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お願いだから頑張らせてほしい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:深谷百合子(ライティング・ゼミNEO)
 
 
30歳を過ぎて、私は生まれて初めて言われた言葉があった。
「そんなに頑張らなくていいよ」
という言葉だ。
 
生まれてから30年、家でも学校でも「頑張れ」しか言われたことのなかった人生で、初めて言われた「頑張らなくてもいい」という言葉に、私は強烈な違和感を持った。正直、「いや、ほっといてよ。大きなお世話だから」と思ってしまった。
 
なぜなら、4年ぶりに復帰した仕事は、楽しくて仕方がなかったからだ。それまでの4年間、妊活という「努力が必ずしも結果に結びつかない」日々を過ごしていた私にとって、頑張れば結果がついてくる仕事は、やりがいに満ちていた。当時の職場は仕事量が多く、やろうと思えばいくらでも仕事はあった。私は1日4時間のアルバイト勤務だったけれど、忙しい時には残業も引き受けた。自分にできることは何でもやった。
 
そんな私に周囲の人は
「アルバイトなのに、なんでそんなに頑張るの? そんなに頑張らなくていいのに」
と言うのだ。
 
「なんでアルバイトだと頑張ったらいけないの?」
私はそう言いたいのをグッとこらえていた。「頑張らなくてもいい」と私に言ってくれる人たちは、悪気があってそう言うのではない。むしろ、アルバイトなのに正社員並みに働く私を心配して言ってくれているのだ。
 
「無理したら体を壊すよ」
「頑張ったところで、アルバイトなんだから給料や職位が上がるわけではないんだし」
そういうつもりで、私をいたわってくれていたのだ。
 
でも、私は仕事をしていなかった4年間の方が、ずっと辛かったのだ。誰の役にも立てていない自分。報われない努力を繰り返す日々。仕事をしている今の方が、心も体もよほど楽だ。お願いだから頑張らせてほしい。私は心の底からそう思っていた。
 
確かに、頑張りすぎて心身に不調をきたしたり、過労死を招いたりすることがあるのは事実だ。一方で、頑張りたくて頑張っている人たちがいるのも事実だ。
 
周りから「やりすぎじゃない?」、「お母さんなんだから、そんなに仕事を頑張らなくても」と言われて悩んでいる人に出会ったことがある。「私は体調管理も時間管理もちゃんとやっているし。全部を完璧にこなそうともしていない。それでも、やりすぎと言われると、そうなのかなと思ってしまって、どうしたらいいのか分からなくなる」と言う。
 
やりすぎかどうかって、何に照らしてそうなのだろう?
お母さんだから頑張らなくてもいいって、なぜだろう?
他人の「悪気のない解釈」が、かえって本人を苦しめていた。
 
よく「登山が趣味です」と言うと、「なんでわざわざ、そんな苦しいことをするの?」と言われるけれど、それとよく似ているかもしれない。「登山は苦しい」と思っている人もいれば、そうでない人もいる。私は好きで山に登っている。登りたいと思うから登っているだけだ。登ったから見える景色があるし、登ったから味わえる達成感がある。それを得るために登っている。それと同じように、「仕事は大変なもの」と思う人もいれば、そうでない人もいる。ただ解釈の違いがあるだけだ。
 
だけど、人は自分の解釈で声をかけてくる。
 
私が「仕事人間」を自称すると
「ワーカホリックですか?」
と言われることがある。
 
「もっと自分を大事にしてあげて。承認欲求が強かったり、自己肯定感が低かったりするのが、頑張りすぎてしまう原因かもしれないよ」
と言われたこともある。
 
確かに、私は承認欲求強めだ。頑張って認められたら嬉しい。だけど、
「自己肯定感が低いから頑張りすぎる」
と言われると、なんだか釈然としない。私は誰かに認めてほしいから頑張っているのだろうか? そうじゃない。楽しいから頑張っている。頑張ったその先に得られる結果や達成感、自分の成長のために頑張っている。
 
自己肯定感とか持ち出さなくても、頑張りたいから頑張っているのか、それとも、本当は頑張りたくないのに我慢して頑張っているのか、ただそれだけの違いなのだと思う。
 
なにより大事なのは「自分がどうとらえているか?」だ。
 
目的があって、頑張りたくて頑張っているのなら、周りの人たちの気遣いはありがたく受け取ったうえで、ブレずに堂々と頑張ったらいい。
 
でも、そうやって頑張っていると、次々と仕事を頼まれることがある。中には気乗りしないけれど、やらなければならない仕事もあるし、ボランティアでやらなければならないこともある。
 
正直、「何だか都合良く利用されたな」と思ったこともある。
 
でもそれも、自分のとらえ方ひとつだ。
 
「便利に使われた」と思ったら、自分は「便利に使われる存在」になる。だったら、たとえ便利に使われたとしても、タダで起きないようにしたらいい。
 
頼まれたことをすることで、新しいことを覚えたり、自分で気づいていなかった自分の強みに気づいたりすることもある。それを次に生かせばよい。
 
相手のためにしたことなら、自分の「成果物」に対して相手からきちんとフィードバックをもらうことにしよう。
 
例えば、「ちょっと教えてくれない?」と何か聞かれたとする。一度や二度ならともかく、毎回そんな感じだとウンザリする。でも、「その後どうだった?」と相手からも情報をもらうのだ。自分が相手に起こした変化は「成果」になるからだ。
 
どうせ頑張るのなら、じっと我慢するよりそれぐらいしたたかでもいいんじゃないかな。
 
「お母さんだから」、「もう歳だから」とか「人から言われたから」と遠慮なんかしなくていい。それが「自分を大事にすること」なんだと私は思っている。
 
 
 
 
***
 
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2022-08-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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