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自分好みのイケメンに出会って気づいた、運命的な出会いを引き寄せる方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:レティシア(ライティング・ライブ福岡会場)
 
 
3年ぶりに開催された有田の陶器市でイケメンをお持ち帰りした。
 
スタイリッシュで、包容力があり、有能で謙虚。
私が長年探し求めていた出会いだった。
 
なお、そのイケメンは、人ではなく、丼である。
 
窯元がひしめく有田の陶器市は、JRの有田駅と上有田駅を結ぶ4キロの道路にさまざまな食器が並ぶ、食器好きの聖地である。
 
丼は意外と難しい。
 
かつて、お店のような蓋つきの丼を買ったけれど、ラーメンには小さかった。
ラーメン鉢は上部が広がり過ぎているので、ご飯を入れるにはデザイン的にいまひとつ。
逆三角形のオシャレな鉢は、汁物に使うには安定感が心許ない。
 
ラーメンにも親子丼にも使えるものがほしいと、各店をくまなく探すが、なかなかこれといったものがない。
 
その出会いは、意外なところにあった。
 
黄緑色のオリエンタルな模様のお皿に惹かれて入った高級店の奥で、セールをやっていた。
セールと言っても高いよね、と思いながら足を踏み入れたセール会場で、水色の丼が私を待っていた。
 
器の上部、口縁の部分が少しだけ広がった逆三角形の形。底についている高台がオシャレな上に、安定感を増している。ひと目で気に入り、持ち上げてみると、軽い。丼とは思えない軽さ。
 
値段を尋ねると、3割引きで1300円だった。他の商品とお値段が1桁違う。なぜにこのようなお品がこの店に!
 
迷わず購入した。
 
家に帰ってしばらく眺めまわしたのち、これまで使っていた丼に水を入れて移し替えてみると、全然余裕だった。ラーメンも問題なし。
 
スタッキングも問題なさそうなので同じような丼をネットで探していたら、あった!
 
なんと、名前が「イケメン丼」!!!
 
器の大きいイケメンは最強である。
 
なお、お持ち帰りしたイケメンは「有田焼」から独立した「波佐見焼」だった。
波佐見焼の18の窯元が同じ形の丼に個性豊かなデザインを施して出している丼なのだそう。
 
イケメン丼を食器棚に収納したあとに、気づいた。
私がこよなく愛している、フィンランド製のシリアルボウルとほぼ同じ色なのだ。
 
好みというのは一貫しているものよな、としみじみしつつ、食器の棚卸しをすることにした。
 
私は食器が好きである。好きだから丁寧に扱う。だからめったに壊れない。かくして、食器は増殖の一途をたどり、マグカップは無理矢理重ねて収納している状態だ。いつかまた好みのイケメンに出会った時のために、収納できるスペースを作ろう。
 
断捨離の極意は「ときめかないものは捨てる」だという。
その基準で食器たちを検証してみると、あることに気づいた。
 
私は食器に限らず「ひとめぼれ体質」である。
ああん、もう、好き!! となったら、手に入れたくなる。
 
数年前に使っていない食器を大量に処分したので、今あるほとんどの食器はひとめぼれして買ったもの。しかし、めちゃくちゃ気に入って毎日のように使っている「飽きないイケメン」と、なんとなく使っている「飽きてしまうイケメン」がいるのだ。その違いは何なのだろう。
 
お金ではない。
背伸びをして手に入れたキラキラしたイケメンは、手放すには惜しい。
しかし、緊張してやたら慎重に取り扱ってしまったり、手抜き料理を盛るのは忍びなかったりして、日常使いには適していない。目にする頻度が落ちるうちに、ときめきが色あせてしまうことも多い。
 
ブランドは関係しているかもしれない。好きなブランドの食器はラインナップも魅力的なものが多い。男性に例えるなら、「スポーツマン」とか「読書家」とか「アニメオタク」といったくくりか。
 
今度のライブで歌う曲を流しつつ「このブランドは私にとってはミュージシャンかな。出番多いし」などとつぶやきながら食器棚を眺めていたら、娘が茶々を入れてきた。
 
「つきあってはいけない3Bって知ってる?」
「知ってるで。バーテンダー、美容師、バンドマンやろ」
「つきあったことある?」
「ある。ていうか、網羅」
「さすが」
「ていうか、正確には5Bかな」
「あとの2つは?」
「ブロードキャスター、バックパッカー」
「色とりどりの人生やな」
 
そう。イケメンだからといって、幸せになれるとは限らない。
自分のライフスタイルに合っていることが大切だ。
 
よく出会えたもんだなぁ、と思いながら「イケメン丼」を見る。
 
彼に出会った時、出会うべくして出会ったと思った。
それは、彼みたいな丼と出会いたいと思って探していたからだ。足を棒にしながら「ラーメンにも親子丼にも使える、オシャレで軽い丼はいねがー!」と、陶器市を練り歩いていた。
 
ずっと飽きずに使い続けているお気に入りの食器たちも、「こういう食器がほしい」と思い続けた末に、ようやく見つけて購入したものがほとんどであることに気づいた。
 
つまり、私の側に「出会う準備」ができていたのだ。手に入れた後の生活が思い描けていた。
だから、視界に入った瞬間に引き寄せられたのだ。
 
若い同僚が言う。「誰かいい人いませんかねー?」
 
いない。いても、それでは出会えない。
 
出会いの場をさまよえば、イケメンに出会うことはできるだろう。
しかし、その出会いをどのように生活に組み込んでいくかは、手に入れてからの手探りになる。
すこぶる効率が悪い。お金も時間もかかりすぎる。
 
何をもって「イケメン」とするかは、人それぞれである。
イケメンに何を求めているのか、イケメンとどんな暮らしをしたいのか、それらを具体的に思い描けたとき、出会いがやってくるのかもしれない。よろこびと感動を伴って。
 
さあ、自分好みの食器を探しに出かけよう。
運命の出会いを引き寄せるレッスンとして。
 
 
 
 
***
 
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2022-05-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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