メディアグランプリ

レトルトカレー、一堂に会す


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山本三景(ライティング・ゼミNEO)
 
 
玄関の扉を開けると、外は土砂降りだった。
扉を開けたものの、そのまま静かに部屋に戻った。
こんな雨の日に出かけることはない。
天気予報でも、東海地方の雨はひどくなると忠告している。
 
そう、たかがカレーだ。
 
レトルトカレーを持ち寄って食べ比べるという、天狼院書店で開催される「カレーラボ」というイベントに行こうかどうか迷っていた。
イベントの前日に、「こんなのやりますよ~」という案内があった。
お誘いの言葉と一緒に、写真も添えられていた。
それは、食べたことのないレトルトカレーが天狼院書店の壁に並んだ写真だった。
 
カレーですと?
 
ワクワク感というものをキャッチするセンサーが久しぶりに発動した。
レトルトカレーの持ち寄り会、それはレトルトカレーたちの会合だ。
食べたことのないレトルトカレーたちが一堂に会するのだ!
こんな機会は滅多にない。
いつもは選ばないレトルトカレーをちょっとずつ食べることができる。
レトルトカレーは普段買うこともあるけれど、冒険はしない。
自分の好みであったり、美味しさに定評のあるものを買ったりする。
添付された写真をみると、自分では絶対に買わないカレーもあった。
 
決めた!
夜ご飯を天狼院で食べられるし、行こう!
 
と、お誘いを受けたときはそう思ったのだが、いざ出かけようとすると、あまりの土砂降りに引いていた。
 
どうしよう……。
カレーのためにずぶ濡れになるか?
もしかしたら帰りはもっと大変になるかもしれない。
 
とりあえず部屋に戻る。
そして数分悩む。
この時点で19時の開催時間に間に合うかわからない。
「雨がひどいので今回は遠慮します」というメッセージを準備していた。
あとは送るだけだ。
しかし、なぜか諦めきれない。
 
濡れてもいい服に着替えて、外に出てみようか……。
 
そして、外に出た。
「土砂降り、帰りは傘が役に立たないかもしれない」と「滅多にないチャンス、レトルトカレーが一堂に会する」を天秤にかけた結果、レトルトカレーに天秤は傾いたのだった。
メッセージを「少し遅れます」に変更し、私は「カレーラボ」の開催地である名古屋の天狼院書店を目指すことにした。
 
地下鉄を降りて外に出ると、少しだけ雨の勢いが弱くなっていた。
 
よしっ!
 
私は濡れてもいいサンダルで、ジャバジャバと水たまりの中に入りながらも天狼院書店へ到着した。
 
傘を閉じ、ふぅっと一息ついて、イベント開催スペースに目を向けると、テーブルの上にレトルトカレーたちが並べられていた。
昨日の写真のレトルトカレーに、参加者が各々持ち寄ったレトルトカレーが仲間に加わっていた。
 
すごい! 来てよかった!
 
私もそっとレトルトカレーを差し出した。
私が持ってきたのは、無印良品の「ごろり牛肉のスパイシーカレー」だ。
このカレーは「バターチキン」や「グリーンカレー」などの無印定番の人気商品ではないが、牛肉が大きくて私は好きなのだ。
意外と無印は定番すぎて持ってくる人は少ないと思い、無印のカレーを選んだ。
 
そして、まずは撮影会。
レトルトカレーたちがまるでモデルのようだ。
「美しい」なんて言葉も飛び交う。
13種類のレトルトカレーは圧巻だ。
 
大人のためのビーフカレー、山椒が薫るカレー、名古屋の赤からのカレー、北海道の大泉洋が全面にプッシュされているスープカレー、変わり種としてブラックジャックのブラックカレーなど、幅広いラインナップが並ぶ。
 
めっちゃテンションあがるんですけど!
 
思わず鼻息が荒くなる。
そして、福岡ともオンラインで繋いでのレトルトカレーの会合が始まった。
参加者の一人が
 
「ライスマネージメントが大切だよね」
 
と言った。
ライスマネージメント……カレーとご飯の配分だ。
だいたい、カレーが足りなくなるのだが、今回はご飯を食べ過ぎると13種類のカレーを美味しく食べ比べることができなくなるため、ご飯の量には細心の注意を払う必要がある。
ライスマネージメント、これは大切だ。
 
カレーを二つずつ温めて、食べ比べていく。
ご飯を少なめにお皿に盛り、カレーをかける。
最初は中村屋のインドカリーと山椒が薫るカレーだ。
中村屋のインドカリーは正統派な感じがした。
土砂降りの中、慌てて来たせいもあって、最初のカレーはいかにもカレーらしく、美味しく感じた。
次は山椒が薫るカレー。
グリーンカレーのような色をしている。
まいたけ、玉ねぎ、牛肉と、具材も豊かだ。
スプーンにご飯とカレーを乗せて口へ運ぶ。
口へ運ぶまではそんなに期待はしていなかった。
 
!!!
なんだこれは! 思ってたのと違う!
 
「お、美味しい!」
 
皆も同じことを思っていて、同じ顔をしていた。
出汁がきいている。
ガツンとしたカレーの辛さはないが、満足度が高い。
これは、翌日に買いに行くことに決定だ。
 
そして、二つずつ食べすすめていく。
気になっていたブラックジャックカレー。
お皿に入れると思った以上に黒かった。イカ墨が入っているらしい。
食べてみると結構真面目だ。
カレーらしい正統派。普通に美味しい。
変わり種と思っていたら、そんなことはなかった。
 
そして最後はスープで有名なピエトロのレトルトカレーと大人のためのビーフカレーで締める。
この二つは正統派だと思っていたが、なかなかどうして、ちょっとクセがある大人のこだわりのカレーだった。
子どもは無理かもしれない。
人もカレーも見た目じゃわからない。
 
実は、途中からライスマネージメントに失敗していた。
カレーを変えるたびにご飯を食べていたら、途中でお腹がいっぱいになってきたのだ。
最後の方はご飯なしでカレーのみを食べることになり、カレーがもはや飲み物になっていた。
ライスマネージメント、「カレーラボ」では重要だと身をもって知った。
 
「カレーラボ」を主催された方が、カレーのトッピングにお菓子の「かっぱえびせん」をくだいて入れると美味しいと教えてくれた。
カレーの情報が一気にアップデートされ、土砂降りに負けずに参加してよかったと心から思った。
 
次回は8月19日の金曜日に開催される。
たくさんのレトルトカレーの中から自分好みの一品を見つけられる、参加して得しかない、お薦めのイベントだ。
 
 
 
 
***

この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2022-07-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事