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私の転機~習慣化が出来た理由~


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:紗矢香(ライティング・ゼミ特講)
 
 
救急車を呼んでもいいレベルではないか。
仕事先で急にお腹が痛くなり、トイレの中でうずくまっていた。
生理痛は元々あったが、今回の痛みは明らかにいつもと違っていた。
さらに運悪く、いつも飲んでいる痛み止めを切らしていた。さあ、どうしよう。
 
なんとか自分の席に戻り、痛みに耐えながら、隣の席の同僚に痛み止めをもっているか声をかけた。同僚は、真っ青な顔の私に大丈夫? と声をかけながらすぐに出してきてくれた。
額から脂汗がでる。我慢、我慢。数分後、痛み止めが効いてきた。助かった……。
さっきの痛みが嘘のよう。これはこれで、怖い。
やっぱり病院で診てもらった方がいいよな。でも、産婦人科に行くには勇気がいる。
ちょうどお昼に一緒にランチを食べた友達に相談した。それはすぐにでも行った方がいいよと背中を押され、友達が紹介してくれた産婦人科に行った。
 
「どうされましたか?」
「生理痛がひどくて」
 
内診と超音波で、確認する。
 
「これはうちでは手に負えないので、大きい病院を紹介します」
「えっ!」
頭が真っ白になった。
そして数日後、大きい病院で精密検査をすることになった。
 
「卵巣が少し腫れていますね。とった方がいいですが、どうしますか?」
 
そんな簡単に……とは思ったが、とりあえず考えさせてくださいと言って、一旦帰ることにした。
今まで生きてきて、子供は二人産んだが、手術はしたことがない。
私の母も何年か前に卵巣を摘出していた。
遺伝か……。
手術はやっぱり怖い。なかなか決心がつかないまま、月日がながれた。
そうこうしているうちに、なんだか体調が悪くなってきたのだ。
もう一度、病院へ行く。
「卵巣がさらに大きくなっています。これは手術したほうがいいでしょう」
 
さすがに私も覚悟を決めた。そこから2週間後、手術をすることになった。
病名はチョコレート嚢胞、子宮内膜症のひとつだ。今は腹腔鏡手術といって、お腹に3ヶ所小さな穴を開けて卵巣を取り出すので、術後の回復は早い。そうはいっても全身麻酔。不安で押しつぶされそうな心をなんとか奮い立たせて、手術日までは普通に仕事をしていた。
 
手術日の前日に入院した。1週間の入院なので、それほど荷物もない。少しの本と、レンタル屋で借りてきたDVDを持って病院へ向かった。
部屋は大部屋で、私以外に3人の人が入院していた。
 
担当医師から最後の説明を聞いた。眠れそうにないので、睡眠薬を処方してもらった。だが興奮してか、不安からか、まったく眠れなかった。睡眠薬って効かないこともあるのだな。
手術当日は睡眠不足もあってか、あまり緊張せずに手術室に向かえた。
横になると麻酔はあっという間に効いて、意識がなくなった。
 
目が覚めたら、もう病室に戻っていた。
看護師さんに、
「1から10の間だったらどれくらいの痛みですか」
と聞かれ、「8です」と答えた。
予想はしていたが、かなり痛い。だがこれで生理痛がなくなるのかと思うと嬉しかった。
 
経過は順調で予定通り、1週間で退院した。
もう1週間は、自宅で安静に過ごすように言われた。
家では在宅で少しずつ仕事を始めて、徐々に普通の生活に戻っていった。
結局病気になった原因はわからない。
ストレスか冷えからか。
 
今までは、特に体を大事にしてこなかったし、運動もなにもしてこなかった。
もう年齢も年齢だし、真剣に考えていかなければいけない。
もっと早く行動していたら、病気にならなかったかもしれない。
だがこの病気で悟ったのだから、それはいいことだ。
 
身体が元通りになってからは、まず筋トレに通うようにした。
市が経営しているジムなので、200円で1日トレーニングが出来る。
インストラクターに、
「あなたは筋肉をつけないと大変なことになりますよ。このままいくと尿漏れを引き起こす可能性があります」
と言われてしまったのだ。
確かに学生時代は帰宅部で、今まで運動はやったことがなかった。
それから週2回そのジムに通うことにした。週2回だとなかなか効果は得られなかったが、行くことに意義があると思い、通っていた。
そんな中、コロナ禍になり、ジムも閉鎖されてしまった。
せっかく行きだしたのにと思い、何か他に運動できる方法はないかと考えた。
そうだ、YouTubeだ! YouTubeを見ながら筋トレをすることにした。
 
だが一人で運動をするというのは、なかなか続かないものだ。
私は習慣化するために、ノートに日付と、毎日実行したら〇をつけることにした。
お腹筋トレ5分、お尻筋トレ5分、上半身筋トレ5分、ヨガ10分。計25分。
これを毎日やったら〇をつける。時間は、お風呂上がりの毎日21時と決めて。
 
週1回、月曜日は休む。これを半年続けた。以外にも飽き性の私だったが、続けることが出来た。
 
勢いがつき、プラスで勉強も毎日の表の中に取り入れることにした。エクセル、ワード、パワポなど勉強をしたら〇をするだけだ。内容はなんでもいい。仕事のすきま時間や休憩時間に勉強の動画を見るだけでもいいし、参考書を読んだり、実際にパソコンで作ってみたり。毎日することが増えたが、その分身についていると思うと頑張れた。
 
実行したらノートに〇をつけるという行為だけで、習慣化をみごとに達成したのだ。資格を取りたいときも、表にプラスして、毎日続けた。
身体も鍛えられるし、知識も獲得できる。なにより毎日やり続けていることで、自信につながった。
病気で痛い思いをしたが、あの時から私の中で何かが変わった。
自分と向き合い、今自分がなにをすべきか、なにをしたいかがわかって、行動に移すことができるようになった。
人はなにがきっかけになるかわからない。
それに気づけた時が転機になる。
いつまで続けられるかわからないが、習慣化しているから、今日も普通にこなしていくだけだ。
習慣化って大事だ!
 
 
 
 
***
 
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2022-08-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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