メディアグランプリ

ダイエット講座を受けたら、いつの間にか生涯の趣味を見つけた


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:玉置裕香(ライティング・ライブ福岡会場)
 
 
2019年春。
30代も半ばに差し掛かり、ちょっと食事制限をしただけでは体重は落ちないお年頃。代謝はしっかり落ち、脂肪という名の服を身に纏っていた。足は網タイツを穿けばボンレスハムかと間違うほどパンパンだった。
やばい、ダイエットしないとあまりにひどい。
でも、一人でできる気がしない。
そんなときだった。
「自分史上最高の自分になる」 というテーマで、ダイエット講座の案内が目に飛び込んできた。
9か月で計4回の講座。ベストボディジャパンという美を競うコンテストにもでる素敵な人が主催する講座だった。
その人のbefore・afterを見ると、4年の筋トレ歴で見違えるほど美しく変身していた。
50代でこれだけキレイになるのなら、私もやりたい!
迷わず、ポチっと申し込んだ。
 
6月8日。私は沖縄にいた。
講義は沖縄で開催された。
土日で行われるため、金曜夜の最終便で沖縄に到着した。そのためには、ものすごい勢いで仕事を終わらせなければならなかった。土日の仕事は当番制のため、何があってもいいように万全の準備をしたのち、同僚に託し飛行機に乗った。
どんな講義が行われるのだろう? 期待で胸いっぱいにしながら会場に向かった。
私を含めて、全国から10人の参加者がきていた。年齢は40~50代が多く、私が最年少だった。
講師が登場し、50代と思えないスタイルに圧倒された。そして14cmのヒールをカツカツと歩く姿はとても美しかった。
 
最初の講座は今の自分を知ること。現状の把握をするために、体のあらゆる部位を数値化。そして食事や嗜好品の確認。
次になりたい理想の自分を具体的に考える。理想とする身体を部位別に数値化していく。
そのためにはどれくらいの期間で体重をどれだけ落とすのか、1日のカロリー計算と必要な栄養素のグラム数。
細かすぎる……。
痩せたらいいなとぼんやり思っていただけなのに、明確な目標設定ができていった。
 
理想に向かって突き進むために、するべきことが挙げられた。
「まず自己管理をしなさい!」
「え? 何を管理するの?」 私は思った。
先生は三つあると言われた。
一つ目は時間。トレーニングする時間、食事の時間、睡眠の時間を確保すること。
二つ目は食事。食べる内容と、どれだけの量を摂取するか。食欲をコントロールすること。
三つ目は体調。身体と心の声を聴くこと。無理をしすぎないこと。
そして最後に自重でするトレーニング10種目を教わり、解散した。
 
なんか大変なところに来てしまった。慣れるまでには時間がかかると言われたが、できるのか。一瞬、不安に駆られたが、頭をぶるぶると揺らした。
できるか、ではなく、やるしかない!
本当になりたい自分になるためには、覚悟がいることを知った。
 
体調は朝・晩と確認して、食事の時間、寝る時間、排便、体重などをチェックした。
食事は食べたものの内容と量、カロリーを計算する。できないことが最初は多かったが、2ヶ月ほど頑張ると、だいたいのカロリーを覚えられるようになった。
 
でも一番の問題はトレーニングだった。
10種目の内の4つはスクワット系だった。まず体が硬すぎて、スクワットの正しい姿勢がとれなかった。
まさか、そんなことが……。愕然としたが、あきらめるわけにはいかない。
“姿勢” “改善” “ストレッチ” などと検索した。すると、“ピラティス” がでてきた。
あ、職場の近くだ。行ってみよう。早速、体験を申し込んだ。
 
ピラティス教室に行くと、すらりとした先生の横にマッチョの先生がいた。
最初にカウセリングがあった。姿勢改善したいこと、筋トレがしたいこと、肩こりや日ごろの痛みの改善をしたいなどと話をしたら、マッチョの先生が担当することになった。
「わからないことがあったら、なんでも聞いてくださいね」
「先生、よろしくお願いします」
そう、右も左もわからない私は先生に全部お任せするしかなかった。
ダイエットのために、筋トレをする。そのためにピラティスを始めた。
 
身体の使い方、左右のバランス、仕事での癖を知っていく。いろんなトレーニングを通して、私は自分の体と向き合った。日々の食事で自分の体が成り立っていると思うと、食事も疎かにできなかった。
最初のうちは筋肉痛という体の声も聴きながら、毎日コツコツしていく。どこの筋肉を動かしているか、わからないことはマッチョの先生に聞いた。すると1か月後には簡単にできるようになっていた。
3か月後には自重では物足りなくなった。いつの間にか重量を上げたくなり、近くのジムに入会した。
「今日は〇〇Kg持ちました。あれができるようになりました」
マッチョの先生に逐一報告する。褒めてもらえると、うれしくなってまた頑張った。
筋トレで目標を立て、クリアしていく楽しみを見つけた。
最後の1回、最後の1秒まであきらめないことで、メンタルも強くなった。
 
2回目、3回目と沖縄に講座を受けに行き、トレーニングの組み立て方やメイクの仕方、自分自身の魅せ方などを教えてもらった。
コツコツ、コツコツ、なりたい自分に向かっていく。計画して実践。できなければ、できるようにどうすればいいのか考える。
できないことができるようになる楽しみ。ダイエットも仕事も同じだと気づいた。
身体が整い、時間の使い方もできるようになったおかげで、いつの間にか仕事をこなすスピードが上がった。
 
最後の講座は、9か月の集大成として発表があった。きつかったこと、できなかったことができるようになったこと。次の課題など。この講座を通して、ダイエットだけではなく、自分自身を見つめることができ、成長したことを発表した。
初めて、自分と向き合うことができた。その喜びを仲間と共有でき、私はうれしかった。
あの重くきつかった体は、私自身と向き合うのに必要だったのだ。
 
あれからもうすぐ3年が経つ。
去年の9月にフォームが悪くて、右膝と肩を痛めた。そのため筋トレは一時中断した。
身体の使い方を見直すためにピラティスだけでなく、ノルディックウォーキングを習い始めた。歩くだけで全身の筋肉を刺激でき、翌日にあちこちの筋肉が心地よい悲鳴を上げている。まだまだできないことは多いけど、歩くことがとても楽しい。
 
「好きなことはなんですか?」
「ストレス解消に何をするのが好きですか?」
もし質問されたら、こう答えるだろう。
自分の体と向き合うこと。今はピラティスとノルディックウォーキングをしている。
 
 
 
 
***
 
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2022-05-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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