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美の秘訣はアンディオールにあり!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:みなみあすか(ライティング・ライブ福岡会場)
 
 
拍手が鳴り終わらない。
3時間のバレエの舞台「眠れる森の美女」の幕が下りる。
夢を見ているかのような美しい世界に酔いしれる。
美しい立ち振る舞い、優雅な表情とは裏腹に全身の細かい筋肉をフルに働かせ肉体的にはかなりの重労働を成し遂げている。
「同じ人間だとは思えない美しさ……」
鍛錬を重ねた身体だからこそ表現できる世界。だからそこに「美」がある。
「美」について考え始めたスタートラインだった。
「どうしたらその美を創り上げられるのだろうか?」「私もやってみよう!」
 
そして、その純粋な想いだけを胸にクラシックバレエ教室の門を叩いた。
「膝が曲がってる!」「足の甲をもっと前へ伸ばす!」「太ももの裏側を使って!」と先生からの熱の入ったコメントに初めて「確かに膝が曲がっている……」 「足の甲が伸ばそうという感覚が今までなかったな……」と気づく。
そして、「太ももの裏側を使うって?  いったいどうやって?」
「太ももは外側に巻いてとは??」と頭の中は疑問符だらけになる。
自分の身体とは思えない位、身体を意識的に動かせず、細部まで神経が通っていない身体に
「今までなにやってたんだが・・・・・・」と自分に呆れる気持ちと同時に、身体のパーツとの対話が始まり、身体が少しずつ開拓されていくようで、身体の使い方を知ることの面白さに興味が湧いていた。
 
「太ももの裏側さん、そろそろ起きましょうよ」
眠っていた太もも裏側の筋肉を目覚めさせようと声をかけてみる。
クラシックバレエの時間は未開拓の身体のパーツとの対話の時間でもある。
 
背筋がピンと伸びていて、脚先が若干外向き気味に、颯爽と歩いている人。
その人の姿勢をみて、「きっとクラシックバレエをやっているな」と一目で分かる。
その理由のひとつに「アンディオール」という脚を外側に回転させるバレエ特有の身体の使い方がある。
 
「アンディオール」とはフランス語で「外側へ」を意味する。
この「アンディオール」にこそバレリーナの脚線美を創り出す秘訣がある。
 
膝から上の部分、太ももの付け根辺りを外に回す、一方で、膝から下の脚は内側に回す。
膝を起点に雑巾を絞ったように捻りあげられた脚は細く長く、そして美しく見えるのだ。
「そうか、アンディオールができれば美しい脚が創り上げあれるのか」と頭では理解するものの、
それを身体で実践できることとは全く別の次元である。
「太ももは外側、膝から下は内側……」と頭から指令を出すものの、身体からのリアクションは残念ながら、ない……。
「どうすればいいの??」 その「アンディオール」の感覚が掴み切れないのだ。
 
そんなバレエレッスンの帰り路、床屋の前でくるくる回っている赤・青・白のシマシマのポール、
そうサインポールが目に入る。
「もしかして、このくるくるするサインポールもアンディオールでは?」と思いつく。
まずは目から入るものでアンディオールのイメージをつくり、それを身体へ伝えていくことがいいかもしれない。「まずはイメージづくりだ」
そう思いついた私はアンディオールの素材を街中で探し始めた。
 
アイスクリームショップ前に立ち止まって、「あれ、ソフトクリームもアンディオールしている!」
今までソフトクリームの形状まで意識していなかったが、ネジネジしたスパイラルしたその形は太もも外まわしをまさに実践しているかのような姿がそこにはあった。
 
そして、文化財にも指定されている洋館を訪れた時に見た美しい螺旋階段。
「その螺旋階段も確かにアンディオールしている!」
 
次に、フラワーレッスンでマクラメというコットンの紐でプランツハンガーを作った際、
「捻り織り」という手法を教えてもらって、織ってみたら、これもまさに外巻回転のアンディオールがなされた紐が出来上がった。なかなか美しい螺旋だ。
 
これ以外にも、夏祭りの神輿担ぎ人の頭に巻かれていた「ねじり鉢巻き」、台風や鳴門海峡の渦巻、神社の注連縄。
このように街中にアンディオールを探し出したらあちこちにあるではないか!
そんな街中から集めたアンディオールのイメージを頭で思い描きながら、自分の身体でもアンディオールを実践してみる。先生には私の頭の中まで見えないだろう……と頭の中でこっそり床屋のサインポール、ソフトクリーム、螺旋階段、マクラメの捻り織り、ねじり鉢巻き、台風、鳴門海峡の渦巻、神社の注連縄……と次々に映像を展開させアンディオールのイメージを広げていく。
すると、動かなかった身体がアンディオールに向かい始めてきた。
 
「今日はアンディオールがいつもよりできているわね!  脚がいつもより細く綺麗に見えるわよ」
思いがけない先生からのお褒めの言葉に思わず、「作戦成功!」とニコッと喜びを隠しきれない。
 
美しさの秘訣、「アンディオール」
太ももの付け根をちょっと外回しにまわしてみる。
そのちょっとの外回しの動きが身体の中にスパイラルを生み出し、らせん状の動きに繋がっていく。
 
そのスパイラル回転によって、エネルギーが上へ上へと伸びあがる。
そして、身体が渦巻くように上に身体が高く引き上げられ、長く細い身体が創り上げられ、背筋がピンと気持ちよく伸びる。なんて心地よい感覚。
 
止まっているかのような時でも常に途切れることなく、常にスパイラルが内側で起きている。
その止まることのないこの動きこそが美しい身体のラインを創り出すのだ。
 
「美」は自ら創り上げるもの。
私の「アンディオール」への挑戦はまだまだ続く。
 
 
 
 
***
 
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2022-08-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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