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メディアグランプリ

30年やってきて感じる「人の成長を引き出せる人」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:島田 弘(ライティング・ゼミNEO)
 
 
「成長」は、私の人生のテーマの1つである。
 
自分の成長、他者の成長に関する学びは、ともに私にとって興味関心を尽きさせないことである。
 
「教える」という仕事を約30年してきた中で、私なりの「人の成長を引き出す」ポイントのようなものが2つある。
 
1つ目が「一瞬、相手の思考が止まる」ということ。
 
それはどんな方法でも良く、相手の頭の中に「!」または「?」を生むことである。
 
教える仕事をしてきた中で、初期の頃、私の中で良い指導者とは、わかりやすく教えることであった。つまり、正しいやり方が存在していて、その正しいやり方を、いかに早く正確にできるようにしてあげられるか、そこが指導者の価値を決めていると考えていた。
 
スポーツで言うならば、手取り足取り、正確な動きを習得させるようなこと。
指導者が「このやり方ではだめだ」と言って、フォームなどを修正することがこれだ。
 
こういった時、指導する側がやってしまいがちなこと。それは、「断定的な表現」を使って教えてしまうこと。断定してしまうことによって、他の可能性を潰してしまっている。
 
たった1つの正解が存在していて、みんなをその方法、やり方に従わせるような、そんな指導だ。残念なことだが、スポーツの世界をはじめ、今でもこのような指導が行われている世界は多い。
 
この指導方法の欠点に気づいたときには、大きなショックだった。その欠点とは、応用が効かない、臨機応変に対応することができない人を育ててしまっていることだ。
 
正しいやり方として、正解として教えられているので、「それ」は絶対なのである。指導を受ける側がそこに疑問を持つことがほとんどない。場合によっては、疑問を持つことが許されていない。
 
よく考えてみれば、考え方も、体の使い方も、一人ひとり違っていて当然であり、指導者が正解とするやり方、動きによって、能力が引き出される人もいれば、反対に、悪い部分を修正しようとしたことによって、良い部分が失われるという結果になることも出てくる。
 
教える仕事をしてきた中で、良い指導者とそうじゃない指導者が、どんな世界にもいることに興味が出てきた。そして、指導者として実績の高い人たちを私なりに研究してみた。すると、興味深い共通点を見つけた。
実績の高い人ほど、教えていないのである。
 
私なりにであるが一流の指導者は、さらに良くなるようにヒントを提供している感じ。
そして、超一流の指導者は、「一瞬止まる何か」を提供しているのだ。それは言葉であったり、表情であったり、動作であったり。
私の中では、元プロ野球監督の落合博満さんの指導方法が、特に印象に残っている。
 
選手の前で腕を組み、首をかしげる。
あるときは「そうじゃないんだよなぁ」とつぶやく。
 
たったこれだけのことで選手の中で何かが始まるのだ。
 
そう、自問自答である。
 
その人の中で「自問自答」が始まったら、ほぼ間違いなく成長を引き出せたも同然だ。ある答えらしきものに辿り着けたと思っても、さらに自問自答は続く。もっと良くなりたい、もっと上手くなりたい、という気持ちがある限り、自問自答は続く。だから成長は続く。
 
2つ目が、「違和感」を感じることだ。昔、こんな映像を見たことがある。某プロゴルファーが、ゴルフ好きの芸能人と一緒にプレイをしている最中のこと。その芸能人が打つ球、打つ球、全てが右に曲がっていってしまうのだ。本人は右に曲がってしまうのを修正しようとして、クラブの握り方や、スイングなど考えられることを意識して、「次は真っ直ぐ打てるように」と願って打つのだが、打っても打っても、ボールは右側に曲がっていってしまう悪循環。
 
そんな時、プロゴルファーが、「左膝を、こういう風にしてみて」と一言アドバイス。その芸能人は、一瞬固まっていた。映像を見ていた私も、「なぜ膝なんだろう」と一瞬固まった。そのアドバイス通りに打ったボールは、真っ直ぐに飛んでいった。
 
このプロゴルファーは「違和感」を感じたのだと思う。なんとなく「左膝が変だな」というような感じだったのではないかなと予想する。
私はこの違和感を感じる力というのは、観察する力だと思っている。
 
そしてこの観察する力というのは、学んでいるだけの人には身に付かないもので、「考えて実戦、考えて実戦」を繰り返している人だけが獲得できる力だと思っている。身体知と言っても良いかもしれない。
 
自分の中で身体知となっているものだけが、違和感として感じることができる。
そして、観察するから違和感を感じる。違和感を感じるからもっと観察する。この繰り返しなのではないかな。
 
私の仮説だが、この繰り返しの量が、指導者としての価値と相関しているに違いない。
 
この2つの力を持つことは、指導者として大きなアドバンテージだ。
 
この2つの力を超一流レベルの武器として使っていて、私が目標としている人が3人いる。三浦さんはその中の1人だ。
 
 
 
 
***

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2022-07-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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