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美容院でのセレンディピティ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:Makiko(ライティングゼミ8月)
 
 
今日は、月に1度の美容院だ。
私にとって美容院とは、様々なものへの新たな、偶然の出会いの場だ。
 
今日も新たな出会いがあった。
それは、マンガだ。
 
私は普段、ほとんどマンガを読まない。
幼いころから、ゲームとマンガは子供にとって有害なものとされ、ほとんど買ってもらえなかった。
昔は、禁止されていた反動もあり、読みたい!と思っていたが、社会人になり、忙しくなると、マンガを読む時間は無駄な時間だと思うようになっていた。
 
が、今日は、ちょっと読んでみようと背中を押してくれた。
ある雑誌でマンガの特集をやっていた。
仕事編、家族編、女性の人生編、胸キュン編等、さまざまな部門でマンガ好きがお勧めを紹介していた。雑誌を読み進めていると、試しにマンガを読んでみようかな。という気持ちになった。
 
美容院の帰りに、その足で書店に立ち寄った。
紹介されていたマンガの中でも気になっていたものがちょうど店頭にあり、1冊買ってみた。
 
面白かった。
 
何か特別な出来事があるストーリーではない。カスタマーサポートとして働く女性の日々の生活を描いたものだ。面白かったのは、心の描写だ。
そうそう、あるある! や、なるほどそういう表現か~ しっくりくるわ~ 等と独り言を頭の中で唱えながら、夢中になって読んだ。
家に置いておいたら、家族も読んで、「これ、面白い!」となったのだった。
早速、続編を買ってしまった。
 
美容院で雑誌を読まなければ、このマンガに出会うことはなかっただろう。
普段、手に取ることはない雑誌だ。しかも年に1度くらいの頻度でしか特集しないマンガだ。
 
セレンディピティという言葉がある。「偶然の産物」を意味する言葉で、科学の世界で使われてきたそうだ。
美容院は、そういった新しい偶然の出会いをもたらしてくれる「セレンディピティ」がある場所だと思う。
 
例えば、流れている音楽。美容師さんとの会話。美容院のインテリアや観葉植物。美容師さんの髪型、服装、他のお客さんとの会話から聞こえてくる情報。等など。
 
こんなこともあった。
 
「ぼく、この音楽の雰囲気好きなんですよね~」
と美容師さん。
「なんていう音楽か、スタッフの子に聞いてみたら、意外や意外、髭ダンだったんですよ~。めずらしくないですか? この感じの音楽」
 
確かに珍しい。でも私も好きな雰囲気だった。
その後、曲の名前を聞いて、お気に入り登録した。
髭ダンは、たまに好んで聞くくらいなので、聴きたい曲が増えるのは、自分の世界が広がる感じがして嬉しかった。
 
この曲との出会いも、まさにセレンディピティだ。
美容師さんに教えてもらわなかったら、大げさだが、この曲を知らずに生きていただろう。
もっと言えば、この美容師さんにカットをしてもらえたときに、この曲が流れなかったら、こんな会話にはらなかった。聞いても、いい曲だなと思わなかったかもしれない。
 
さらには、こんな出会いもあった。
私が通う美容院は、インテリアがおしゃれだ。店長の奥さんがデザイナーだそうで、毎回行くたびに少しづつ、壁に書いてある絵や、照明の飾りが変わっていて面白い。
その日は、照明に子どもが書いた絵が、おしゃれに飾ってあった。子どもの絵をこんな風に使うとは! こんな落書き私なら捨ててしまうな。と思った。
IKEAの家具もよく飾ってあり、このアイテムをこういう風に使えばいいのか! と参考になったり、こんなアイテムがあるんだ! と購入リストに追加したこともあった。
 
美容院に行ったら、自分の時間を過ごしたいからと、自分が持って行った本を読んだり、スマホを触ったりと、自分の持っているもので時間を満たす方もいるだろう。美容師さんと会話せず、黙々と本を読む方もいるかもしれない。
毎日、忙しく過ごしているので、美容室に行くときくらいは、自分の時間が欲しいと思われる方もいるだろう。
ほんの一瞬だけでも、持ってきてくれた雑誌を読んでみてはどうだろうか。
美容師さんの話を深掘って聞いてみるのはどうだろうか。
興味の幅が広がったり、新たな情報を得るきっかけになるかもしれない。
 
コロナになり、人と会うことをなるべく避けてきた。テレワークになり、会社の人と会う機会もすくなくなっており、私たちは、雑談というのをあまりしなくなった。
ネットには情報はたくさんあって、自分の興味があるものは、調べれば簡単に手に届く時代だ。
SNSも親しい友人の投稿や、自分の好きなものに囲まれており、普段触れることのない情報へは、意図的に意思をもって行わなければ、たどり着けない。
私たちは、興味のあるもの、好きなものは自分の知っているものにより限られていくような生き方になってきているのかもしれない。
 
今回のマンガとの出会いで、自分の領域を自分で囲ってしまっていたんだなということに気づいた。
美容院だけではなく、タクシーの運転手さんとの会話等、いろんな場にセレンディピティは潜んでそうだ。そういう出会いは、人生がより豊かになるきっかけになるのではないだろうか。
 
 
 
 
***
 
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2022-10-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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