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見た目は大人、中身は子供!? 果たしてその意図は!


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記事:紗矢香(ライティング・ゼミ特講)

 
 
「見た目は子供、頭脳は大人」のフレーズと言えば、名探偵コナンである。
 
私が娘によく使う言葉は、
「見た目は大人、中身は子供、その名は○○(娘の名)」
逆コナンバージョンだ。
世間では悪い意味で使われているようだが、我が家ではそうではない。
娘は純粋に子供のように振る舞う。
実際は大学生だ。
なぜこのように言うようになったのか。
 
娘が小さい頃、私は初めての子育てが思い通りにならずに厳しくしていた。
娘も負けん気が強く、周りがいうには、親子で取っ組み合いのけんかをしていたらしい。
二人とも覚えていないのだか。
娘が幼稚園の時、スーパーで自分の好きなものが買ってもらえずケンカになると、プィッと出ていき、家まで歩いて帰ってしまったという武勇伝もある。1キロぐらいの距離だ。まっすぐの道で田舎だからよかったものの、冷や汗が出た。
対象的に2つ下の息子はおとなしく、おだやかな性格だったので、娘ばかり怒ることになってしまっていた。
娘は、中学生まではかなりの反抗期だった。
勉強もせず、携帯でゲームばかりをして、テストの順位もよくなかった。
家庭の事情で、私立高校への進学は難しいから勉強してよと、口を酸っぱくして言っていた。
私の口調も厳しかったのかもしれない。娘はますます反抗して、部屋にこもっていた。
 
高校は無事希望するところへ合格したが、入学してからも成績はどんどん下がっていた。
娘ももう思春期だ。怒れば怒るほど心を閉ざしていく。これ以上娘と衝突していてもよくない。
このままでは、私の親との関係性と同じことになりかねない。
私は自分の親に、なんでもだめだと言われて育っていた。それが嫌で家を飛び出したのに、自分も全く同じことをしているではないか。
 
どうしたら娘との関係がよくなるか考えた。
まずは、娘の存在を認めよう。
いつもの私なら口やかましく言うところだが、それをぐっとこらえた。
それからは、娘を見守ることにした。
娘がやりたいと言ったことは応援し、やりたくないことは気持ちに寄り添うようにした。
「英検取りたい!」
「○○(娘の名)がそう思うならやってみな。頑張って!」
「花火に浴衣を着て友達と見に行きたい!」
「駅までは車で送ってあげるから、気を付けて行っておいで」
「塾、辞めたい」
「いやなら辞めたらいいよ」
今までは、娘の気持ちも考えずに否定していたかもしれない。
娘の意見を尊重するようにした。
そんな私の対応が娘にも伝わったようだ。
「なんかママ、最近優しくなったみたい」
 
面と向かって言われたわけではない。
だが確実にわたしの気持ちが伝わっていることに気が付いた。
娘も少しずつではあるが、日常の言動や態度が変わってきた。
 
なぜそのように気持ちを切り替えることが出来るようになったのか。
それが冒頭の逆コナンのフレーズにさかのぼる。
娘のことを、歳はもう大人だが、中身を子供、幼稚園児だと思うことにしたのだ。
そうすれば不思議と腹が立たないのだ。
どんなに我儘言っても、悪態つかれても、幼稚園児だからと思えば、しょうがないと妙に納得してしまう。
これがもう大人なのに! もう18歳なのに! と思うとイライラするだろう。
娘は娘で、お母さんが私を受け入れてくれる、私の我儘を聞いてくれていると感じ、心が安定してきたのだ。お互いにとっていいことだらけだった。
 
今思えば、初めての子育てだったとはいえ、娘に厳しくしすぎていた。本当の幼稚園児だったときは、イライラして、我儘を聞いてあげられなかった。
それはだめ、ちゃんとしなさいと怒ってばかりいたのだろう。
だから大きくなった今、我儘を思う存分聞いてあげるのだ。
少々甘やかしても、甘えさせても、娘の心が満たされるのであれば、それでいい。
自分が我儘を言っても大丈夫だと甘えられる場所があることは大事だ。
娘は外では、立派に学業も人付き合いもこなしている。
家の中くらい、幼稚園児のように駄々っ子でもいい。
 
ただ私も人間なので、時には腹が立つこともある。その場合は、自分を小学生だと思うことにしている。小学生だから、ちょっと腹も立つけど、幼稚園児には、優しくしないとねと一人で納得する。そして優しいけれどたまに子供っぽい息子は、中学生(実際は高校生)と勝手に仮定している。
息子も、人からもらったお菓子を娘に全部食べられたり、悪態をつかれたりした時も、
「しょうがないね、幼稚園児だもんね」
と実年齢は2つも年下なのに許してくれる。彼が一番大人なのだ。
娘は幼稚園児。母は小学生。息子は中学生。
我が家ではこのような関係が成り立っている。
娘も自分が幼稚園児として扱われていることは知っている。
嫌がるどころか、娘はこの関係が心地いいようだ。
伸び伸び過ごしている。
 
「ママ、好き!」
「ママも○○(娘の名)が好きだよ」
ストレートに表現してくる娘に、負けずと私も言い返す。
 
すべての家庭で通じるとは思わないが、私はこの方法で、娘との関係を克服した。
親子がそれぞれ心地いいと思う間柄で毎日を過ごせたらそれが一番だ。

 
 
 
 
***
 
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2022-08-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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