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♪詰替える、詰替える、詰替える、私~♪


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:むぅのすけ(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
♪詰替える、詰替える、詰替える、私~♪
 
このタイトルには続きがある。
 
これはよく知られた昔のアニメ、初代機動戦士ガンダムの主題歌を、私が勝手に替え歌にしたものだ。
ファンの間では伝説級と言われる作品を軽んじるつもりは、全くないのだが、あまりにも語呂がハマったので、最近こっそり使わせてもらっている。
 
そしてそのあとには
♪なにを~~ ○○~~♪
と続くのである。
 
○○には、その時に詰替えるものが入るのだ。
例えば、あらゆる種類の洗剤であったり、調味料の名前であったりと、とにかく詰替える必要のあるものの全てが対象になる。
 
ついでに明かすと、2番のような歌詞もある。
♪詰替える、のところが、
♪取り換える、になるだけだ。
ティッシュやトイレットペーパー、ラップ等に使うことが多い。
 
 
わざわざ歌うなんて、自分でもおかしなことをしていると思う。
では、ナゼこんなことをするのかを改めて考えてみる……
 
面倒くさいのだ。
 
ただ面倒くさくて、できるならしたくないことを、私がせねばならないと思うから、家でも会社でも、必要がある度に詰替えたり取り替えたりしている。
 
幕末の長州藩士、高杉晋作の名言の一つにある
『おもしろきこともなき世をおもしろく』 ほどの大層な話ではないのだが
せめて少しは面白くなれば、面倒くささも軽減するかと、いつしか自分で編み出したのだと思う。
 
 
詰替えるなんて、たいした労力ではない。
空き容器の様子を確認して、汚れを落とし、キレイにしてから、新しい中身を入れて、詰替えは完了する。
取り換える場合は、空になった入れ物や芯などを新しく入れ換える。
 
本当にたいしたことない。
大したことないからといって、しないとどうなるかしら。
……と思ってみたが、実際はどうということでもないかもしれない。
 
無くなった後に使う人が、無いことに気づいて詰めたり、取り換えたりすればよいのだろう。
確かに急ぎたい時にないと困る場合もあるが、無くなっていれば、多少イラっとしながらも必要な人が必要な時に換えるだろうから、それでよいのだ。
 
でも、これは立派な労働と言えるだろう。
確かに、面倒くさいなと思うことと共に働く思考は、次に使う人やその時間を思う気持ちである。
 
 
洗剤も、調味料も、ティッシュも、みんなみんな、あまりにささやかで、普段はわざわざ思い浮かべもしないようなものばかりだ。
 
いつも当たり前に、そこにあるもの。
あるのが当たり前過ぎて、ないことなんて考えたこともないもの。
でも使えば減って、無くなっていくもの。
 
 
詰替えなんて面倒くさい。
そんな誰にとっても面倒くさい、ささいなことを煩わせずに、その分ほんの少しでもいいパフォーマンスの助けになれば、必要な時に時間の短縮ができればと願う。
 
それが、毎日忙しく、外でそれぞれに頑張っている家族や、仕事に励む会社の人達に向ける気持ちであるように思う。
そうやって、家族や会社の人たちの 『当たり前』 を守っているのである。
 
私のする詰替え作業なんて、たかが知れているが
当たり前と言えば、世の中はあって当たり前なものが溢れているような気がしてくる。
 
例えば
決まったダイヤ通りに来る電車、公共施設にあるトイレ、暮らしの中で出るゴミを出すだけで処分してくれる仕組み等……挙げればきりがない。
 
それらは全て、誰かの手によって守られている、私たちの 『当たり前』 なのだ。
 
当たり前を保つことは、実は当たり前に楽な事ではないはずで、きっと沢山の努力が集まって出来ているのだろう。
そんな風に想像すると、既に見知ったあらゆることや、見えずに自分にはまだ計り知れないこと等にも、感謝の念が湧いてくるように思う。
 
 
そこまで考えて、ふと、替え歌の元ネタであるガンダムのことが気になった私は、世代的にも詳しい夫に聞いてみた。
ガンダムとは、いったい何なのか。
やっぱり、何かを守って戦うロボットなのか、と。
 
すると夫は一言
『ガンダムは、モビルスーツ』
と教えてくれた。
それから、アニメの設定は、いわゆる戦争なのだ、と。
 
詳しくはわからないままだが
スーツというからには、身にまとう、というか人が乗り込んで戦う力を得るのだ。
そして戦争なのだから、きっとお互いが譲れぬものを守るという大義を掲げて、祖国のために犠牲を伴いながら戦うのだろう。
 
だとすると、私の替え歌もあながち的外れでないかもしれない、という気がしてくる。
ともすれば、イヤイヤすることになる詰め替え作業を、面倒くささを伴いながらやり抜くのだ!
 
 
……などとおおげさだが
全くもって大したことない、ちょっとした詰替え作業が必要な場面は、今後も数えきれないほど訪れるだろう。
 
その度に、これからも私は自作の替え歌をこっそり歌うのだ。
 
そうやって、私は自分なりのモビルスーツに乗り込む。
自分こそが常に見知らぬ沢山の方々に守られていることを感謝しつつ、面倒くさくても近しい人達の当たり前を守っていこう、と改めて誓ってみることにした。
 
 
 
 
***
 
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2022-10-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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