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メディアグランプリ

「まず一歩を踏み出す」彼女はなぜ独学でジュエリーブランドを確立できたのか


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:塚本よしこ(取材ライティング講座/合宿)
 
 
「それいいね!」
つけていると同世代の友人から声を掛けられるアクセサリーがある。天然石を使ったジュエリーブランド「FUGA」のピアスやネックレスだ。
現在米国ニュージャージー州に住む日本人女性、藤田千春さんによって2004年に生み出されたこのブランドは、そのデザインと世界観に魅了された息の長いファンを持つ。
18年続くこのブランドを彼女はどんなきっかけではじめたのだろう。
千春さんとオンラインで繋がり、話を伺った。
 
社会で求められ、雇ってもらえる年齢は35歳までなんだ……。
千春さんが長女の出産を控えていた頃、求人広告を見ると、募集していたのは35歳までが多かったという。子どもが3人は欲しいと思っていた。産み終わったころには35歳はとうに過ぎてしまう。
そこで彼女は、「それなら何か自分でやったらいい」「何かできることはないか?」そう考えた。現在であれば、「女性の起業」や「好きなことを仕事に」というような話がメディアで取り上げられるが、もう18年も前に、そんな考えがあったことに驚いた。
そして彼女は、昔から好きだった物づくりに目をつけたという。
 
物づくりといっても、どうしてアクセサリーを作ろうと考えたのだろう?
それはアメリカである老婦人を見たのがきっかけとなったそうだ。その御婦人はエメラルド色のスーツにゴールドやシルバーではなく、カラフルなアクセサリーをつけていた。
「綺麗だな……つくってみたい」そんな思いが湧き上がってきたという。
当時、日本では、ゴールドやシルバーの小ぶりのピアスが流行っていた。大ぶりのカラフルなアクセサリーを見かけることはほぼなかったのだ。
 
それから、組み紐、ビーズ、パール……とさまざまな素材を使って、アクセサリーをとにかく作ってみた。すると、形、大きさ、濃淡など一つとして同じものがない天然石に惹かれていった。
作り方はどう学んだのか? それが、全て独学だったそうだ。
売られているアクセサリーをよく観察し、とにかく作ってみたのだという。日本の大学を卒業してからアメリカで勉強したのはインテリアであり、特にジュエリーの勉強をしていたわけではなかった。
 
「自分がつけて楽しいと思うもの」を制作しはじめ、形になってきたところで、最初はネットで売りはじめた。すると、アクセサリーに興味があったり、探してみえた方と繋がり、売れはじめたという。いいスタートを切れたようだ。台湾から大量の注文が入ったこともあるという。
 
 
 
その後、しばらく経ち転機が訪れる。
卸をしないかという話がきたのだ。また、展示会に参加し作品を紹介したことで、何人かから声を掛けてもらった。その時の出会いがきっかけで、現在も新潟の伊勢丹やセレクトショップ、博多大丸には千春さんの作品が常設されている。
「FUGA」の魅力の1つに商品の展示の仕方がある。自然をイメージして作られるというその空間は、都会に突如現れた森のような、独特な世界観が表現される。
 
 
作品は鹿やリスなどの野生動物が現れることもあるという自然豊かなアメリカの自宅で制作される。個性の違う石を前にして、それらをどう調理しようかと考える。主役を決め、次に脇役の石を決めていく。主役が一番大事ということでもなく、脇役も大切で、脇役が決まらないから何年も出番のない主役の石もあるそうだ。
「食べてくれる人がいるから料理を作る」のと一緒で、「欲しいと言ってくれる人がいるからつくり続けることができる」。作品の向こう側には常にそれを身に着けている人の姿があるようだ。
どんな風に作品のイメージが湧いてくるのだろう? このことはよく聞かれるそうだが、説明が難しいという。イメージが浮かんで石を購入するというよりは、制作しようといくつかの石を並べた際にイメージが湧くそうだ。
お店を持ちたいという気持ちはあるのだろうか? そんなことを考えたこともあるけれど、一箇所にはいられないので、今は店を持つことは考えていないとのことだった。
 
最後に、何かを始めたいと思っていても、どうしていいか分からないという女性にメッセージがないか聞いてみた。
「完璧に準備しなくても、今できることで、今やりたいと思うことをやればいい」と思う。やっている間に、何が本当にしたいのか? 徐々に見えてくる。
少し売れ始めた時に、ビジネスって面白いなと思ったそうだ。そこで大きく展開することもできた。しかし、自分が本当にしたいことは何か? 自問自答したところ、量産し規模を大きくしていきたいのではない。万人受けしなくても、自分がいいと思う作品を自由に作りたい、自分はビジネスより、作ることが好き! そう気づいたそうだ。
また、大切なのは「人との出会い」だという。バイヤー、同業者、お客様との出会いが、その都度自分がどの方向に進みたいのかを知るきっかけになったという。
 
 

今回お話を伺って、千春さんがまず見よう見まねで作ってみたように、今やれる範囲で、少しでも動いてみればいいのだと感じた。その少しの行動が、こうして18年続くブランドの始まりになるとは彼女も考えていなかっただろう。
何かをはじめるのに、必ず学校や講座で学ばなければいけないということもないのだ。
 
あなたがやってみたいこと、興味のあることは何ですか?
まず、小さな一歩を出してみる。そこから全ては始まっていくようだ。
 
 
 
 
「FUGA」2004 天然石を使ったアクセサリーの制作、販売。
日本国内の百貨店での常設と、ポップアップショップによる販売。
***
 
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2022-08-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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