてくされたまま、布団にもぐった。
 
翌日、なぜか本屋に行きたくなった。
気づけば今まで一度も足を踏み入れたことのない、自己啓発の棚の前にいた。なんとなく気になる本を手に取っては棚に戻し、手に取っては戻しを繰り返した。
「どれもこれも、つまらない」
もう帰ろう。と、視線をずらした瞬間にふと目に留まった本があった。今ではタイトルすら覚えていないがその本に手を伸ばし、目次にさっと目を通した。
 
「第三章:宇宙と繋がる方法 願いはなんでも叶います!」
30歳目前で一人になった女子のおつむのネジは既に緩み、冷静に判断する能力を失っていた。
「なんでも叶います!? じゃぁ、30までに結婚できるんじゃ!?」
 
「カバーお付けしますか?」
「いりませんっ!」一秒でも早く読みたい気持ちだった私は、優しく声をかけてくれたレジの店員さんに冷たく言い放ち、エスカレーターを駆け下りた。
 
空海が行っていたという呼吸法。鼻から8秒かけて吸って、8秒止めて、口から8秒かけて出す。この呼吸法を毎日30分続ける。と書いてあった。
「息を吸って、止めて、吐く。それで宇宙とつがなる? そして願いが叶う?」
うすら信じ難いが、藁をも掴む思いだった私はやってみることにした。毎日寝る前に、布団の上で坐禅を組んだ。何日経っても、全く宇宙と繋がる気配はなかった。
 
そんなある日の午前3時。なぜか目が覚めた。正確には、瞼は閉じたままなのだが、意識ははっきりしていた。
「ん? んー!?」
明らかに誰かが私の体に覆いかぶさっていた。体を動かそうとしても動かない。手も足も全く動かない。意識の中だけで、力の限り体をバタつかせていたら、やっと目が開いた。部屋には誰もいなかった。
 
その後、同じ現象が頻繁に起こるようになった。目は開けていないので、誰がやって来ているのかは分からなかったが、男性であることはなぜか分かった。
「ははーん。そういうことかぁ♪ 別れた彼が、私を忘れられなくて夜な夜な私のところに来てるのかぁ。困ったもんだね~♪」なんてアホなことを考えながら、眠りについていた。
 
しかし、この日はいつもと違っていた。
夜寝ていると、布団の足元から「ザサッ。ザサッ。」と誰かが布団の上を歩いてくる音が聞こえた。
「だ、だれ?」怖さのあまり全く動けない。私は横を向いたまま、近づく足音に全神経を集中していた。
ザサッ。ザサッ。
足音は私の背中のところで止まった。次の瞬間。
 
ふわっ。と、かけ布団がめくられ、誰かが布団に入ってきた。
恐怖のあまり一切動けない。
そして、横を向いて寝ている私の後ろから両手が伸び、私は抱きしめられた。
体験したことのない恐怖の中、私は頭をフル回転させた。
「だ、誰だ。誰だ。てか何が起こっている」
不思議なことに、瞬時に色々なことが分かった。抱きついて来ている人は、“男性、年齢20代後半、身長173cm、体重64kg、色白、もち肌”。
 
……フゥーッ
と、男の吐く息が、私の首筋にかかった。
「冷たっ! 寒っ!」氷のような息だった。
もはや、心身ともに凍り付きそうになっていた私に、名案が浮かんだ。
「そうだ! 名前を聞いてみよう! 元カレなら、別に怖くないじゃん。私の単なる妄想かもしれないし!」
そして、勇気を振りぼって聞いてみた。
「誰?」
 
男性は、突然話し始めた。
「なんで俺は、死ななければいけなかったのか。俺は悪くない」などなど、延々と話していた。
分かったのは、元カレではないこと。彼の話を聞いている時に、私の頭に浮かんだ映像は、彼が馬車にひかれて死んだ光景だった。1800年代後半、場所はポーランド、ワルシャワ。
 
「おい、おい、おいー。100年以上も成仏していないのか君は。
あー!!! 毎晩覆い被さって来てたのはあんたか! わたしゃ毎晩起こされて大迷惑なんだよ! さっさと成仏しておくれ」
相手の名前は分からなかったが、素性が分かったことで安心したのか、私はゆっくりとまた眠りに落ちた。
 
翌日から私の生活は変わった。日中、部屋に誰かがいるのがはっきりと分かるようになった。まぁ、おそらくヤツでしょう。ご飯を食べていると、誰かが目の前を通り過ぎた。ふと視線を向けると、バコッと音がして、ヤツが何かにつまずいて転んでいた。
 
……やめてくれ。神さまに結婚したいとは頼んだけど、死んでる人と同居したり結婚する気はないんだ。
「もしこの家に居たいなら、家賃払ってよ」とヤツに言ったが、無視された。
その後、色んな部屋を浄化する方法を行っているうちに、いつの間にかヤツは居なくなっていた。
 
空海は宇宙と繋がれたのに、なぜ私は霊界と繋がってしまったんだ……。
 
ガタッ
また誰か来た……。
 
「神さま。肉体を持っている男性と出会わせて下さい!」
 
 
 
 
***
 
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2022-05-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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