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介護サービスに出会って、心も元気、お財布にもやさしかった。


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:TSUKI(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
身内の入院、退院を経て、介護サービスを利用することがスタートした。
それまではどこか他人事と思いながら、ニュースなどで見聞きしていた、
介護という言葉が身近となったのでこれを機に記しておこうと思う。
 
これからという人の参考のために、初心者としてお役にたてるかもしれない。
 
一口に介護といっても広域では、言葉のイメージには当てはまらないじゃないか、という症状が軽度のものから、寝たきりで動けない状態のものまでピンキリである。
かくいう私も、介護とは後者のイメージを抱いていた。
どちらかといえば末期、命の終焉のほうに近いイメージだったのも重ねて伝えておこう。
 
まず誰かの手助けが必要となったとき、初めに考えるのは家族でサポートする。できるだろうと考えるのが一般的なのかもしれない。つまり家族、ときには親族で抱え込むというかたちからスタートするのが大方である、ということだ。
当然ながらそこには心理的なものも発生する。
身内なのだから当然という使命感から、ある程度の世間体など複雑な心情が混在することも事実だ。
 
現実は一生懸命、我流でサポートする日々が続くと手に負えなくなってくる。
ゴールが見えないことに疲労を感じ始めたときに、介護制度の必要性を思い直す。
勿論、自分たちの生活も以前と変わらずにそこにある。
誰かのお世話をしていれば、自分たちの家事などが減るわけではなく、倍になってののしかかってくるのが現状だ。
ここで流れを変えないと負のループが始まって抜け出せなくなるような気もした。
その分野にたけた人間、新たな空気をいれて中を巡廻させる必要性もある。
 
度々、ニュースで見るじゃないか。
介護疲れで〇殺とか殺〇とか物騒な事件を。
あれは決して、人間的に愚かで劣っている人が行う特別なことではなくて、
まっとうに普通の人生を歩んできた誰にでも起こりうることなのだと、これもまた
強く実感した。老々介護なんていうのも世にも恐ろしい言葉だとさえ思う。
 
今、フーンと何となくこの原稿を読んでいるあなたにも、他人事ではなくなるかもしれない。
 
担当の介護士が教えてくれた。
「皆さん、自分たちだけで介護を頑張られて結局、窮地になってから私たちのところにくる人が本当に多いのです。もっと早くから来てくれたらいいのですけどね」
 
調べてみると、まずは管轄の役所に問い合わせをするといい。
電話一本すればそこから、道筋ができる。
そこで登場するのが介護保険の利用だ。
ここで患者本人が今まで支払っていた介護保険料を、利用する側となるのだ。
給与から天引きされることはあっても、意識している人は少ないのでないか。
私もそういうものを支払っているのだなというぐらいの認識しかなかった。
 
周知が徹底されていないこともあってか、制度について知らない人も多いし
利用までの壁を考えると、本当に必要な人に行き渡っていない現実があるようだ。
 
病人を抱えながら、日々追われていると余裕もなくなるので、新しいことに目が向きづらいのと、これ以上面倒な負担をかかえたくないという気持ちも手伝ってか
問い合わせまでいくのもはばかられる。
 
私はまだネットを駆使することにより、ある程度のインフォメーションを受け取れるが、
それでもサポートさなかは疲れ切って、リサーチする元気も気力も無かった。
色々なことに馴れてきて自分に余裕がでると、そういう気も起きてきたのだけれど。
 
老々介護とかだと、情報さえも取る術にたどり着かないだろうなあと、問題を実感する。
昨今では社会的問題になりつつ、情報格差もあり病院から、積極的に介護保険利用などの
紹介もしてくれるよう整備されつつあるということだった。
 
利用申請すると、程なくして認定員が審査に来る。
現状況のヒアリングと状態確認し、介護認定をするためだ。
全てはこの認定に基づいて、サポートされていく大事なものなのだ。
 
認定には要介護、要支援、自立とあり、このカテゴリーから更に細分化される。
自立というのは言葉通り自分で介助なしに行える、という判定になるので
介護保険の一部を除いては、適用外となる。
 
要支援、要介護と認定されることにより、使えるサービスの範囲と自己負担額が決まってくる。詳細はここでは省略するので、実際に利用するときに調べてみてほしい。
 
どんなサービスを受けられるかというと……
〇訪問看護サービス 看護師が居宅を訪問し、健康管理や体を動かすサポート
薬服用の管理、限定された医療行為ができる。
〇訪問介護(ホームヘルパー) 生活支援、買い物代行、掃除、洗濯、入浴などの支援
 
他にも介護用品を保険利用で、自己負担額のみで購入やレンタルができる。
例えばお風呂用椅子(よく旅館の浴室の端においてあるやつ)を3万円のものが
1割負担の人だと、3千円で購入できる。
 
まだ他にもサービスはあるのだけれど、介護用品などの物品と人的サポートの両面から、保険を使いカバーしていくことになる。
 
それらを包括的に取りまとめるのがケアマネージャーという存在。
患者ごとに必要なサービスの選定から、自己負担額の管理などの、プランナーとマネージメントを兼ね備えた調整役だ。
 
利用開始当時は、右も左もわからないような状態だったが、このように色々と学びながら、こちらに記せる程度には、理解できるようになってきた。
当事者になって経験してみないことには、わからないことだらけだった。
 
本来は、入院中にこのような段取りを整えてから、退院する方が理想の形なのだが、
無知だったために初動が遅れてしまった。
患者自身にも退院後のまだまだ体調万全でない時期に、不必要な負担を負わせてしまい、
そこは反省点だ。
 
介護士さんは、みんな初めてのことなのですから。そんなものですよと優しい言葉をかけてくれるのだけれど。
初めてで不馴れな分、恐ろしく要領が悪い自分がいた。
無駄な労力と動きがやたら多いものだから、消耗し疲労が積み重なった。
当然といえば当然なのだが。
勿論、サポートを受ける側も、不快や負担が増えてしまったのは違いない。
 
だからこそ、強く強くメッセージを伝えたい。
少しでも早く、介護保険を利用してサービスを受ける方が、お互いにとって最良だということ。
 
身内は、話を聞いてあげるなどメンタルのサポートや、このような手配や
情報収集に注力し、介護など実務は、その道のプロのお任せするのが一番いいなと実感した。
 
「こんなことで連絡してみていいの?」
「これぐらいで介護といえるの?」
と躊躇せずに、迷うことなくまずは連絡してみてほしい。
 
身体の状態と、介護保険の判定では乖離があるという現実もある。
社会情勢と高齢化も反映して判定も厳しくなりつつあり、また利用範囲や時間も年々狭まっているそうだ。
支える方の人間(介護保険料支払者)が減少していく一方では、これからは条件など
もっと厳しくなるのだろうなと容易に想像できる。
 
私たちは無知に加え、サービスを使うことに迷いや躊躇があり、
一番必要なタイミングがずれてしまったが、病気や事故は突然のことも多い。
どこに連絡したらいいのか? どの様なプロセスでやるか? など、すぐにアクションを起こせるように頭の片隅においてくださると、心強いのではないかな。
 
 
 
 
***
 
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