メディアグランプリ

Let’s クリティカルシンキング!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:kenken(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「仮説って何すか」
先輩が笑いながらツッコミを入れる。
先輩は私が作ったスライドをボロクソに指摘した。確かに様々な会社を経てウチの会社にきた百戦錬磨のサラリーマンからしたら、私の説明なんて何も意味もないものだろう。先輩は某大手サイトを運営した経験があった。各社しのぎを削るWebサイトの世界で生き残ってきた人の指摘は容赦ない。
 
「このサイトの目的は何? 現状は何? んでもって課題は何?」
「スライドに仮説って書いているけど、これ単なるあなたの思い込みだよね?」
「仮説ってことは何かを検証するために立てるものだけど、検証する何かがないよね?」
「こんなの簡単ですよ?」
 
クエスチョンマークを笑の文字に変えても大体意味が通じてしまう。そんなノリでツッコミを入れてくる先輩。指摘はごもっともだった。
 
ひょんなことからWebサイト画面のデザインを任されることになって、どんな画面がいいのだろうか、考えていた時の出来事だった。依頼元からWebサイトについて色々要望をもらって、Webサイトの開発陣からも色々要望をもらって、自分なりに考えて整理してみた。
けれども結果は悲惨だった。
 
そもそもウチの部署は仕事の仕方なんて教えてもらえない。
知らない人がいけない。
自分が知らないなら知っている人に聞くなり調べるなりしろ。
できない人がいけない。
できないならできるように努力しろ。
ウチの部署に配属されて学んだことだった。
 
自分から勉強しないと。
できないことがいつまで経ってもできないのは良くない。
課題は明確だった。
論理的に説明すること。
批判的に物事を考えること。
この二つ。
論理的に考えられないから、相手に自分の考えが伝わらない。
批判的に考えられないから、自分の考えの間違いに気がつけない。
もう勢いに任せて私はオンラインのビジネススクールに申し込んだ。講義の内容はクリティカルシンキング。論理的に批判的に物事を考えられるようになる講義だった。
 
受講してみたものの、その難しさに頭を抱えてしまう。いや、正確に言えば私が今までいかに頭を使ってこなかったのかを実感する。考えるけれども、思考が止まり、頭から煙が出てしまう。頭のいい人たちはこんなことを普通にやっていたのか、と思うと頭が上がらない。
頑張って主張を考えても根拠が乏しい。具体的な数字を持ち出さず、具体的な事例を持ち出さないから説得力に欠けてしまう。自分が根拠だと思っていたことは、全く根拠じゃなかった。
他の受講生の発言を聞いてみると、明らかに私よりも思考の質が高い。物事を深くより具体的な事例に落とし込んで考えている。「クリティカルシンキングを受講すべきか? 自分の意見を呼べよ」という課題が出されたとき、主張に対してどのような反論が考えられるか? 根拠は他にないのか? どんどんツッコミを入れていく。自分自身が出した結論に対して、この言葉はどういう意味なのだろうか? ぶつけていく。思考を止めないのだ。一度自分の主張を出したらそこで満足せずに、さらに問いをたてていくのだ。
 
こんな勉強を子供の頃から受けたかった。ウチの会社で成果を出している人たちも、子供の頃にこんな勉強をしてきたのかもしれない。もしくは大人になってから読書を読んだりビジネススクールを受けたりして、できるようになったのだろう。批判的に物事を考えることは、決して意見を否定することではない。わからないことを質問していって、新しい情報を引き出すことなのだ。
 
自分で自分の意見にツッコミを入れようにも入れられないもどかしいこの感じ。
自分の今の筋肉では上げるのがちょっと無理そうなバーベルを上げる感じに似ている。
まさに脳みそを筋トレしている感じである。
いや、正直筋トレの方がまだ楽である。
単純作業だし、成果が数字ではっきりと見えるし。
けれども、クリティカルシンキングという脳の筋トレは、単純作業とは正反対の思考作業。結果は数字に表れない。何が正解かもわからない。
 
「沼にハマってください」
「モヤモヤしてください」
 
クリティカルシンキングの講師の言葉だ。もう私はクリティカルシンキングの沼にハマってしまった。この底無し沼からなかなか抜け出せそうになさそうだ。仕事でもクリティカルシンキングを実践しようとする頭の中がモヤモヤして仕事が先に進まない。
だが、それがいい。
そう思ってしまう自分がいる。
なぜなら仕事中の自分の発言が変わっている自覚があるからだ。
 
「この仕事の背景ってなんでしたっけ?」
「ごめんなさい。周りくどい言い方をしてしまって。つまり○○ということです」
 
今までだったら前提をすっ飛ばして会話していたけれど、クリティカルシンキングを学んでから、気がつくようになった。
自分と相手とで知っている前提が異なるのだ。
自分も相手も意見は偏ってしまうのだ。
会議中、私は本来議論すべき内容とズレた発言をしていた。
今、この場で質問しなくてもいいこと、つまり会議の目的から外れた質問をしていた。
それに気がつくことができるようになった。
会議の内容をロジックツリーにまとめるようにした。すると会議の全体像がわかって内容が理解しやすくなる。
 
これはいいぞ。クリティカルシンキング。
 
結構ハードな脳の筋トレだけれども、初めて日が浅いけれども、こんなに効果があるなんて。これを何ヶ月も続けていったら、一体私はどうなるのだろうか?
そんな期待すら抱いてしまう。
そんなとき、私が考えたWebサイトのデザイン案が採用された。
クリティカルシンキングを学んだおかげかもしれない。
考えに考え抜いた結果、とてもシンプルなデザインになった。
デザインを専門に仕事をしている方にも高評価をいただいた。
俄然、やる気が出てくる。
もっともっと頭の筋トレを続けようではないか。
 
私だけではない。
まだ学んだことのない方にぜひ学んでほしい。
きっと新しい世界が待っているはずだ。
ちょっとだけ学んだ私でさえ、頭の中にモヤモヤを抱えて、思考の沼にハマって、その沼の中に新しい自分を発見したのだ。
 
さあ、あなたも。
Let’s クリティカルシンキング。

 
 
 
 
***
 
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2022-08-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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